急な転勤や行きたくもない部署への異動、馬の合わない上司や同僚たち…。

サラリーマンとして生活をしている以上、こうした「リスク」は常について回ります。

仕事は嫌いではないけれど、もっと自由に働けたら―。

そう考えている方も多いのではないでしょうか。

そんな自由な人生を不動産投資という形で後押しするのが元金融マン投資家の内田裕樹氏(55)の著書『元金融マンが明かす 資産を作るなら株や投資信託ではなく不動産投資にしなさい!』。

家賃年収1,600万円を達成した著者が娘に対し語った不動産投資で成功するための教えとは―。

本記事では同書の一部を抜粋・再編集し、大手証券会社、都市銀行と渡り歩いてきた著者が実体験を通して得た不動産投資のホンネをご紹介します。

書籍
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55歳にして月間の手取り家賃収入100万円!元金融マンが明かす「資産を作るなら株や投資信託ではなく不動産投資にしなさい!」
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目次

  1. 低リスク・低リターンの都心中古ワンルームでも10年で純資産を2倍にできる
  2. 「金の卵を産むニワトリ」は維持管理が重要
  3. 物件選びのポイントは「立地」
  4. 堅実不動産投資では繰り上げ返済が必須

低リスク・低リターンの都心中古ワンルームでも10年で純資産を2倍にできる

元銀行員/家賃年収1,600万オーナーの父が娘に伝えた成功する不動産投資の教え
(画像=kunakorn/stock.adobe.com)

就職して3年目の2021年に、20代前半の子どもが投資信託について私に相談してきました。これはチャンスです。これを機会に、投資信託の話から徐々に不動産の話につなげようと考えました。

「今と昔では状況は違うかもしれないけど、若い頃に証券会社で働いていた経験上、自分では投資信託はやらないし、人に勧めることもできない。もちろん、本当に良い投資信託があって、それを知らないだけかもしれないけど。ところで、どうして投資信託に興味を持ったの?」

「銀行に預金しても利息がほとんどないので、運用について知りたかったから」

「投資信託はうまくいけば元本が増えることがあるけど、うまくいかない時には元本が減る可能性があることも知っている?」

「知ってる」

「投資信託にはいろいろな種類があって、株のような金額の変動が大きいものに投資する投資信託の場合は、儲かることもあれば株価が下がって損することもあるっていう仕組みは理解している?」

「なんとなくは知っているけど、よく知らない」

「学校では教えてくれないから、今の時点でそれだけわかっていれば大丈夫」

こんな感じでしばらく投資の会話をしました。

その後、思いきって不動産投資の話を始めました。

「お父さんは資産運用としては都心中古ワンルームメインの不動産投資一択で運用しているよ。今まで話をしたことはないけど、家にはお金(現金)はそんなになかったけど、資産はそこそこ積み上がっている。利回りは平均して10%、単純計算で、10年で2倍の運用をしている。すごいでしょ。
興味ある?」

「ある」

「なら教えてあげるよ。不動産投資は入口の知識のハードルが株や投信と比べてかなり高いから、相当勉強する必要があるけどやってみる?」

「やる」

「じゃあ何冊か本をあげるから、読んでみて。わからないことがあれば質問してね」

まず、日本財託の重吉勉社長が書いた書籍を何冊か渡しました。子どもの基礎知識がどこまであるのかわからないので、解説書を読ませて力量を図ります。ただ、あくまでも本人が本気で不動産投資をやる気になって真剣に取り組まないと意味がありません。そのあたりも推し量るつもりです。

さらに子どもと話を続けます。

「金の卵を産むニワトリ」は維持管理が重要

「お父さんが持っている不動産からの家賃収入は、お父さんとお母さんが老後に子どもに負担をかけずに生活費や医療費をまかなうものだけど、最終的には相続で子どものものになる。ただ、投資の不動産は維持管理をしっかりやらないと、収益を生まなくなる。金の卵を産むニワトリだね。売ってしまえばそれで終わりだけど、専門知識を身につけてキチンと世話すれば、いつまでも金の卵を産んでくれるよ。維持管理も覚えるつもりがあるなら一緒にやって教えてあげるよ」

「やる」

会話とは言えませんが、意思疎通はできていると思います。

日本財託以外の書籍も順次渡して勉強させます。時どき用語や内容について質問の電話があるので教えます。数か月後には日本財託のオンラインセミナーを案内しました。

半年以上経った頃、子どもから、

「まだ勉強を続けないとダメなの?」

と言われました。そこで、オンライン個別相談を申し込ませることにしました。私からは質問内容や進め方などは教えません。

「わからないことは自分から教わるように、わからないことがわからないなら、正直にそう言うように」

とだけアドバイスしました。

後日、様子を聞くと、「今は頑張って資金を貯めるように言われた」ということです。子どもの話は要領を得ません。まあ、経験値がないのでしかたがありません。私の担当者に子どもも担当してもらっているので、担当者に直接話を聞くことにしました。

面談については尋ねると、

「就業年数が足りないので、まだ借入れができない」

と言われました。以前は2年で大丈夫でしたが、ちょっと厳しくなっているようです。そこで、担当者から提案がありました。私が現金で買う余裕があるなら、資金を子どもに貸して、家賃収入から返済する、という方法なら大丈夫ということです。

運転資金では物件を購入するほどの余裕はなかったのですが、会社を辞めても資金的に問題ないことを確認するために、2年ほど前から給与振込口座にまったく手をつけずに放置していたのを思い出しました。記帳すらしていないので、存在自体をほぼ忘れていました。通帳に記帳して残高を確認すると、安い物件ならなんとかなりそうです。

