堅実に利益を得られやすいと人気の「IPO投資」だが、勝率は100%ではない。IPO投資の際には、上場する企業の事業内容や業績データが記載された「目論見書」を確認し、有望な銘柄かどうかを分析すべきだ。ここでは、目論見書において確認すべきポイントを解説する。

目次

  1. IPO投資とは? メリットは?
  2. 目論見書で確認すべき5つのポイント
    1. 1.経営理念や事業内容を確認する
    2. 2.業績データや財務データを確認する
    3. 3.手取金の使途を確認する
    4. 4.新規発行株数と売出株数を確認する
    5. 5.ロックアップの条件や期間を確認する
  3. 目論見書からはわからない「知名度」も重要な要素に

IPO投資とは? メリットは?

IPO投資,目論見書
(画像=PIXTA)

目論見書の確認ポイントを解説する前に、そもそも「IPO投資」という言葉を初めて耳にする人もいるかもしれない。まずは、IPO投資について説明しよう。

IPOとは「新規株式公開」のことで、企業が証券取引所に上場して株式を公開し、投資家が誰でもその株式を売買できるようになることを指す。そして、この過程で新たに公開される株式をIPO株(新規公開株)と呼ぶ。

IPO投資は、そのIPO株を株式上場前に公募価格で購入し、株式上場後に初値で売ることを指す。多くの場合、公募価格よりも初値の方が高くなるため、IPO投資は利益を得やすい。

ただし、誰でもIPO株を株式上場前に購入できるわけではない。証券会社の公募に参加して抽選に当たらなければ、IPO株を購入する権利は得られないのだ。

目論見書で確認すべき5つのポイント

IPO投資はこれまでに触れたとおり、利益を得られやすいものの、勝率100%ではない。そのため、証券会社の公募に参加する際には、事前に目論見書に必ず目をとおしておき、その企業が有望かどうか確認しておきたい。

ちなみに目論見書は通常100~200ページ程度で、前半部分に概要、後半部分に詳細が書かれている。目論見書を読めば抽選の当たりやすさなどの判断もできるため、こうした点も含めて5つの確認すべきポイントを説明する。

1.経営理念や事業内容を確認する

目論見書には、経営理念や事業内容が必ず記載されている。IPOを行う企業は、すでに上場の要件を満たした有力企業であることは確かだが、展開している事業に有望性があるかどうかを自分なりに判断できるように努めよう。

株式公開後の初値は、上場直後にその株を購入しようとする投資家の多さなどに左右される。多くの人が有望だと感じる分野で、将来性がある事業を展開している企業であれば高い初値がつきやすい。しかし、投資家があまり魅力を感じない企業であれば、初値が公募価格を下回ることもあり得る。

2.業績データや財務データを確認する

目論見書では、売上高(営業収益)や総資産額、純利益などの推移が過去5期程度分、棒グラフや折れ線グラフで記載されている。まずは売上高が順調に伸びているか、それに伴って純利益も着実に増えているかなどを確認するようにしよう。その数字の根拠まで調べられるとなお良い。

3.手取金の使途を確認する

目論見書では、新規の株式発行で調達した資金をどう使うかも記載されている。サービス拡大や製品開発などのほか、人材採用費や人件費、借入金の返済、オフィス賃料などと、企業によって使途はさまざまだ。こうした使途も投資家からの人気に少なからず影響する。

4.新規発行株数と売出株数を確認する

「新規発行株数」や「売出株数」を確認することも重要だ。これらの株数が少ないと抽選で当選する確率は低くなり、逆に株数が多いと当選する確率が高くなる。ちなみに新規発行株数は上場に合わせて新規に発行される株、売出株数は既存株主が売り出す株のことを指す。

5.ロックアップの条件や期間を確認する

目論見書では「ロックアップ」についても記載されており、こちらも必ず確認すべき点であると言える。

ロックアップとは、上場前の大株主がその企業の株式を一定期間にわたって売ることができないようにする契約のことだ。株は「売り」が増えると株価の下落につながりやすくなる。そのためロックアップの条件が厳しくなるほど、IPO投資をする側の安心感が高まる。

ロックアップの期間としては「90日」や「180日」といったスパンが多い。また、株価が1.5倍になった場合など、一定条件下で早期売却が可能になる解除条件などが設けられているケースもある。

目論見書からはわからない「知名度」も重要な要素に

目論見書で特に確認すべき点として5つを挙げた。いずれも重要な点だが、目論見書に書かれていないことも勝率を左右する。

例えば「知名度」だ。知名度が高い企業の株式は多くの人から注目を浴び、結果として買いにつながり、初値が高くなりやすい。

また実際にIPO投資をしようとする際には、各証券会社の公式サイトから、仮条件や発行・売出価格の決定日、申込期間、申込単位、上場予定日なども確認する必要がある。東京証券取引所の場合、1年間でIPOは100件程度ある。定期的に新規のIPO案件をチェックしよう。

なお証券会社によって、IPO株の取り扱いには差がある。多くのIPO株を扱っている証券会社もあれば、そうでない証券会社もある。積極的にIPO投資をしたいなら、多くのIPO株を扱っている証券会社で口座を作るようにしよう。