住むにも投資するにも人気が高いのが、大手不動産会社が販売するブランドマンションと呼ばれる高級マンションです。ブランドマンションの販売はいつ頃から始まったのでしょうか。ブランドマンションの歴史と投資するメリット・デメリットについて紹介します。

ブランドマンションとはどんなマンションをいうのか

不動産投資家なら知っておきたい、ブランドマンションの歴史
(画像=BillionPhotos.com/stock.adobe.com)

ブランドマンションとは、大手不動産デベロッパーが開発・販売するデザイン、内外装、共用施設などのグレードが高いマンションのことをいいます。

完成したマンションは「プラウド」「ブリリア」「パークホームズ」といったデベロッパー各社のブランド名を冠して発売され、そのブランド名によって高品質なマンションであると判断できることから、ユーザーから高い信頼を得ています。

ブランドマンションのメリット・デメリット

ブランドマンションの多くは立地条件の良い場所に建てられており、最新の設備を導入して利便性も高いことから、資産価値が落ちにくいというメリットがあります。不動産デベロッパーが用地の取得から設計、建築、販売まで明確なコンセプトを持って開発した物件なので、アフターケアもしっかりしています。

大手不動産デベロッパーであれば、グループの不動産会社を通して売却や賃貸のサポートもしてくれます。大手ほどアフターケアが手厚いので、不動産投資家にとって安心して購入できる点もメリットです。

一方、ブランドの価値が高い分、一般のマンションに比べて物件価格が高くなる点はデメリットといえます。ただし、その分資産価値が高く、売却時も価格が下がりにくいので、見方によってはこの点もメリットといえるでしょう。

では、ブランドマンションがどのように発展してきたのか、その歴史を振り返ってみます。

最初の民間分譲マンションは1956年に誕生した「四谷コーポラス」

日本で最初に民間分譲マンションが発売されたのは1956年に誕生した「四谷コーポラス」といわれています。このマンションは日本信販が売主となって東京都新宿区に建築され、5階建て総戸数28戸という比較的小規模なマンションでした。日本信販が売主ということで、当時としては珍しい割賦販売が行われたことでも話題になりました。

四谷コーポラスは現存しており、老朽化と耐震性能不安のため、建て替えが行われました。建て替え後は「アトラス四谷本塩町」に名称が変わっています。

ただ、この時点では、まだブランドマンションという概念は誕生していなかったと考えられます。

ブランドマンションの始まりは1960年代

不動産会社が販売するブランドマンションはいつ頃誕生したのでしょうか。また、どんなブランドマンションがあったのか確認しておきましょう。

日本初のブランドマンションは1965年に誕生した「ホーマット」か?

日本で最初に登場したブランドマンションは、現在の日鉄興和不動産が手掛けた「ホーマット」シリーズではないかと考えられています。1965年に第1号である「ホーマットインペリアル」が完成しました。Webサイト「R-net」には「その歴史は他の高級マンションよりも古く、戦後に外交官や外資系役員などのVIP向けに建築され1965年に誕生しました」との記述があります。

同じ1965年には日本初の億ションとして東京都渋谷区神宮前に「コープオリンピア」が完成していますので、1965年はマンション業界にとってはメモリアルな年になりました。

ブランドマンションをポピュラーにした「ライオンズマンション」

1968年には「ライオンズマンション」の第1号である「ライオンズマンション赤坂」が誕生しました。ライオンズマンションは1975年に初のオートロックシステムを導入するなど、画期的な販売戦略で人気を博し、1978年には事業主別マンション発売戸数で業界1位に躍進しています。以降ライオンズマンションの物件数は拡大の一途を辿り2007年に通算販売棟数が6,000棟に達しました。

しかし、拡大路線による品質の低下への反省もあり、近年は質の高い物件の開発にこだわった経営方針に転換したため新築の供給量は減っています。とはいえ、ライオンズマンションがブランドマンションという存在をポピュラーにしたことは否定できないでしょう。

大手不動産会社のブランドマンションも登場した1970年代

1970年代に入ると、大手不動産会社もブランドマンションの販売を開始します。住宅金融公庫が個人向け融資を開始したこともマンション業界にとって追い風となりました。

住宅金融公庫融資制度のスタートが生んだ第3次マンションブーム

1970年には住宅金融公庫の融資制度がスタートします。住宅金融公庫は1950年6月に設立され、法人向けの融資を中心に行ってきましたが、1970年に現在と同様の民間分譲住宅への個人融資が開始されました。これにより1972~73年に第3次マンションブームが起きました。1973年には全国の分譲戸数が15万戸を超えたといいます。

