株式投資で誰もが避けて通れないのが「銘柄選択」だ。業績の安定性や将来の有望性などさまざまな視点がある中、「オーナー企業」に投資するという手法もある。それは、株価上昇の期待度が高いとされているからだ。その理由を説明していこう。

目次

  1. そもそも「オーナー企業銘柄」とは
  2. オーナー経営銘柄の株価上昇が期待できる理由
    1. オーナー自身が大株主であることから、株価を上げようとする意欲が強い
    2. 一般的に社長在籍期間が長く、長期視点の経営ができる
    3. 経営者が大株主だと、意思決定のスピードが格段に上がる
  3. オーナー企業銘柄を見つける方法は?
  4. 銘柄選択の新たな視点の一つに

そもそも「オーナー企業銘柄」とは

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(画像=PIXTA)

オーナー企業とは、その企業の創業者や創業者の一族が大株主になっている企業のことだ。「ファミリー企業」や「同族企業」といった呼び方をされることもある。

そのオーナー企業の株式のことを「オーナー企業銘柄」と呼ぶ。以前から、オーナー企業銘柄への投資は個人投資家にとって有力な選択肢の一つとなっている。その理由は、オーナーの特徴や強みが株価の上昇に結びついていくからだ。

このことを裏付ける興味深いデータがある。アメリカの主要な株価指数の一つである「S&P500」と米国オーナー企業指数「U.S. Wealth Index」の推移を1990年12月末と2019年2月末で比べてみると、S&P500は約8.4倍、U.S. Wealth Indexは約18.8倍となっている。

日本市場においても同様のことが言え、オーナー銘柄へ投資するある投資信託の年間リターンは、日本の主要株価指数の一つである「東証株価指数(TOPIX)」を毎年、上回っている。

株価は必ず上がるわけではない。しかし、これまでの傾向で見れば、オーナー企業の株式を購入した方がより株価上昇が期待できると言えそうだ。

オーナー経営銘柄の株価上昇が期待できる理由

では、なぜオーナー企業の株価は上昇しやすいのか。その疑問を解くためのポイントは大きく分けて3つある。それぞれ以下のとおりだ。

オーナー自身が大株主であることから、株価を上げようとする意欲が強い

株価が上昇して恩恵を受けるのは誰だろうか。もちろん、それは「株主」だ。つまり、企業の大株主がオーナーである場合、自社の株価を上げることを第一とした経営が行われている可能性が高い。自身にとって株価上昇のインセンティブが非常に大きいからだ。

一方、自身が大株主ではない社長が経営する企業の場合は、社長自身が受けられる恩恵がオーナー企業より小さくなるため、株主の利益に対する意識が希薄となることもあるだろう。

一般的に社長在籍期間が長く、長期視点の経営ができる

オーナー企業の場合、一般的には社長の在籍期間が長い。社長の在籍期間が長いということは、それだけ長期的視点に立った経営ができるということだ。

近年、ビジネスモデルの変化や技術革新の目まぐるしさが増している。新興国の台頭で「日本」というブランド力も相対的に低下しつつあるかもしれない。こうした中では、常に時代の先を読む長期的視点が非常に重要だ。

将来を見据えた長期的視点での経営を実践しているオーナー企業であれば、経験も蓄積されていき、今後も企業間競争を勝ち抜いていくことに期待が持てる。

経営者が大株主だと、意思決定のスピードが格段に上がる

株式会社の場合、会社の最高意思決定機関は株主総会だ。取締役の選任や解任、事業譲渡、組織再編などは、株主総会の決議を得る必要がある。もし経営者が大株主ではない場合、経営者の方針が株主総会で否決される可能性がある。そして、否決によって戦略が変わることで足踏みしてしまうこともある。

しかしオーナー企業であれば、話は変わってくる。「経営者=大株主」であるため、経営者の方針はそのまま株主総会で可決されやすい。そのため、意思決定に時間がかかることなく、さらなる成長に向けた戦略をすぐ実行に移していけるわけだ。

オーナー企業銘柄を見つける方法は?

ここまでオーナー企業銘柄の強みを説明してきたが、ではどのようにオーナー企業銘柄を探せばよいのだろうか。

インターネットで情報を検索すると「オーナー企業ランキング」などのページがヒットするが、企業の一次情報を探してオーナー企業銘柄を見つけたい場合は、上場企業の「有価証券報告書」を読めばいい。

上場企業には有価証券報告書を会計年度ごとに提出・公表することが義務付けられており、この有価証券報告書の中で必ず大株主の情報が一覧で記載されている。この情報を読めば、大株主である個人もしくは企業・団体の所有株式数の比率がすぐわかる。

実際に大株主の情報を有価証券報告書の中から探す場合には、パソコンのブラウザで有価証券報告書のPDFを開き、「大株主の状況」「所有者別状況」といったキーワードでPDF内検索をかけてみよう。有価証券報告書はページ数が多いので、こうして検索するのが得策だ。

銘柄選択の新たな視点の一つに

もちろん、オーナー企業銘柄だからといって必ずしも株価が上昇するわけではない。しかし過去の値動きから分析すれば、株式市場の平均を超える株価の上昇が期待できる。

冒頭でふれたように銘柄選択の視点はたくさんあるが、その一つにオーナー企業かどうかという視点を加えてみてはいかがだろうか。