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世界経済の牽引役として、私たちの生活になくてはならない存在になったのがGAFAMと呼ばれる企業群です。いまも成長を続け、株式の時価総額を増やし続けています。すでに株価が上昇しきったように見える米国5大IT企業GAFAMにこれから投資しても利益は得られるのでしょうか。GAFAMの決算分析と合わせ、成長の可能性を探ります。

目次

  1. GAFAMが牽引するNASDAQ市場
  2. GAFAMの時価総額順位はどうなっている?
  3. Google を傘下に置くAlphabet(アルファベット)
  4. 時価総額世界一、常に最先端を行くApple(アップル)
  5. 青年実業家が率いるSNSの雄Facebook(フェイスブック)
  6. 通販の世界基準Amazon(アマゾン・ドット・コム)
  7. いまも存在感示すITの巨人Microsoft(マイクロソフト)
  8. GAFAMにこれから投資しても間に合うのか?
  9. GAFAMは押し目買いに適している
  10. GAFAMへの投資に死角はないのか?
  11. GAFAMに投資する方法
    1. 個別株に投資する方法
    2. 投資信託に投資する方法
  12. GAFAMに関するよくある質問
    1. Q. GAFAMとは?
    2. Q. GAFAMへの投資に死角はないのか?

GAFAMが牽引するNASDAQ市場

チャート出典:SBI証券
(画像=チャート出典:SBI証券)

GAFAMが上場するNASADAQ市場の株価指数が2021年に史上最高値を相次いで更新しました。その牽引役になっているのがGAFAMと呼ばれる米国5大IT企業群です。GAFAMとは、Google、Apple 、Facebook、Amazon、Microsoftの5社の頭文字をとった通称です。

チャートにあるように、2020年3月のコロナショックによって7,000ポイントを割って以降は力強い右肩上がりで上昇を続けています。2021年6月18日時点の指数は1万4,030.37ポイントとコロナショックによる底値から約2倍の水準にあります。

GAFAM各社はそれぞれに、インターネット検索(Google)、IT通信機器(Apple)、SNS(Facebook)、インターネット通販(Amazon)、パソコンオペレーションシステム(Microsoft)で圧倒的な強みを持ち、他社の追随を許さないような強固なビジネスモデルを確立しています。

GAFAMの時価総額順位はどうなっている?

GAFAMの凄さは株式の時価総額世界ランキングを見ると実感できます。トップテンのなかで、国有石油会社のサウジアラムコを除けば、上位5社をすべてGAFAMが独占していることになります。サウジアラムコを抑えて首位に立っているのがアップルです。サウジアラムコ上場時には一時首位から転落しましたが、2021年5月末時点では首位を奪還しています。

▽株式時価総額世界ランキング(2021年5月末時点)

順位 企業名 所属国
1 アップル 米国
2 サウジアラムコ サウジアラビア
3 マイクロソフト 米国
4 アマゾン・ドット・コム 米国
5 アルファベット 米国
6 フェイスブック 米国
7 テンセント・ホールディングス 中国
8 バークシャー・ハサウェイ 米国
9 テスラ 米国
10 アリババ・グループ・ホールディング 中国

出典:「Think180around」

では、GAFAM各社について事業内容と決算を個別に見ていきましょう。

Google を傘下に置くAlphabet(アルファベット)

インターネットで情報を得るときに、多くの人が検索に使うのがGoogle(グーグル)です。親会社のアルファベットはグーグルやYoutube(ユーチューブ)などの有力サービスを傘下に持っています。アルファベットでは、セグメントを「Google Services」「Google Cloud」「Other Bets」の3つに分けており、主力のGoogle Serviceには検索をはじめAndroid、Chrome、Google map、Google play、YouTubeなど有力な事業が多数含まれています。

同社は消費者も企業もオンラインサービスとクラウドへの移行を加速させていることが業績好調の原因と分析しています。クラウドサービスはパソコンにソフトウェアをインストールしなくてもアカウントがあれば利用できるサービスで、近年採用する企業が増えています。グーグルのサービスではGmailが該当します。

アルファベットの2020年12月期の連結業績は、売上高1,825億2,700万ドルで前年比+12.8%、営業利益は412億2,400万ドルで+20.4%、当期純利益は402億6,900万ドルで+17.3%と順調に成長しています。新型コロナウイルスによるステイホームの影響も業績にプラスに働きました。次の2021年12月期の当期純利益は+48.2%を予想しています。

時価総額世界一、常に最先端を行くApple(アップル)