物件選びのポイントは「立地」

そうなると、次は肝心の物件選びです。5年ぶりなので感覚が鈍っていないか気になるところですが、紹介してもらった物件の立地を確認すると、まったく問題ないことがすぐに理解できます。

私が考える都心の立地の条件は、最寄駅が山手線のターミナル駅まで10~20分以内で、最寄駅から徒歩10分以内にあるものを指します。

もちろん、徒歩10分の物件は徒歩5分の物件より空室(家賃引下げ)リスクは高くなるので、できるだけ駅から近い物件のほうが望ましいです。

駅まで遠い物件は、物件価格が安いので買いやすいと思うかもしれませんが、徒歩10分辺りからアパートが増加して競合するので、駅まで遠い物件は避けたほうが無難です。一般的に駅までの距離が2倍になると、競合は4倍になると言われています。

特に世田谷区や練馬区、江戸川区など、元々農地が多かった地域では、相続対策として田畑が次々とアパートに変わっているので、駅まで遠い物件はより厳しくなります。

ですが、子どもには何も意見を言わずに、良いところや良くないところを自分で考えてまとめるように伝えました。すると、日本財託の担当者の説明がほぼそのまま答えとして返ってきました。経験値がゼロなのでしかたないです。少しずつ経験を積み重ねればよいのです。

この物件を買うかやめるのかを聞くと、

「お父さんはどう思う?」

「お父さんじゃなく、自分はどう思うの?」

「いいと思うけど、わからない」

これもしかたないですね。私も初めて物件を選ぶ時に何をどのように考えたらいいのかわからずに、さんざん迷ったものです。

ですが、心を鬼にして、

「自分がお金を払って買うのだから自分で考えて決めなさい。人の意見で決めると、もしも何かあった時に気持ちが逃げて人のせいにすることになる。投資は完全に自己責任なのだから、最後は自分で決めなさい」

「それはわかっているけど、どうしたらいいのかわからない」

自己責任が理解できているならいいでしょう。少し助け舟を出します。

「この物件を買ってもいいと思う理由は?」

いくつか理由が返ってきます。

「じゃあ、やめたほうがいいかもしれない理由は?」

答えが返ってきません。

「買ったほうがいい理由はいくつもあるけど、やめたほうがいい理由がわからないのでしょ。それが答えなんじゃないの。この物件の短所は築年数が40年弱とかなり古いけど、しっかりと管理できているみたいだから、やめたほうがいい理由とまでは言えないよ」

ヒントの出しすぎかもしれませんが、まあ、いいでしょう。

「買うと決めたのなら、自分で担当者に伝えなさい。いろいろと手続きが大変だから、間違いがないように自分でしっかりと確認しなさい」

本来なら、購入を決断する前に物件を見に行く必要があるのですが、子どもが遠方に住んでいるのと、私と休みを何度も合わせることがむずかしいので、割愛することにしました。

もちろん、本来は見てから決めるものだということは教え、今回は私の経験上、致命的な問題にはならないという考えを伝えました。

堅実不動産投資では繰り上げ返済が必須

次は資金繰りです。今回は相続対策を兼ねているので、銀行から借り入れするのではなく、私が貸与する形です。子どもに聞きます。

「自分ではいくら出せるの? いくら貸してほしいの?」

「どう考えたらいいの?」

「銀行から借りるのだったら、買ってすぐに空室になっても返済ができるように何か月分かの返済額とリフォーム工事に必要な金額を残しておく必要があるけど、お父さんが貸してあげるのだから、深く考えなくてもいいよ。もし、資金が足りなくなったら追加で貸してもいいのだから。当面は少しでも早く完済することを優先して考えて」

まだ、20歳代半ばなので、次の物件を急いで買う必要はありません。ですから、少しでも早く繰上げ返済し、完済することを目指します。

もっとも、次の物件を買うには私がほぼ全額を現金で用意しないと買えないので、かなり厳しいという背景もあるのですが、数年後に銀行から借りるという選択肢も含めて検討するつもりです。

贈与税の対象にならないように金銭消費貸借契約書(金貸、いわゆる借用書)を作成し、印紙も貼って割印します。ネットからの手続きで送金手数料が無料になるように親子で同一銀行同一支店の口座をつくります。毎月の家賃収入と給与の余剰金を、子どもが私の口座に送金するので、エクセルファイルに正確に記帳して管理します。

さすがに、この金銭消費貸借契約書(通称、金貸)と管理用エクセルファイルは、私が準備します。金貸の雛型を日本財託からワードファイルで送ってもらい、内容を確認して文言をアレンジします。管理用エクセルファイルは私が作成します。

購入の手続きをすべて完了できたのは2021年12月の資金決済最終日でした。

内田 裕樹氏
内田 裕樹氏 Yuki Uchida
1966年生まれの55歳。国立大理系学部卒業後、新卒で山一證券に入社。営業・証券アナリストとして活躍するも31歳の時、バブル崩壊の影響で勤務先が自主廃業。中堅の銀行に転職する。
波乱万丈な会社員人生の傍ら、2009年、43歳のとき日本財託で不動産投資を開始。東京23区内の中古ワンルームを中心に物件を買い進め、11戸のマンションを保有し、アパート経営にも着手。 2019年に『不動産投資で上がり(ゲームでいう上がり)の状態』に到達する。
今年の6月末に銀行を早期退職し、現在は投資仲間とともに不動産関連の仕事に関わる。

著書:「55歳にして月間の手取り家賃収入100万円!元金融マンが明かす『資産を作るなら株や投資信託ではなく不動産投資にしなさい!』」(アーク出版)

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