「手取り20万円」と一口にいっても、雇用形態やボーナスの金額、扶養家族の人数などにより、年収に大きな差が出る。

快適に生活していく上での注意点や20万円以上稼ぐ方法などとともに、30代で手取り20万円の生活について、貯蓄や一人暮らし、結婚などさまざまな角度から分析してみよう。

目次

  1. 手取り20万円の年収とは?ボーナスはどのくらい?
  2. 30代の平均給与・貯蓄額は?
  3. 手取り20万円の妥当な家賃・生活費は?貯金はできる?
  4. どんな仕事をすれば手取り20万以上稼げるのか
  5. 将来の生活のために今から始めたい資産運用とは?

手取り20万円の年収とは?ボーナスはどのくらい?

20万円の生活
(画像=hanack/stock.adobe.com)

手取りとは、会社から支払われる額面上の給料(基本給+残業手当、役職手当、資格手当など)から、税金(所得税、住民税)や保険料(社会保険料、雇用保険、厚生年金など)を差し引いたものだ。会社によっては、労働組合費や退職金の積み立て金なども、差し引かれる場合がある。つまり、手取り=生活費として使えるお金ということになる。

一方、年収は、毎月の額面上の給料にボーナスを上乗せしたもので、年間の総支給額を指す。差し引かれる分を相場の2割で計算すると、手取り20万円の毎月の総支給額は約24万円。ボーナスなしの年収は24万円×12ヵ月=288万円だ。ボーナスが夏と冬にそれぞれ3ヵ月分支給される場合、24万円×6ヵ月=144万円が上乗せされ、年収は432万円になる。

この金額は雇用形態やボーナスの金額、扶養家族の人数などによって差が出る。

例えば、正社員は社会保険の半分を会社が負担してくれるが、アルバイトが社会保険に加入する場合は一部自己負担となる。社会保険に加入しない場合は、国民年金保険や国民健康保険を自分で払う必要があるため、手取りは減る。

このように考えると、ボーナスなしの手取り20万円は苦しいように思えるが、実際にはどうなのか。

30代の平均給与・貯蓄額は?

まずは30代の平均給与・貯蓄額を見てみよう。厚生労働省「賃金構造基本統計調査(令和元年分)」によると、30代の平均年収は男性309.06万円、女性は251.8万円。ボーナスなしだと、手取り20万の年収は平均以下ということになる。

それでは平均年収であれば、貯蓄はできるのだろうか。2019年に金融広報中央委員会が実施した「家計の金融行動に関する世論調査」によると、平均年収300~500万円未満の30代単身者の貯蓄額の平均値は402万円、中央値は200万円、300万円未満の平均値は173万円、中央値は5万円だ。 しかし貯蓄額別の割合を見ると、平均年収300~500万円未満の11.3%、300万円未満の20.7%の貯蓄額は100万円未満と、皆がしっかりと貯金できているわけではないことがわかる。

手取り20万円の妥当な家賃・生活費は?貯金はできる?

手取り20万円である程度余裕をもって生活するためには、生活費で大きな割合を占める家賃を3分の1以下におさめるのが理想的だ。手取り20万の場合は6万6,000円以下なので、住む場所によっては立地条件や物件の築年数、広さなどを妥協する必要がある。

食費の目安は手取りの2割程度といわれており、月4万円、1日1,300円が妥当な線だ。光熱費、インターネットや携帯電話などの通信費、ローンの返済等、必要経費がここに加算される。

必要経費の金額にもよるが、ギャンブルにはまったり贅沢をしたりせず、計画的にお金を使う習慣をつければ、貯金することも可能だろう。

しかし、結婚して家族が増えた場合はそうはいかない。子育てとなるとさらにお金がかかる。経済的に苦しい生活を送りたくなければ、子どものことを考える前に共働きや副業で収入を増やし、まとまった金額を貯金しておくなど、中期的なプランが必須である。

どんな仕事をすれば手取り20万以上稼げるのか

それでは具体的にどのような仕事をすれば、手取り20万以上稼げるのか。フリーランスで20万円以上を稼ぐことも可能だが、安定した生活を目指すのであれば、雇用条件や社会保険制度が充実している正社員を選んだ方が賢明だ。

転職・求人サイト「マイナビAGENT」の職種別 総合年収ランキングによると、高所得の職種トップ3は、金融・コンサルティング、IT・インターネット・通信、医薬・医療機器・バイオ。30代の運用アナリスト・ディーラーの平均年収は623万円、システムコンサルタントは610万円、MR(医薬情報担当者)は580万円など高所得が狙える。

その他、営業職の内勤営業・カウンターセールスは417万円、管理職は623万円。クリエイティブ系のDTPオペレーターは393万円、WEB・モバイルのプランナーは637万円。不動産・建築の施行管理・設備工事は473万円、アセットマネジメント・プロパティマネジメントは599万円など、専門知識やスキル次第でゆとりのある生活を送れる。

将来の生活のために今から始めたい資産運用とは?

しかし、超低金利時代の今、一生懸命節約して貯金しても、貯蓄口座に寝かしておくだけではなかなかお金は増えない。手取り20万円であればなおさら、将来の貯金や生活のためにお金を効率的に増やす手段を考えたほうがいいだろう。

そこで重要なカギを握っているのが、資産運用である。資産運用の目的は、投資などを通して、自分の資産を無理なく上手に増やすことだ。運用期間が長いほどより大きな利益が期待できるため、「まだ若いから」などと先延ばしにせずに今すぐにでも始めたい。

最近はスマホから24時間アクセス可能な投資信託もある。投資の知識や経験、時間がないのであれば、AI(人工知能)が個人のニーズに合わせて、ポートフォリオ(資産配分)の作成や運用管理をしてくれる「ロボアドバイザー」などを利用する手段もある。

繰り返しになるが、資産運用の目的は、計画的に無理のない範囲で、長期にわたり資産を増やすことだ。少し利益が出たからといって、全財産を投資につぎ込むなど無謀な運用をすると、お金を増やすどころかすべて失うことになりかねない。

将来の計画を立てて、しっかりとお金を管理しながら着実増やすことが、手取り20万円の生活で最も重要な要素といえるだろう。