アップルは株式時価総額世界1位のIT系大企業です。常にヒット商品を生み出し、スマートフォンの「iPhone」、タブレットの「iPad」、パソコンの「iMac」という3大ヒット商品で大きく業績が伸長しました。2020年9月期ではMacとサービス事業が好調で、同社としては初の5G対応のiPhoneを発売し、話題となりました。

アップルの2020年10-12月期四半期決算では売上高が初めて1,000億円を超え、売り上げ規模はいまも拡大を続けています。5G機能を搭載した「iPone12」へのユーザーの買い替え需要が市場予想を上回って推移したことが売り上げを押し上げました。

アップルの2020年9月期の連結業績は、売上高2,745億1,500万ドルで前年比+5.5%、営業利益は662億8,800万ドルで+3.7%、当期純利益は574億1,100万ドルで+3.9%と、成長がやや鈍化しています。しかし、次の2021年9月期の当期純利益は+50.62%と大幅増益に転じる予想です。

青年実業家が率いるSNSの雄Facebook(フェイスブック)

青年実業家マイク・ザッカーバーグ氏が率いるSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のトップランナーがフェイスブックです。ソーシャルネットワーク・ウェブサイト「Facebook.com」を運営し、写真や動画を共有できる「インスタグラム」も提供しています。

SNS業界は群雄割拠という状況で、フェイスブックのライバルになりえる有力なSNSが乱立しています。LINE、Twitter、YouTube、TikTokなどが日本では高い人気があります。

同社の収入源の中心は広告料ですが、2020年は新型コロナウイルスの影響で旅行業界や自動車業界からの広告が低迷したものの、ステイホームによるユーザーのSNS利用が増えたことにより、市場予想よりもよい決算で着地しています。企業広告も徐々に回復しつつあります。

フェイスブックの2020年12月期連結決算は、売上高859億6,500万ドルで前年比+21.6%、営業利益は326億7,100万ドルで+36.2%、当期純利益は291億4,600万ドルで+57.7%と大きな成長が続いています。次の2021年12月期の当期純利益は+30.25%を予想しています。

通販の世界基準Amazon(アマゾン・ドット・コム)

通販市場は新型コロナウイルスによるロックダウンや、外出制限による買い物の受け皿としてコロナ禍で存在感が際立ちました。その通販市場でリーディングカンパニーになっているのがアマゾンです。ライバル企業としては中国のアリババ、米国のイーベイ、日本の楽天などが挙げられます。日本国内のECモール売上高では楽天が3兆9,000億円でアマゾン・ジャパンの3兆4,238億円(推定)を抑えて首位に立っています(2019年度、「Make Shop」調べ)。

アマゾンでは主力の通販事業が引き続き好調なほか、ネットを使ったデータ保存などを行うクラウド事業が伸びており、今後の新たな収益の柱として期待がかかります。

アマゾンの2020年12月期連結業績は、売上高3,860億6,400万ドルで+37.6%、営業利益は228億9,900万ドルで+57.5%、当期純利益は213億3,100万ドルで+84.1%と、新型コロナウイルスによる通販特需の恩恵もあり、大幅増益となっています。次の2021年12月期の当期純利益は+33.65%を予想しています。

いまも存在感示すITの巨人Microsoft(マイクロソフト)

マイクロソフトは、パソコンを使用するためのオペレーティングシステム(OS)製品「Windows」を開発・販売している企業です。パソコンのOSではアップルの「iMac」とライバル関係にあります。かつてはIBMが米国を代表するIT企業でしたが、現在ではマイクロソフトがITの巨人として君臨しています。

マイクロソフトも主力のパソコン関連事業に加え、最近はクラウド分野に軸足を移しつつあり、クラウドサービス「アジュール」による収入が2021年1-3月期の四半期決算で前年比+50%と大きく伸びています。ただ、クラウド分野はアマゾン、グーグルとも競合するため、今後の展開が注目されます。

マイクロソフトの2020年6月期連結業績は、売上高1,430億1,500万ドルで+13.6%、営業利益は528億2,600万ドルで+23.1%、当期純利益は442億8,100万ドルで+12.8%と安定した利益を上げています。次の2021年6月期の当期純利益は+33.53%を予想しています。

GAFAMにこれから投資しても間に合うのか?

