金融市場において、「相場急落」は避けてはとおれない現象だ。特に近年は、各国の中央銀行が大規模な金融緩和を実施していたり、各国の政府が財政出動をしていたりする影響で「カネ余り」が発生し、それが金融市場に流れてこんでいると言われている。

そのため、ボラティリティ(資産価格の変動幅)が上昇しているという指摘もある。ボラティリティが上昇するということは、ちょっとした拍子で資産価格が大きく急落するリスクもあるということだ。

いずれにせよ、資産運用をしている以上、相場急落はいつやって来てもおかしくない。そこで今回は、相場急落のときに投資家がやるべきこと、やってはいけないことについて解説していく。

目次

  1. 相場急落のときに投資家がやってはいけないこと
    1. 狼狽売りをする
    2. 相場と向き合うことを放棄する
    3. 深い考察もなしにショートポジションを持つ
  2. 相場急落のときに投資家がやるべきこと
    1. まずはポートフォリオの状況を確認する
    2. 下落の要因と今後の展望を考える
    3. 一過性の下落と判断したときは押し目買いを検討する
  3. 相場急落の可能性を常に想定して、正しい行動を取るようにしよう

相場急落のときに投資家がやってはいけないこと

相場急落
(画像=PIXTA)

まずは、相場急落のときに投資家がやってはいけないことについて見ていこう。

狼狽売りをする

狼狽(ろうばい)売りとは、相場の急落に動揺して、慌てて売り注文を出す投資行動を指す。相場急落の際に最もやってはいけないことだと言える。

結果として、売却することが正しいケースもあるだろう。しかし、狼狽売りの最も悪しき部分は、深い考察もなしに、相場急落に慌てて反射的に売り注文を出すことだ。相場急落の際は狼狽売りするのではなく、急落の要因や保有資産の状況、今後の展望などを考慮しながら行動するようにしよう。

相場と向き合うことを放棄する

相場が急落して保有資産が大きく目減りしたり、含み損が広がったりすると、相場と向き合うことを放棄する人がいる。いわば現実逃避だ。

しかし、相場急落のときこそ、相場と向き合うことを放棄してはいけない。現実から目を背けずに、急落の要因や保有資産の状況、今後の展望などを考慮しながら行動するようにしよう。

その上で「急落は一時的で、相場が回復する見込みはある。ここは何もせず持ちこたえよう」という結論になったのであれば、一時的に放っておくことは問題ない。ただし、その結論が論理的な理由ではなく「急落から目を逸らしたい」という願望から来ているものではないか、と自問することは重要だ。

深い考察もなしにショートポジションを持つ

深い考察もなしに、ショートポジションを持つことも避けたい。具体的には信用取引で空売りしたり、ベア型投資信託(ETF)を購入したりすることだ。

確かに、ショートポジションを持った上でさらに相場が急落すれば、下落相場でも利益をあげることができる。しかし、ショートポジションは理論上損失が無限大であり、売買のタイミングが難しいことから、一般的に上級者向けの投資と言われている。

どうしてもショートポジションを持ちたい場合は、あらかじめ損切りラインを定めて、長くポジションも持たないように気をつけたい。

相場急落のときに投資家がやるべきこと

続いて、相場急落のときに投資家がやるべきことについて見ていこう。

まずはポートフォリオの状況を確認する

まずは自身のポートフォリオの状況を確認しよう。日経平均株価やNYダウなどの株価指数が大幅に下落したとしても、自分の保有銘柄は思ったほど下落していないという可能性は想定される。

もちろん、「株価指数の下落以上に保有銘柄が下落してしまった」となるケースもあり得る。まずは自身のポートフォリオへの影響を確認しよう。

下落の要因と今後の展望を考える

次に下落の要因を確認し、今後の展望を考えてみよう。「投資を始めた理由」や「その資産を購入した理由」を思い出して、それらの狙いや当初描いていたシナリオが崩れたかどうかを確認したい。

基本的に投資家が取れる選択肢は「売却する」「様子を見る」「購入する(買い増しする)」の3つしかない。下落の要因が一過性のものであり、時間の経過とともに元に戻るという結論に至れば、「様子を見る」という選択肢でも良いだろう。

ただし、信用取引やFX取引、レバレッジ型投資信託などレバレッジをかけたポジションは、一旦クローズすべきかどうかをより慎重に検討したい。これらはネガティブな方向にもレバレッジがかかり、予想が外れたときにポートフォリオに与えるダメージが大きいためだ。

一過性の下落と判断したときは押し目買いを検討する

投資の基本は「安く買って高く売る」だ。資金に余裕があり、かつ一過性の下落と判断した際は、押し目買いも検討したい。ただし相場急落後はしばらくボラティリティが大きいことが多く、投資予定資金を2分割し、2回に分けて押し目買いするなど、購入時期を分散させると良いだろう。

積み立て投資に関しては、相場急落時は相対的にたくさんの資産を購入できるため、中長期的に見ると購入平均単価の引き下げに寄与することも多い。積み立て投資をしている人は、相場急落のときだけいつもより多めの金額を購入するなどのアイデアも考えられるだろう。

相場急落の可能性を常に想定して、正しい行動を取るようにしよう

今回は、相場急落のときに投資家がやるべきこと、やってはいけないことについて解説してきた。

資産運用をしている以上、相場急落はいつやって来てもおかしくない。投資家がやるべきこと、やってはいけないことをよく理解して、正しい行動を取るようにしよう。