不動産投資の1つであるマンション投資は、毎月得られる家賃収入に加えて節税効果がある点でも人気を集めています。本記事では、マンション投資で節税できる仕組みや注意点などについて解説します。マンション投資が気になっている人は、ぜひ参考にしてみてください。

マンション投資は節税になる?

マンション投資は節税になる?その理由や具体的な方法、注意点を解説
(画像=kunakorn/stock.adobe.com)

マンション投資を行うことで、節税効果が期待できます。ただし、運用状況や物件の状態によって節税効果は異なるため、どのような仕組みで節税効果が生まれるのかをしっかりと理解しておきましょう。

マンション投資が節税になる理由

マンション投資によって得られた収入から、マンション投資にかかった費用(経費)を差し引いたものが最終的な不動産所得金額となります。マンション投資の場合、不動産投資の対象物件の中でも費用計上できる項目が多いことから、それらを計上することで不動産所得金額を抑え、節税につながる効果が期待できます。

具体的な節税方法とポイント

まず、上でも少し述べましたが、マンション投資にかかる費用は、確定申告を行うことにより経費計上が可能です。経費計上が認められる費用としては以下のようなものが挙げられます。

・固定資産税、都市計画税
・保険料(火災保険・地震保険)
・管理委託費
・共有部分の水道光熱費
・修繕積立金
・減価償却費
・物件を購入するために借り入れた借入金の利息
・物件購入時にかかった諸費用(印紙代、不動産取得税、登録免許税など)
・物件視察の際の交通費 など

経費計上できるものは、あくまでも「マンション投資のために必要な費用」です。個人的に支払ったものは対象になりません。また、借入金についても元金部分は経費にならない点に注意しましょう。

覚えておきたいのが、リフォームなどを行い、20万円以上の費用がかかったケースです。この場合は費用とはならず、資産として計上することになります。

マンション投資における節税のポイントは、大きく以下の2つに分けられます。

1.他の所得との損益通算(所得税および住民税)

1つ目は、他の所得との損益通算です。不動産投資で得られる不動産所得以外に給与所得があり、不動産所得に損失が出ている場合は、給与所得と損益通算することで、課税所得金額を抑えることができます。

さらに、給与所得者は毎月所得税と住民税を源泉徴収されていますので、損益通算後、源泉徴収分の所得税が還付されます。

住民税については、前年の所得に応じた住民税額が源泉徴収されているため、所得税のような還付はありませんが、損益通算を行うことで翌年の住民税額を減らすことにつながります。

2.減価償却費

2つ目は、減価償却費です。減価償却とは、マンションの購入金額を建物の耐用年数に応じて分割で経費計上する会計処理のことです。そして、その年にかかった費用として計上するのが減価償却費です。

毎年、減価償却費を計上することで、実際の支出は伴わないのに、まとまった費用を経費にできることから、節税効果が高まるとされています。

なお、減価償却ができるのは建物および建物付属設備になっており、土地に対しては減価償却が行われない点も覚えておきましょう。

現在、減価償却の計算においては、「定額法」を用いて計算します。定額法による減価償却費の計算では、耐用年数から償却率を求める必要があり、国税庁のサイトに掲載されている「主な減価償却資産の耐用年数表」および「減価償却資産の償却率等表」で調べられます。

例えば、鉄筋コンクリート造のマンション(住宅用)の耐用年数は47年ですので、それに該当する償却率は0.022です。もし物件を新築で購入した場合は、購入価格(建物部分)×0.022で求められた額がその年に計上する減価償却費となります。

さらに中古物件を購入した場合は、経過年数に応じて耐用年数を求めなければなりません。その計算式は「法定耐用年数-築年数+(築年数×0.2)」となっており、これに当てはめることで物件の耐用年数を導き出せます。耐用年数が分かれば、それに応じた償却率を求めて減価償却費を計算します。

マンション投資は相続税も節税できる? 

不動産が相続税の節税に効果があることはよく知られていることです。しかし、それを賃貸物件つまり投資物件としておくことで、さらなる相続税の節税効果を生み出します。

相続税の節税の仕組み

相続財産として不動産を相続する際には、その不動産の評価額を基に計算した相続税を支払わなければなりません。しかし、単に現金で相続するよりも不動産で相続する方が評価額は下がる仕組みになっています。そして賃貸(投資)物件に対しては、以下のような評価減の制度が設けられています。

・貸家建付地の評価
自分が所有する土地に建設した家屋を第三者に貸し付けている場合、その借地権割合や借家権割合、さらに賃貸割合に応じて評価額が減額される仕組み

・貸家の評価
相続税の課税時期に、賃貸に出している家屋については、賃貸割合及び借家権割合に応じた額を固定資産税評価額から減額される仕組み

通常、第三者に貸し出さないまでも、土地の評価額は8割程度、建物の評価額は7割程度まで減額されますが、貸し出すことでさらなる評価減になるため、相続税対策としてマンションを所有するならば、投資物件として所有しておく方がいいでしょう。そうすることで、相続した人もそのまま収益物件として経営することで、賃料収入を得られます。

マンション投資を行う際の注意点

マンション投資を行うにあたっては、空室リスクを考えておかなければなりません。これは不動産投資全体にもいえるリスクですが、それを防ぐためにも、環境の整備そして適切な家賃設定を常に心掛けておきましょう。また、物件の利便性なども購入時に考慮しておくことが大切です。

また、中古物件を購入する場合は、点検を怠らず、劣化している場所については早めに修理することが重要です。劣化した場所をそのままにしておくと、見た目の印象もよくありませんし、入居希望者も少なくなってしまいます。

マンション投資は節税になりますが、その効果が永遠に続くわけではありません。借入金を返済することで経費計上できる利息の額が減少するほか、減価償却期間が終わってしまうと課税所得も大きくなるでしょう。

そうなると黒字化して節税効果が薄れ、それまで受けていた還付も受けられなくなります。このような黒字化リスクも存在することも合わせて理解しておきましょう。

節税の仕組みを理解してリスク対策も行おう

マンション投資は節税効果が期待できる反面、節税効果を得るために知っておかなければならない仕組みがたくさんあります。特に減価償却の仕組みはしっかりと理解しておきましょう。

マンションは戸建てと異なり、法定耐用年数が長いため、長期的な運用が可能です。さらに、収益物件として家族に残せるほか、相続税の計算の際には評価額を下げる効果もあります。

また、長期運用ができる投資物件だからこそのメリット、そして注意点をしっかりと把握し、リスク対策も怠らないようにしましょう。

新井智美
新井智美
トータルマネーコンサルタント ファイナンシャルプランナー(CFP®)、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、DC(確定拠出年金)プランナー、住宅ローンアドバイザー、証券外務員、コンサルタントとして個人向け相談(資産運用・保険診断・税金相談・相続対策・家計診断・ローン・住宅購入のアドバイス)を行う他、資産運用など上記相談内容にまつわるセミナー講師(企業向け・サークル、団体向け)を行うと同時に金融メディアへの執筆及び監修も行い、現在年間200本以上の執筆及び監修をこなしている。これまでの執筆及び監修実績 は1,000本以上。