成長を続けているGAFAMですが、2021年のいまから投資しても大きな利益を得ることはできるのか、多くの投資家が気になるところでしょう。

先に紹介したように業績は好調で、アップルを除く4社が当期利益(純利益)で2ケタ増益を達成しています。成長しきったように見えるGAFAMがいまも2ケタ成長を続けているのは驚異的といってよいでしょう。

さらに、次の期の当期純利益もすべての会社が30%以上の高成長になる予想を立てています。GAFAMに限界はないのかというくらい好調を維持しており、いまから買っても利益を確保できる可能性は高いでしょう。

▽GAFAMの投資指標(2021年6月18日終値基準)

銘柄 1株利益 予想PER 配当金 配当利回り
アマゾン・ドット・コム 52.55ドル 63.04倍 0 0%
アルファベットA 75.07ドル 27.58倍 0 0%
アルファベットC 75.16ドル 27.58倍 0 0%
フェイスブック 11.67ドル 27.16倍 0 0%
マイクロソフト 7.35ドル 33.41倍 2.24ドル 0.86%
アップル 4.46 25.10倍 0.88ドル 0.67%

投資指標の水準はどうでしょうか。予想PER(株価収益率)を見る限りアマゾンが明らかに買われ過ぎの印象です。ほかの4社は20~30倍台なので、成長性を考えればそれほど高い水準とはいえません。

また、GAFAMは配当金では見るべきものはありません。3社が成長のために内部留保を優先し、無配を継続しているためです。マイクロソフトとアップルも1%以下の利回りですので、配当金を目的にGAFAMに投資しても効率はよくないでしょう。

GAFAMは押し目買いに適している

株価が高くなっているGAFAMを買うチャンスになるのが、株式市場が調整に入った下落局面です。2021年に入ってからも順調に史上最高値を更新していた米国株式市場ですが、FRB(米連邦準備理事会)が発表した6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果を受け株価が急落。ニューヨークダウ工業株30種平均は6月18日(現地時間)に533.37ドル安の3万3,290.08ドル(-1.58%)となり、昨年10月以来の大幅な下げを記録しました。

これはブラード米セントルイス地区連銀総裁が、インフレ抑止に向け2022年終盤には利上げを開始すべきとの発言を受け反応したものです。

同日のNASDAQ総合株価指数も130.97ポイント安(-0.92%)とダウほどではありませんが、やはり大きく下げています。GAFAMはこのような下落局面をチャンスとする「押し目買い」に適した銘柄です。GAFAMは材料株と違い、個別株の要因で下がることはあまりありません。

典型的な例が2020年3月に起こったコロナショックによる大暴落時の動きです。例えばフェイスブックのようなSNSは本来コロナの影響を受ける事業内容ではなく、むしろステイホームでアクセス数が増え広告収入が上がるはずです。

それにも関わらずフェイスブックの株価は2020年3月13日の170.31ドルから翌営業日である3月16日には146.01ドルと14.3%の急落を記録しています。多くの投資家が相場の流れにつられて手放してしまったのです。業績が悪いわけではないので、4月8日には174.28ドルと1ヵ月も経たないうちに急落前の株価を上回っています。押し目を拾えた投資家は大きな利益を上げたことでしょう。

このようにGAFAMの株価が高いと思ったら無理に買わず、キャッシュポジションを豊かにしておいて、 相場急落時にまとめて押し目買いを入れるのも株式投資の有効な戦略の1つです。

GAFAMへの投資に死角はないのか?

各分野での首位は揺るがないGAFAMですが、死角はないのでしょうか。最も大きなリスクと考えられるのが、GAFAMに代表にされる米国IT企業群に対する規制強化案の存在です。とくに民主党が多数を占める米下院で法案化される可能性があることは不安材料になるでしょう。

Bloombergの2020年10月7日付報道によると、米下院で民主党が主導している反トラスト(独占禁止)小委員会がGAFA(マイクロソフトは対象外)の支配力を抑えるため、反トラスト法の改革を提案しています。小委員会がまとめた報告書では4社が支配的地位を乱用していると認定しました。

法案の行方ですが、NHKの報道によると2021年6月11日に米下院の超党派議員がGAFAへの規制を強化するための法案を議会に提出しました。具体策としては、独占的地位にあるプラットフォーム企業に対し、企業を買収する際は合法であることを証明すること、自社製品の優遇を禁止することなどを盛り込んでいます。

法案提出への声明を出した議員の1人は、「4つのIT企業はあまりに強大になり過ぎた。この法案によって独占的な動きを食い止め、公正な競争を取り戻す」とコメントしており、今後どこまで支持が広がるかが注目されます。

