「貯蓄が苦手」「なかなかお金が貯まらない」という方におすすめなのが、積立預金を活用することだ。毎月コツコツとお金を積み立てて、「気付いたときには貯まっていた」という状態を目指せるのが積立預金の魅力である。

この記事では、積立預金の特徴やメリット・デメリットを、どうやって始めるのかと併せて詳しく解説していく。

目次

  1. 積立預金とは?
    1. 積立預金の概要
    2. 定期預金との違い
    3. 「積立式定期預金」や「自動積立定期預金」
  2. 積立預金、4つのメリット
    1. 1. 「自動的に貯まる仕組み」が作れる
    2. 2. 自分で資金移動する手間が省ける
    3. 3. 少額でも始められる
    4. 4. 目的ごとの貯蓄もできる
  3. 積立預金のデメリット
  4. 積立預金の始め方!チェックすべきポイントも解説
    1. ステップ1.金融機関を選ぶ
    2. ステップ2.積み立てる金額を決める
    3. ステップ3.申し込み手続きをする
  5. 他にもある!積立で資産を作る5つの方法
    1. 1. 外貨積立
    2. 2. るいとう(株式累積投資)
    3. 3. 投信積立
    4. 4. つみたてNISA・iDeCo
    5. 5. 純金積立
  6. 積立サービスをうまく使って貯蓄しよう

積立預金とは?

積立預金
(画像=takasu/stock.adobe.com)

まずは「積立預金」とはどんなものなのかを整理しておこう。

積立預金の概要

積立預金はその名のとおり、お金をコツコツと積み立てながら預金していく仕組みのことだ。銀行など多くの金融機関で提供されているサービスの一つで、一度設定しておけば、毎月自分が決めた日に自分が決めた金額を自動的に貯蓄用の口座に移動させてくれる。

積立預金には以下のようなパターンがある。

・金融機関で申し込めて、移動元と同じ金融機関の別口座に積み立て
・金融機関で申し込めて、別の金融機関の口座に積み立て
・勤務先で申し込めて、給与天引きで貯蓄用口座に積み立て(「社内預金」や「財形貯蓄」)

社内預金や財形貯蓄を利用するには、勤務先の会社がその制度を導入している必要がある。会社に制度がない場合は、自分で金融機関に申し込むことで同じような仕組みを作ることができる。

定期預金との違い

金融機関の預金サービスには「定期預金」というものもある。「積立預金」との違いは以下のような点だ。

・預ける金額や頻度

積立預金は前述のとおり毎月コツコツとお金を積み立てていくサービスだ。一方で定期預金は、まとまったお金を一度に預けるのに向いているサービスである。

積立預金は一度サービスを申し込むと、自分で解除しない限り毎月ずっとお金の移動が発生する。一方の定期預金は一度限りで、さらに利用したい場合はその都度申し込む必要がある。「少しずつ何回も」なら積立預金、「まとめて1回」なら定期預金と考えよう。

・預金金利

預けたお金に金額や期間に応じて上乗せされるお金を利息というが、どのくらいの利息がつくのかは積立預金か定期預金か、そのサービスによって異なる。定期預金は、基本的に通常の預金(普通預金)より金利が高い(受け取れる利息が多い)設定になっている。

積立預金は、積み立て先が普通預金の金利を適用していたり、定期預金の金利を適用していたり、社内預金など定期預金よりさらに有利な金利を適用しているなどさまざまだ。

同じように預けるなら、できるだけ金利が高い方が得である。自分が利用したいサービスの金利をチェックして比較してみよう。

・預ける期間

定期預金と積立預金のもう一つの違いが「預ける期間」だ。定期預金はその名のとおり預ける「期」間が「定」まっている。例えば6ヵ月や1年など自分で選択した期間で預けて、最後まで預けると通常の預金よりも金利が高くなる仕組みだ。

途中解約は可能だが、その場合は満期まで待ったときより低い金利が適用される。「もう少し我慢すれば高い金利になる」と思えることは、解約や出金を思いとどまるきっかけになる。「制限がないと気軽に引き出してしまいそうだ」という方にも向いているだろう。

