投資信託のメリットの一つは、資産運用の専門家が自分に代わって運用してくれることだ。しかし、だからといって「購入した後はプロに任せて放ったらかしにしておけばよい」というわけではない。

常に金融市場の動向をチェックしておく必要はないかもしれないが、成果を出すためには一定のメンテナンスや行動が必要だ。そこでこの記事では、投資信託の購入後に行うべき6つのアクションについて解説していく。

目次

  1. 投資信託の購入後に行うべき6つのアクション
    1. 1.基準価額の推移を確認
    2. 2.純資産残高の推移を確認
    3. 3.トータルリターンを確認
    4. 4.「値下がりしたとき」の対処法を準備
    5. 5.「値上がりしたとき」の対処法を準備
    6. 6.分配金がある場合は使い道を決めておく
  2. 投資信託の「購入後」にも気を配ろう

投資信託の購入後に行うべき6つのアクション

投資信託購入後,アクション
(画像=PIXTA)

投資信託の運用会社はいくつかの資料を定期的に公開している。例えば、「運用報告書」が挙げられる。運用報告書の作成・交付のタイミングは、年に1回決算を行う投資信託であれば年に1度、決算期間が6ヵ月未満の投資信託であれば6ヵ月に1度だ。また、毎月の運用状況が記載されている「月次レポート」を毎月発行していることも多い。

大前提として、これらの資料には定期的に目を通すようにすべきだろう。その上で、ここからは「投資信託の購入後に行うべき6つのアクション」について見ていく。

1.基準価額の推移を確認

まずは基準価額の推移だ。特にベンチマークが設定されている場合は、ベンチマークとの乖離をチェックしよう。ベンチマークとの乖離が大きければ、「なぜ乖離が発生したのか」について、運用状況や投資環境のコメント(月次レポートに掲載されていることが多い)などで確認するようにしたい。

2.純資産残高の推移を確認

純資産残高は投資信託の投資先の価格変動などによって増減する。増えている間は大きな問題はないが、減っている場合は注意が必要だ。特に、投資環境が好転しているのに、残高が減っているときは警戒したい。投資していた人たちが次々と解約している可能性があるためだ。

解約すると、投資家に返金するために、保有商品を売却する必要がある。そうなると、有望な投資先であったとしても、売却せざるを得ない状況に陥ることもある。また、残高が少ないと、分散効果やコストメリットが効きにくくなり、運用効率が下がってしまうこともある。最悪の場合、繰り上げ償還になることもある。

基準価額に比べて、純資産残高は確認する頻度が少なくなりがちだ。しかし重要な数字であるため、純資産残高もしっかり確認するようにしよう。

3.トータルリターンを確認

月次レポートには投資信託の運用成績が記載されているものの、投資家ごとに購入タイミングが異なるため、自分が本当に儲かっているのかは記載情報だけでは判断できないこともある。それを確認するのが「トータルリターン」という考え方だ。

トータルリターンとは、保有している投資信託における手数料や累計売却金額、受け取った分配金額などを含めた通算損益のことだ。2014年12月より、年に1回以上投資家へ通知されることになった。金融機関によって形式は異なるものの、しっかりと確認するようにしよう。

4.「値下がりしたとき」の対処法を準備

投資信託には元本割れのリスクがある。したがって、どこまでの値下がりなら許容できるのか、基準価額が下落しても描いていたシナリオが変わらない限り保有を続けるのかなど、あらかじめ「値下がりしたときの対処法」をイメージしておき、準備しておくことが重要だ。

もちろん、そのときになってみないと判断ができないこともある。しかし、あらかじめ、少しでもネガティブな状況を想定しておくことで、いざその状況が現実化したときに、慌てずに対応できるようになるだろう。狼狽売りをしてしまうリスクも減るはずだ。

5.「値上がりしたとき」の対処法を準備

値下がりしたときだけではなく、相場環境にかかわらず一定の利益を取れたら売却するのか、できる限り含み益を大きくさせる方向で保有を続けるのか、といった「値上がりしたときの対処法」もあらかじめイメージしておきたい。

投資環境は常に変化するため、一度決めた対処法を何が何でも堅持する必要はないが、大体のイメージを持っていれば、首尾よく上昇したときに、迅速に対応できるようになるだろう。

6.分配金がある場合は使い道を決めておく

保有している投資信託に分配金の配分予定がある場合は、あらかじめ使い道を決めておきたい。例えば、同じ投資信託に再投資する、別の投資商品に再投資する、マネー・リザーブ・ファンド(MRF/Money Reserve Fund)などに現金として貯めておき相場急落時に買い出動する軍資金にする、生活費に回す、などが挙げられる。

投資信託の「購入後」にも気を配ろう

投資信託で運用をする場合、「どの投資信託を購入すればよいか」「どのタイミングで購入すればよいか」といった「購入前」に気を配る人が多いだろう。

しかし、「購入後」のことは意外とおざなりになってしまうことがある。本稿で紹介してきたことも参考に、投資信託の購入後もしっかりと気を配り、資産運用を進めていくようにしよう。