もう1つのリスクが中国企業の進出です。例えば通販業界ではアリババが株式時価総額で10位につけ、中国の通販業界でも高いシェアで首位を快走しています。欧米ではアマゾンが強いものの、世界最大の通販市場である中国ではアマゾンが苦戦し、2019年に中国市場からの撤退を余儀なくされています。さらに、中国の動画投稿アプリ「TikTok」への規制が撤回されたこともリスク要因の1つです。

2021年6月9日にバイデン大統領がトランプ前政権時代に出された「TikTok」やメッセージアプリ「ウィーチャット」に対する使用禁止の大統領令を撤回しています。これによって中国の有力SNSが米国内でもシェアを伸ばせばGAFAMのなかで影響を受ける企業が出てくる可能性があります。

GAFAMに投資する方法

最後にGAFAMに投資する方法を確認しておきましょう。GAFAMは米国株ですので、ほとんどの証券会社で購入することができます。米国株に投資するには「外国株式取引口座」を開設する必要があります。GAFAMへの投資は、個別に購入する方法と、投資信託で投資する方法があるので、自分の投資方針に合わせて選ぶとよいでしょう。

個別株に投資する方法

米国株には日本株のような証券コードはなく、売買注文を出す際はアルファベットを組み合わせたティッカーと呼ばれる記号を入力します。米国株は原則として1株から売買することができます。GAFAMのティッカーと2021年6月18日終値の株価は以下のとおりです。

▽GAFAMの株価(NASDAQ市場、2021年6月18日終値)

銘柄 ティッカー 株価
アマゾン・ドット・コム AMZN 3,486.90ドル
アルファベットA GOOGL 2,402.22ドル
アルファベットC GOOG 2,511.35ドル
フェイスブック FB 329.66ドル
マイクロソフト MSFT 259.43ドル
アップル AAPL 130.46ドル

<アルファベット株式取引の注意点>
2014年にグーグル(GOOG)に対して、議決権のないクラスC株が交付されました。それに伴い旧グーグルのティッカーが「GOOGL」に変更され、議決権のないクラスC株が「GOOG」として現在もNASDAQ市場で取引されています。アルファベットの株式が2種類あり株価も異なりますので、議決権のある普通株を購入する場合は「GOOGL」と入力する必要があります。

投資信託に投資する方法

GAFAMを組み入れた投資信託に投資する方法もあります。例えば、「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」は、米国の株式に投資し、NASDAQ100指数(円ベース)の動きに連動した投資成果を目指すファンドです。

組入比率上位10銘柄にGAFAM がすべて組み込まれ、その合計比率は35.7%に及びます。GAFAM 株の値動きが大きな影響を与えるため、GAFAM に投資するのに近い商品といってよいでしょう。2021年6月18日時点の基準価額は1万8,493円となっています。コストも低い水準なので、運用しやすい商品といえます。

<「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」の概要>
・運用会社 大和アセットマネジメント
・償還日 無期限
・純資産総額 283.72億円(2021年6月18日時点)
・決算日 毎年8月31日(休業日の場合は翌営業日)
・直近分配金 0円
・購入時手数料 無料
・信託財産留保額 なし
・運用管理費用(信託報酬) 年率0.495%(税込)
・組入上位10銘柄(2021年2月26日現時点)

銘柄 組入比率
アップル 10.2%
マイクロソフト 8.6%
アマゾン・ドット・コム 7.6%
インベスコQQQトラスト 6.8%
テスラ 4.0%
アルファベット クラスC 3.3%
NASDAQ100E-MINI 3.1%
フェイスブック  3.0%
アルファベット クラスA 3.0%
エヌビディア 2.5%

世界の株式市場はGAFAM抜きでは語れない時代になりました。業績を見る限り成長の限界は見せておらず、これからも投資の対象として中心的な存在であることに変わりはなさそうです。 

GAFAMに関するよくある質問

Q. GAFAMとは?

NASADAQ市場の株価指数が2021年に史上最高値を相次いで更新しました。その牽引役になっているのがGAFAMと呼ばれる米国5大IT企業群です。GAFAMとは、Google、Apple 、Facebook、Amazon、Microsoftの5社の頭文字をとった通称です。

Q. GAFAMへの投資に死角はないのか?

最も大きなリスクと考えられるのが、GAFAMに代表にされる米国IT企業群に対する規制強化案の存在です。とくに民主党が多数を占める米下院で法案化される可能性があることは不安材料になるでしょう。

※本記事は2021年6月18日時点の情報を基に構成しています。GAFAM各社について紹介するものであり、当該銘柄への投資を推奨するものではありません。