積立預金は、預ける期間が決まっているものもあるが、自由なものもある。「毎月の積立をやめたい」と思えば自分でいつでも解除の手続きができるし、預ける期間が決まっていないものは貯めたお金をいつ引き出しても金利が変わらず、すぐに引き出すことも可能だ。

「積立式定期預金」や「自動積立定期預金」

定期預金と積立預金は異なるものだが、両方の特徴を兼ね備えた「積み立てで定期預金ができる」サービスも存在する。金融機関によってサービス名が多少異なるが、「積立式定期預金」や「自動積立定期預金」などと呼ばれている。

これらのサービスでは、毎月一定の金額を一定の日に、普通預金から定期預金の口座に自動的に移動させてくれる。金利は定期預金の高い金利で、預ける期間は決まっているため途中で引き出しにくい。お金の移動先が普通預金口座であるのも、より貯めやすいと言えるだろう。

積立預金、4つのメリット

積立預金のメリットは、以下のとおりだ。

1. 「自動的に貯まる仕組み」が作れる

積立預金では、一度設定しておけばあとは自動的に毎月お金が移動して、貯蓄用の口座にお金が積み立てられていく。ほったらかしでも勝手にお金が貯まる仕組みを、自分で簡単に作れるのが大きなメリットである。

設定するときは、給料日の直後に給与口座から貯蓄用の口座にお金が移動するようにしておくのがおすすめだ。「お金が余ったときに貯蓄する」より「先に貯蓄分を取り分けておいて、余った分で生活する」方が貯蓄はうまくいきやすい。

貯蓄用のお金を移動させた後の状態を「もともとの自分の手取り額だ」と考えて、その範囲内で生活を成り立たせるようにしよう。これは「先取り貯蓄」と呼ばれる貯蓄の王道的な方法だ。

2. 自分で資金移動する手間が省ける

自分で毎回お金を移動しなくても済むのも、積立預金の特徴だ。毎回銀行やATMに行って手続きしないといけないとなると、どうしても「面倒くさい」「手間がかかる」と、なかなか実行・継続できなくなってしまう。

良い習慣を身につけるためには、できるだけ手間を省いて自分のエネルギーを割かずに済むようにするのが得策だ。積立預金なら最初に設定する手間だけ乗り越えれば、後はほったらかしにできる。

3. 少額でも始められる

積立預金は、毎月の積立額を自分で自由に設定できる。金融機関にもよるが、月500~1,000円など無理のない金額から始められる。継続できるかどうか不安なら、まずは小さい金額から試してみて、徐々に金額を上げていくことも可能だ。

ただし、積立額を途中で自由に変えられる仕様になっていても、毎月変動させたり「今月は厳しいから」と気軽に下げたりするのは避けよう。手間がかかるうえに貯蓄もしにくくなってしまう。積立預金は手数料をかけずにできることが多いので、コスト面の負担も特に気にせずに済む。

4. 目的ごとの貯蓄もできる

積立預金では、一定の金額が貯蓄用の口座に毎月貯められていく。この貯蓄用の口座は、たとえば子どもの将来の進学資金など、手をつけずに通常の預金とは別に確保しておきたいお金の置き場としても使える。

金融機関によっては、別の金融機関に毎月一定額ずつお金を移動できるサービスを複数契約できる場合もある。例えば「長男の進学資金」と「次男の進学資金」、「海外旅行資金」と「スキルアップ資金」、「老後資金」と「マイホーム資金」など、自分で必要な貯蓄の内容や金額を決めて貯めていくことも可能だ。

「○○専用」と決めておくと、それ以外の目的で気軽に手をつけにくくなる。達成度もすぐに把握できるため、貯蓄の成功率が上がりやすくなる。

財形貯蓄では、年金の足しやマイホーム用の資金なら利息が非課税になる。自分で金融機関に申し込むタイプでも、その金融機関でローンを利用するときの金利や手数料が有利になるなどの特典が受けられる場合もある。

