「資産運用をするからには、できる限りリターンをあげたい」と思っている人は多いだろう。しかし、原則として、大きなリターンを狙う場合は相応のリスクが伴い(ハイリスク・ハイリターン)、リスクを抑えたい場合は相応のリターンしか得られない(ローリスク・ローリターン)。

「どれくらいのリターンが欲しいのか」を考える際は、「自分はそのリターンを得るために背負うリスクを許容できるのか」ということを同時に考えることが重要だ。そこで抑えておきたいのが「リスク許容度」という概念である。

目次

  1. リスク許容度とは
  2. リスク許容度に影響する6項目
    1. 1.年齢
    2. 2.保有資産
    3. 3.年収
    4. 4.将来予測される支出
    5. 5.投資経験
    6. 6.性格
  3. リスク許容度診断テストも活用しよう
    1. <全国銀行協会 あなたのリスク許容度診断テスト>
    2. <モーニングスター リスク許容度診断>
  4. 自分のリスク許容度はどれくらいか、改めて考えてみよう

リスク許容度とは

リスク許容度,資産運用
(画像=PIXTA)

金融商品には必ず「リスク」と「リターン」がある。資産運用の世界において、リスクとは一般的に「リターンの振れ幅のこと」を表しており、「リスクが大きい」とは、大きく収益が得られるかもしれないし、大きく損失が出るかもしれないことを指す。

つまり、「リスク許容度」とは、リターンがマイナスに振れてしまった場合、どれくらいまでのマイナスなら受け入れることができるかという度合いのことを意味している。リスク許容度が高いほど、ハイリスクを受け入れることができる、ということだ。

リスク許容度は、「生活費がいくら足りなくなる」といった定量的観点だけで測ることはできない。マイナスが出てしまったことで、精神的なストレスを感じることは多々ある。したがって、「どれくらいのマイナスなら生活に影響がないか」という定量的観点と、「どれくらいのマイナスなら精神的に耐えることができるか」という定性的観点の両方で判断される。

リスク許容度に影響する6項目

それでは、リスク許容度はどのように測ればよいのだろうか。各人によってリスク許容度が異なることは大前提として、ここからはリスク許容度に影響してくる主な項目を一般論で解説していこう。

なお、リスク許容度は多くの項目が絡み合って算出されるものだ。一つ、もしくは複数の項目をクリアしているからといって、リスク許容度が高いとは限らないことに注意しよう。

1.年齢

年齢が低ければ低いほど、リスク許容度は高くなる。年齢が低いということは、損失が出たとしても、その損失をカバーする時間が多く残されているということだ。

2.保有資産

保有資産が多ければ多いほど、リスク許容度は高くなる。保有資産が多いということは、投資に回せるお金が多いということだ。保有資産が少ない人と比べて、思いきった投資ができるだろう。

3.年収

年収が高ければ高いほど、リスク許容度は高くなる。年収が高いということは、可処分所得が大きいということなので、上記の保有資産と同じく、投資に回せるお金が多くなる。

4.将来予測される支出

結婚や子どもの教育費など、将来予測される支出が少なければ少ないほど、リスク許容度は高くなる。予定支出が少ないということは、その分投資に回せるお金が多くなるということだ。余裕資金が多いため、リスク許容度が高いと言える。

5.投資経験

投資経験は豊富であればあるほど、リスク許容度は高くなる。投資経験が豊富であるということは、それだけ投資商品や金融市場の特性を理解しているということだ。一般的には、投資経験が豊富で一定の成果を出していれば、リスク許容度は高くなるだろう。

6.性格

「性格がどのようにリスク許容度に影響するのか」と思うかもしれないが、損失が発生したときの心理的ショックが小さければ小さいほどリスク許容度は高くなると言える。損失が発生したときに、どれくらいの心理的ショック(ストレス)を感じるかということだ。

他の項目でリスク許容度が高かったとしても、性格によってはリスク許容度を低めに設定した方がよいこともある。なお、大きな損失が発生したときの心理状態は、そのときになってみないとわからない部分もあるだろう。自分を過度に評価しないように気をつけたい。

リスク許容度診断テストも活用しよう

「各項目をどれくらいの重要度で考えればよいかわからない」という人も多いだろう。そこで活用したいのが、各社(各団体)が用意しているリスク許容度診断テストだ。

名称は各社によって異なるが、基本的には簡単な質問にいくつか答えると、目安となるリスク許容度や資産配分、投資スタイルなどを教えてくれる。今回は2つの診断テストを紹介しよう。

なお、診断テストは下記2つ以外にも多数存在する。診断結果はあくまで目安なので、複数のテストに回答してみて、それを総合的に判断するのがよいだろう。

<全国銀行協会 あなたのリスク許容度診断テスト>

最初に「40歳未満か以上か」と「既婚か未婚か」を回答する。その上で10問が表示されるので、順番に回答していこう。すべての質問に回答し、診断結果を見ると、リスク許容度のパーセント、どのようなタイプか、ポートフォリオ例が表示される。
https://www.zenginkyo.or.jp/article/tag-c/diagnosis/risktest/

<モーニングスター リスク許容度診断>

こちらも基本的な流れは同様だ。7つの質問に回答すると、投資スタイルとその説明、目安となる資産配分が表示される。「100万円を1年間投資した場合、投資成果のうちイメージに近いものはどれか」といったユニークな質問もあり、自分の運用イメージをより具体的に回答できるようになっている。
https://apl.morningstar.co.jp/webasp/LifePlanSimulation/Recommend.aspx?status=1

自分のリスク許容度はどれくらいか、改めて考えてみよう

資産運用を考える際は、リターンだけに目を向けるのではなく、「その運用方法や投資商品にはどれくらいのリスクがあるのか」「自分はそのリスクを許容できるのか」という視点を持つことが重要だ。

リスク許容度に影響してくる項目を理解し、各社の診断テストも活用しながら、自分のリスク許容度を改めて考えてみよう。