コロナ禍を機に、人生設計や資産運用について考える人が増え、投資への関心も高まっている。副業や不労所得を得る手段として、投資を始める人もいるという。しかし、一口に投資と言っても様々な種類や対象があり、「何に投資すれば良いかわからない」という声もある。

そんな中で、注目を集めている投資の一つが「実物資産投資」だ。

目次

  1. 実物資産とは何か
  2. 4つの実物資産投資
    1. 1.ウイスキー
    2. 2.クラシックカー
    3. 3.美術品
    4. 4.スニーカー
  3. 実物資産の注意点
  4. 自分に合ったスタイルで

実物資産とは何か

実物資産投資
(画像=PIXTA)

「実物資産」とは、その名のとおり資産そのものに本質的な価値がある、物理的資産のことだ。これに対し、現金や有価証券(株式・債券など)、FX(外国為替取引)など、流動的で形のない資産を「金融資産」という。

実物資産の代表格として不動産や金(ゴールド)が挙げられるが、他にも原油や穀物(大豆・トウモロコシなど)、非鉄金属(銅・アルミなど)、設備といったコモディティ資産(Commodity Asset)から、美術品やクラシックカー、腕時計、ワインなどのコレクタブル資産(Collectible Asset)まで、今日ではバラエティー豊かになっている。

こうした実物資産は、金融資産との相関が比較的低いため、リスクヘッジとしてポートフォリオに組み込まれることも多い。

4つの実物資産投資

実物資産の中でも以下のようなコレクタブル資産は、収集する楽しみに加えて価値の上昇が期待できる投資対象として人気が高い。

1.ウイスキー

嗜好品の枠を超え、長期投資市場で不動の地位を誇るウイスキー。英不動産コンサル企業ナイトフランクが世界のラグジュアリー投資の動向をまとめた『Luxury Investment Index 2020 Q4(ラグジュアリー投資指数2020年第4四半期)』によると、レアウイスキーの価値は過去10年間で478%も上昇した。

ただし、どの銘柄でも長期間寝かせておけば価値が上がるわけではなく、「希少価値の高いウイスキー」であることが条件だ。熟成期間が長く、入手困難な銘柄ほど価値が高くなる。

オークション史上最高額で落札された、年代物の高級スコッチ・シングルモルトウイスキー「ザ・マッカラン」は、190万ドル(約2億1,106万円)という破格の値がついた。また、サントリーの「山崎」も、日本を代表するウイスキーとして世界的に人気が高い。

2.クラシックカー

コレクター(収集家)間で根強い人気を誇るクラシックカーは、コロナ禍でも不況知らずの実物資産だ。1975年に豪F1チャンピオンの故ニキ・ラウダがフォーミュラ1で運転し、勝利をもたらした伝説のレースカー「フェラーリ312T」が、2020年に600万ドル(約6億6,668万円)で落札された。

クラシックカーというと「お金がかかる、車マニア向け」というイメージもあるが、実は手頃な中古価格の大衆車が数十年後に大化けするケースもある。例えば、中古で数十万円台だった「スカイラインシリーズ(1969~2002年発売)」は、現在、数千万円の値がつくものも少なくない。

3.美術品

美術品は富裕層を魅了してやまない、高額資産投資対象の代表格だ。巨匠の作品から無名のアーティストの作品まで、幅広い作品が市場に流通している。

億単位の価値がある巨匠の作品は一握りの層しか入手できないが、無名のアーティストの作品であれば手頃な価格で購入できる。将来的に価値が上がると見込んで、あえて無名のアーティストの作品を購入する富裕層も多い。

また、絵心や芸術の知識がなくても、感性で選んだ作品の価値が時を経て上昇することもある。芸術への投資は、鑑賞の楽しみと価値の熟成を楽しめる、数少ない投資対象である。

4.スニーカー

スニーカー投資は、コロナ禍で注目を集めている実物資産の一つだ。1970年代初頭にナイキの共同創設者であるビル・バウワーマンが手作りしたスパイクシューズは16万2,500ドル(約1,805万円)、マイケル・ジョーダンが1985年から所有していた「エアジョーダン」は56万ドル(約6,221万円)で落札された。

著名人が所有していたスニーカーを手に入れるのは至難の業だが、有名ブランドやセレブリティとのコラボレーションものや入手困難な限定モデルなど、「将来的に希少性が高くなりそうなスニーカー」を選ぶことで、利益創出のチャンスを得られるかもしれない。

ただし、スニーカーは一回でも履くと価値が下がるため、高値を狙うのであれば新品の状態で保管しておく必要がある。

実物資産の注意点

実物資産にもいくつかの注意点がある。

まず、不動産や金のように市場が成熟しておらず、ボラティリティ(価格変動の度合い)が大きいため、相場が安定していない。また、流動性が低い上に、購入してすぐに価値が上がることは極めて稀であるため、長期投資向きだ。基本的にオークションなどをとおして売買されるため、売却にも時間を要する。

さらに希少性、市場の需要、資産の保存状態などが価格に大きく影響するため、適正価格の見極めが難しいという難点もある。特に芸術品に関しては専門知識がない限り「販売価格や買取価格が適正に評価されているか」「作品が本物か複製品か」など、素人には判断が難しい要素もある。

自分に合ったスタイルで

本格的に実物投資をする上で重要なのは、自分に合った投資スタイル、投資対象を見つけることだ。そのためにもまずは様々な投資対象についてリサーチしよう。自分が強い興味を持つ、思いがけない出会いがあるかもしれない。