新井智美
新井智美
トータルマネーコンサルタント ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員、コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆及び監修も行い、現在年間200本以上の執筆及び監修をこなしている。これまでの執筆及び監修実績 は1,000本以上。

若い世代において、資産運用に対する関心が強くなっている反面、どうしても元本割れは避けたいという思いから運用に踏み出せない人も一定数存在します。ただ、資産運用に失敗する理由を理解し、自分の運用スタイルに生かすことで、失敗するリスクを下げることができます。

本記事では、資産運用に失敗してしまう代表的な理由と、失敗しがちな投資先、さらには失敗しないためのポイントについて解説します。

どうして資産運用に失敗してしまうのか 

資産運用に失敗する人の共通点とは?失敗しないポイントも解説
(画像=tadamichi/stock.adobe.com)

資産運用初心者にかかわらず、運用に失敗してしまう人には共通した特徴があります。まずは、その特徴を見ていきましょう。

銀行や証券会社のおすすめ商品を購入している

運用商品は銀行や証券会社の窓口で購入することができます。口座にまとまった金額がある時など、銀行から「運用商品を購入しませんか?」という電話がかかってくることもあります。そして窓口で相談する際に、特定の商品を勧められるケースが多くみられます。

窓口で勧められる商品は、一般的に販売することで得られる手数料収入が多い商品です。銀行や証券会社は手数料が一番の収入源となっているため、販売手数料が高く設定されている商品を勧める傾向にあります。

「一番人気がある商品」や「配当が高い」などといった理由を挙げ勧めるケースが多いですが、「人気がある商品=自分に合った商品」とは言い切れないことをしっかりと認識しておきましょう。

運用の目的が決まっていない

「とりあえず運用を行って、預けた資産が増えればいい」という考えも、失敗を招く要因です。運用を始めるにあたって、まずはどのような目的でいくらの資産を形成するのかを考える必要があります。

さらに、運用ルールも合わせて策定するとよいでしょう。目的や目標額は具体的なものであればあるほど、自分に適した運用方法を見つけることができます。

銘柄ばかりを気にしている

株式や投資信託など、運用商品にはさまざまな種類がありますが、その中で特定の銘柄だけに注目してしまうケースがみられます。

資産運用において重要なのは、どのような商品で運用を行うかを決めること、そして、その運用商品の特徴を理解し、上手に活用していくことです。

運用商品の中にもさまざまな銘柄や商品があることを理解し、保有する商品の内容については、似たような銘柄や運用商品に偏らないようにしてリスク分散することが大切です。

値動きを必要以上に気にしてしまう

保有している運用商品の値動きに必要以上に敏感になる人も、資産運用に失敗しやすいといえます。

このようなタイプの人の場合、損失が出ていると、それを埋める目的でさらに高いリターンが期待できる運用商品を購入し、結果として損失が広がってしまうという結果を招くこともあります。高いリターンが得られる商品はリスクも大きいことを理解しておくのは運用の基本です。

一時的な損失に惑わされることなく、長期目線で捉える気持ちをしっかりと持っておきましょう。

資産運用に失敗しがちな投資先とその理由 

全ての人が失敗するわけではありませんが、一般的に、運用にあたって、失敗しがちな投資先も存在します。

FX

FXとは、「外国為替証拠金取引」のことで、為替の変動によって利益を得る取引です。また、「レバレッジ」を採用しており、少額で大きな金額の取引が可能です。ただ、この仕組みはリターンを何倍にもできる反面、リスクが何倍にも大きくなる可能性があることを忘れてはいけません。

そのため、損失を確定させる「ロスカット」の仕組みを利用し、余裕を持った取引を行う必要があります。

暗号資産

暗号資産とは、インターネット上で取引ができる財産的価値のことをいい、法定通貨ではないという特徴があります。そして、さまざまな要因によって価格が大きく変動するという特徴もあります。

FXと同様に損失のリスクをしっかりと理解し、損切りを行うラインを自分で把握しなければなりません。そのためにも、暗号資産取引についての知識を深め、他人の情報に左右されない心を持つことが大切です。

資産運用に失敗しないための3つのポイント 

では、資産運用に失敗しないためにはどのようなポイントを押さえておくべきなのでしょうか。ここでは、3つのポイントを解説します。

運用商品は分散させる

資産運用を行ううえで一番外せないポイントが分散投資です。値動きの異なる運用商品に分散して投資することで、リスクの低減が図れるほか、最終的にプラスのリターンを得られる可能性が高くなるといわれています。

株式と債券の組み合わせはもちろんのこと、国内の商品だけでなく海外の商品にも投資するなど、資産配分を考えながら分散投資を行うことが重要です。

資産運用の目的を決め、運用ルールを守る

上でも少し述べましたが、資産運用を行う際には目的を決め、それを達成するためのルールを策定することが大切です。そして、決めた目的やルールは必ず守るようにしましょう。

運用を行ううえで、「欲」は禁物です。「まだ値上がりするかもしれないから、売るのは少し待とう」などと考えていると、一気に価格が下落し、売却のチャンスを逃してしまうことにもなりかねません。

自分の決めたルールに従うことでそのような状況を防ぐことにつながりますので、欲に流されず、自分の信念を貫く姿勢を保っておきましょう。

運用は余剰資金で行う

生活資金を資産運用に充てる人がいますが、そのようなことは絶対にやってはいけません。万が一のことがあった場合に対応できるよう、緊急資金を別に用意しておき、そのうえで残った資金(余剰資金)を運用に充てることが大切です。

追加で投資したい商品があったとしても、生活資金を充てることは禁物ということを覚えておきましょう。

アドバイスだけに頼らず、自分でもしっかりと勉強することを忘れない 

最初はどのような商品で運用したらいいのかわからずに、金融機関の窓口などで相談することも多いでしょう。もちろんアドバイスを受けることは大切ですが、なぜその商品がおすすめなのか、本当に自分に向いているのかについてまで聞くようにしましょう。

また、何人もの人にアドバイスを求める人もいますが、自分の考えがまとまってないにもかかわらず、複数の人に話を聞くと余計混乱して、自分の考えがまとまらなくなってしまいます。

アドバイスを受けるなら、本当に信頼できる人を見つけること、そしてその人に対して自分がどのような目的で運用を行いたいのかをしっかりと伝えましょう。そうすることで、自分にあった運用商品や運法方法について具体的なアドバイスを受けることができます。

投資は自己責任です。損失が発生したとしても他人を責めることはできません。目的を達成するためにはどうすればいいのか、損失が発生したときにはどのような行動を取ればいいのかについて、日頃から勉強することも大切です。金融知識をある程度身につけておけば、アドバイスを受けた際にもその内容をきちんと理解することができるでしょう。

最後に、資産運用に失敗したとしても、それは悪いことではありません。失敗した経験があるからこそ、次の行動につなげることができます。大切なことは、失敗した経験をその後どのように生かしていくかです。このことをしっかりと受け止めながら、資産運用に取り組んでいきましょう。