住宅金融公庫は2007年3月31日に廃止となり、同年4月1日に独立行政法人住宅金融支援機構が業務を継承して現在に至っています。

大手不動産会社のブランドマンションが登場

マンションブームの追い風に乗って、1970年に東急不動産がブランドマンション「アルス」の第1号「東急アルス本郷」を分譲。続く1971年には三井不動産が超高層高級マンション「三田網町パークマンション」を完成させ、ブランドマンションの展開を始めました。この物件は日本初の超高層マンションともいわれています。

タワーマンションは1990年代から増えた

10億円以上の超高額物件も供給されたバブル期1980年代の第5次マンションブームを経て、1990年代に入ると、階数が20階を超えるようなタワーマンションが増えるようになります。

1997年に三井不動産が「西新宿パークサイドタワー」を分譲しました。壁や床に大理石を使い、内廊下式にするなどホテル並みの仕様で話題になりました。

その後も1998年に埼玉県川口市に当時日本一の高さだった「エルザタワー55」が完成。2002年には総戸数1,000戸の「東京ツインパークス」が完成し、汐留地区再開発のランドマークになるなど、タワーマンションの人気が高まっていきました。

現在タワー型のブランドマンションとしては「パークタワー」「シティタワー」「プラウドタワー」などが知られています。

いま人気のブランドは?ブランドマンションランキング

ここまでブランドマンションの歴史を見てきましたが、令和のいまはどのようなブランドマンションが人気なのでしょうか。マンションくらし研究所が調査した2018年におけるGoogle月間検索数による全国版人気ブランドマンションのランキングは下表のとおりです。

ブランド名デベロッパー検索数(回/月)
1ライオンズマンション大京22,200
2プラウド野村不動産14,800
3ザ・パークハイツ三菱地所レジデンス6,600
3プレサンスロジェプレサンス6,600
5パークホームズ三井不動産レジデンシャル5,400
5ブリリア東京建物5,400
7グランドメゾン積水ハウス4,400
8ブランズ東急不動産2,900
8クレヴィア伊藤忠都市開発2,900
8プレミストダイワハウス工業2,900

歴史が長いライオンズマンションが知名度から検索数でもトップにランクイン。2位のプラウドとともに万単位の月間アクセスがあり、3位以下を大きく引き離しています。ほかでは、三菱地所レジデンスと三井不動産レジデンシャルのパーク系も根強い人気があります。

投資価値で選ぶならリセールバリュー(キャピタルゲイン)にも期待できるブランドマンションがおすすめ

不動産投資を行う際に重要になるのがリセールバリュー(再販価値)です。不動産投資では出口戦略も大事なので、売却したいときに買値より大幅に価格が下がっていては困ることになります。その点ブランドマンションは探しているユーザーが常に多いので、中古で販売するときのリセールバリューが下がりにくいというメリットがあります。

ブランドマンションのリセールバリューが高いことはデータも証明しています。Webサイト「住まいサーフィン」が2021年に公表している「売主別中古マンション値上がり率のランキング(関東圏)」によると、中古マンションの平均値上がり率は、1位の日鉄興和不動産(+3.51%)から10位の住友不動産(+1.95%)まで上位10社がすべてプラスとなっており、大手不動産会社のブランドマンションは価値が下がりにくいだけでなく、物件によっては値上がりすることも期待できることがわかります。

新築のブランドマンションを購入すればインカムゲイン(家賃収入)だけでなく、キャピタルゲイン(売却益)も狙えるため出口戦略でも有利になります。これからマンション投資を考えるなら、ユーザーにも投資家にも人気がある新築ブランドマンションの購入を検討してみてはいかがでしょうか。

丸山優太郎
丸山優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。企業系サイトを中心に執筆し、得意執筆領域は金融・経済・不動産。市場分析や経済情勢に合わせたトレンド記事を、毎年200本以上執筆している。主な掲載媒体は「YANUSY」「THE Roots」「Renergy Online」「Dear Reicious Online」「JPRIME」「タツマガ」など多数。