積立預金のデメリット

積立預金のデメリットは、お金を貯めるのは得意だが、増やすのは得意ではないことだ。積立預金は基本的に、預けたお金につく利息の割合(金利)があまり高くない。

利用するサービスにもよるが、普通預金と同程度のものだと1年間預けて0.001%、定期預金でも0.002~0.1%ほどだ。金利年0.001%だと、元金100万円を1年間預けても10円しか増えないことになる。

預けたお金が減る可能性はほぼないため、「安心重視」「増えなくてもいいから減らしたくない」という場合には有効だろう。しかし、多少リスクを取ってお金を増やせる状況なら、後述する別の方法の方が向いているかもしれない。

なお毎月2万円ずつ、20年間に渡って年0.002%で運用すると、元金が956円増えて480万956円になるが、年2%で運用できれば589万5,937円まで増える。(※税金や手数料は考慮していない)

積立預金の始め方!チェックすべきポイントも解説

積立預金を始める際にはどのように進めればいいのか、その手順とポイントについて見ていこう。

ステップ1.金融機関を選ぶ

積立預金を始めるにはまず、どこのサービスを利用するか決めよう。会社の制度を利用するのか、自分で金融機関に申し込むのか、自分で申し込むならお金の移動元と移動先はどこにするのかを考える必要がある。

お金の移動元として適しているのは、毎月お給料が入ってくる口座(給与口座)だ。自分が給与口座として利用している金融機関が積立預金サービスを提供しているかどうか、一度確認してみよう。積立預金は銀行や信用金庫など、さまざまな金融機関で扱われている。

「給与口座を変えても構わない」「給与口座以外の口座を移動元に設定したい」という場合は、以下の点を比較して利用するサービスを検討するとよい。

・ポイント1.預金金利

預けたお金にどれくらい利息がつくかは、金融機関ごとに異なる。できるだけ金利が高いところを選んだ方が、お金が増えやすく有利だ。

積立預金は主に、お金の移動先を同じ金融機関内の定額預金に設定するタイプと、別の金融機関の普通口座に設定するタイプの2パターンがあるが、定額預金タイプの方が金利が高い傾向がある。

・ポイント2.積立預金サービスの手数料

積立預金サービスの利用に手数料がかかるかどうかもチェックしておきたい。今自分が使っているのと同じ金融機関内の定期預金口座に移す場合は、手数料なしで利用できることが多い。

別の金融機関に送金したい場合(移動元と移動先の金融機関が異なる場合)、積立の設定費用はかからなくても、毎月の振込手数料が発生することがある。毎月数百円の手数料でも、長期間にわたるとなると地味に手痛い出費になることがあるため、いくらかかるのかは事前に把握しておこう。

・ポイント3.利便性や受けられるサービス

その金融機関の使い勝手やその他に受けられるサービスも見て、なるべく利便性の高いところを選んでおくというのも一つだ。

例えば同じ系列の証券会社と口座を連携させることで、金利が大幅にアップするような銀行もあるし、ネットでほぼ全ての手続きが完了できる銀行もあれば、近くに窓口があって気軽に質問に行ける金融機関もある。

金融機関によっては預金額が多いと住宅ローンの審査などが有利になる場合もある。使い方によっては、わずかな金利差のために定額預金口座を作るよりも、別で使っている金融機関の口座を貯蓄専用にした方がいいと感じる方もいるだろう。

金融機関ごとに提供しているサービスや方向性は異なる。利用している金融機関を途中で変更するのは案外手間がかかる。最初から自分に合ったサービスを選んでおけば、長く使い続けられるだろう。

ステップ2.積み立てる金額を決める

金融機関を選んだら、毎月いくらずつ貯蓄していくかを考えよう。自分の都合に合わせて設定できる。

おすすめの決め方は、まず何のために・いつまでに・いくら貯めたいのかを考えて、それを達成するためには毎月いくらずつ貯めていけば間に合うのかを逆算して設定することだ。

例えば、15年後の子どもが大学進学する時期に合わせて300万円を用意しておきたい場合、毎月およそ1万7,000円ずつ積み立てていけば間に合う。3年後に海外旅行に行くための費用を100万円貯めたい場合は、毎月およそ2万8,000円だ。

計算が苦手でも、数字を入力するだけで自動計算された結果が表示されるシミュレーションサイトなどを使えば、簡単に逆算できる。金融機関の公式サイトなどで調べられる場合もある。

まずは貯められそうな額ではなく、「貯めたい金額」「貯めなければならない金額」から考えてみよう。

ステップ3.申し込み手続きをする

利用するサービスを選んで、いくらずつ積み立てていくのか決めたら、いよいよ申し込み手続きだ。会社の制度に申し込む場合は、給与などの担当部署に問い合わせて手続き方法を教えてもらおう。

自分で金融機関に申し込む場合、今はインターネットバンキングを使っていつでも手軽に手続きできることが多い。ただ、なかには窓口で手続きしないといけない場合もあるため、各金融機関の公式サイトなどで確認してみよう。

他にもある!積立で資産を作る5つの方法

コツコツとお金を積み立てていけるサービスは、実は積立預金の他にもある。最後に、積立預金以外で積立貯蓄をする方法についてもチェックしておこう。ここで紹介する方法は、場合によっては預けたときよりお金が減る可能性もあるが、増やせる可能性もあるのが特徴だ。

1. 外貨積立

銀行などでは通常の日本円の預金以外にも、米ドルやユーロなど外国の通貨で預金できる「外貨預金」を取り扱っているところがある。外貨預金も「外貨積立」や「積立外貨定期預金」など、積立サービスの対象になり得る。

外貨預金は、日本円の預金よりも金利が高い設定になっている場合が多い。また、為替の影響を受けるため、預けたときよりも円高になれば損、円安になれば得になる。

2. るいとう(株式累積投資)

株式投資に興味があるなら「るいとう(株式累積投資)」も選択肢の一つだ。毎月少しずつコツコツと株式を購入できるので、今の元手資金が多くなくても株式投資をスタートできる。一度に大金を投入するのではなくコツコツと積み立てていくことは、投資のリスクを下げることにもつながる。

毎月一定額を購入していく仕組みのため、タイミングなど難しいことを考えなくても株価が安いときにはたくさん買って、高いときには少しだけ買うということが実践できるし、株価が上がっているときに慌てて投資しようとして「高値づかみ」をすることもなくなる。これは「ドル・コスト平均法」と呼ばれる定番の投資手法だ。

3. 投信積立

投資信託も積立投資ができる。投資信託とは、投資家から集めたお金を投資のプロがまとめて運用するサービスで、個別の銘柄選びやどこにどんな配分でいくら投資するかは、投資のプロが決めて実行する。

プロにおまかせできることや、元手資金が少なくても多数の銘柄に分散して投資ができることから、株式投資よりもさらに投資初心者向きとして人気を集めている。

4. つみたてNISA・iDeCo

つみたてNISAやiDeCoは、投資にまつわる税制優遇制度の名称だ。この制度を利用すると、投資で得た利益にかかる税金が非課税になる。どちらも、毎月コツコツと投資信託などを購入して積み立てていくときに利用できる。

iDeCoは定期預金の積み立てでも利用できて節税効果もあるので、投資を考えていない人でも利用を検討する価値はあるだろう。

5. 純金積立

貴金属の金や銀、プラチナなども積立投資の対象とすることができる。金は「実物資産」と呼ばれ、株式のように急に価値がゼロになる可能性がないことや、近年の相場が上昇傾向なことなどからも注目されている。

積立サービスをうまく使って貯蓄しよう

積立預金のサービスを使えば、コストをかけずに自動的に貯蓄がはかどる仕組みを作ることができる。一度設定してしまえば後はほったらかしでよいので、「面倒でなかなか腰が上がらない」という方でも、最初のひと手間だけ乗り越えさえすれば難しくないはずだ。

「なかなか貯蓄ができない」とお悩みの方は、この機会に取り組んでみてはいかがだろうか。