億ションと呼ばれる超高級マンションがあります。主に富裕層が購入していますが、どれくらいの年収があれば購入できるのでしょうか。億ションを購入できる年収の目安や、買うときに注意すべきこと、どのような不動産会社から購入すればよいのかなどを解説します。

億ションとはどんなマンションか

億ションを買える年収はどれくらい?購入するときの注意点と不動産会社の選び方
(画像=virtua73/stock.adobe.com)

億ションとは呼び名の通り、基本的には価格が1億円以上のマンションのことを指します。日本で最初の億ションは1965年3月に完成したコープオリンピア(東京都渋谷区神宮前)といわれています。当時の分譲価格で3,000万円~1億円で売り出されました。

高級マンションの黎明期でありながら24時間のフロントサービスを備え、共用廊下には赤絨毯が敷かれていました。最近の億ションはこのような高級感ある内装に加え、ゲストルームやフィットネスジムなど共用設備も充実して、さらに魅力が高まっています。

また、億ションはセキュリティが極めて強固であることから、企業経営者をはじめとする富裕層が安心して住める構造にもなっています。

億ションはどんな人が買っているのか

億ションを買うにはある程度高い年収と、一定以上の資産が必要です。主に億ションを買っているのは、富裕層、不動産投資家、自宅を売却した買い換え層などです。

富裕層

億ションの代表的な購入者といえば富裕層です。富裕層のなかでも多いのが企業経営者や役員、次いで弁護士、医者などとなっています。

富裕層のなかでも特別な理由で億ションを購入するのが芸能人です。芸能人が購入する理由は、高級マンションはセキュリティが強固で、居住者同士が顔を合わせないように設計されている物件があるからです。

不動産投資家

投資資金を豊富に持っている不動産投資家のなかには、高家賃が期待できる億ションに投資する人もいます。不動産投資家にとって理想的な物件は「空室リスクが低く、高い家賃を取れる」物件です。億ションは駅近や住環境の良い物件が多く、その条件に合っているといえます。

とくに不動産投資家に人気の高いブランドマンションにも億ションがあるので、ブランドマンションを購入することでより入居者の確保がしやすくなる可能性があります。また、億ションに住むのは高い家賃を支払える高収入世帯のため、家賃滞納のリスクも極めて低いと考えられます。

自宅を売却した買い換え層

一戸建てを売却して億ションに買い替える人もいます。とくに最近は高級住宅街から都心の億ションに移住する富裕層も増えています。かつては富裕層が住む街といえば大田区田園調布や世田谷区成城が代表的でした。

東京商工リサーチが毎年発表している「社長が住む街調査」では、2021年は港区赤坂が1位のほか、高級マンションが多い東京都港区の街がトップ10のうち7つランクインしています。富裕層が閑静な住宅街よりも利便性の高い都心のマンションを好む傾向が見てとれます。

出典:東京商工リサーチ「東京都港区住民の7人に1人が社長 ~ 2021年全国「社長の住む街」調査 ~」

億ションを買える年収はどれくらい?

億ションはどれくらいの年収があれば購入できるのでしょうか。基本的に必要な年収と、1億円融資を受ける場合に必要な年収について確認してみましょう。

1億円融資を受けるのに必要な年収

金融機関では、ローンの返済負担率の限度を年収400万円以上の場合35%程度に設定しているといわれています。1億円を金利1.5%、返済期間30年で借りた場合の毎月の返済額は34万5,120円です(下表参照)。これを年額に換算すると、次のような必要年収が算出されます。

【例1】
34万5,120円×12カ月=414万1,440円(年間返済額)
414万1,440円÷35%=1,183万2,686円

もう少し必要年収を下げるために、返済期間を35年にする場合は次の通りとなります。

【例2】
30万6,184円×12カ月=367万4,208円
367万4,208円÷35%=1,049万7,737円

以上のように、返済負担率の限度をクリアするには年収1,000万円以上が必要であることがわかります。

基本は年収1,000~2,000万円以上

上記のシミュレーションは返済負担率の限度まで借りた場合ですので、生活にゆとりがなくなる可能性もあります。返済負担率を下げると必要年収の基準が上がりますが、【例2】のケースで返済負担率を25%にすると必要年収は次のようになります。

367万4,208円÷25%=1,469万6,832円

タワーマンションの場合は4,000~5,000万円の物件もあるため、年収1,000万円以上が不動産業界のコンセンサスになっていますが、億ションはすべて1億円以上です。ローンの返済で生活に支障が出ないためには2,000万円以上の年収が理想といえるでしょう。

もちろん頭金を多く入れて融資額を少なくすれば、必要年収のハードルは下がります。用意できる頭金など資産状況にもよりますが、年収1,000~2,000万円以上が億ション購入の目安と考えてよさそうです。

億ションを買うときに注意すべきこと

億ションを購入する際には次のような点に注意する必要があります。

金利上昇リスクがある

億ションをローンで購入する場合は融資金額も大きくなるため、金利上昇リスクに注意する必要があります。例えば1億円の融資を受ける場合、1%の金利の違いでどの程度返済額に差があるかをシミュレーションしたのが下表です。毎月の支払いが5万円増加するので、家賃水準によっては影響が大きくなる可能性があります。

▽1億円を金利1.5%と2.5%で借りた場合の返済額(元利均等払い、借入期間30年)

金利1.5%金利2.5%差額
毎月の返済額34万5,120円39万5,120円5万円
総返済額1億2,424万3,068円1億4,224万3,405円1,800万337円

金利の上昇リスクを抑えるには、少しでも金利が低い金融機関で借りるのが基本です。他には契約時の金利が変動金利より高いものの固定金利で契約するか、頭金を多めに入れて借入額を少なくする方法があります。また、資金に余裕があるときに繰り上げ返済をして元本を減らすことも有効です。

夫婦で共有名義にするのはリスクが高い

もう1つ注意したいのは、夫婦で共有名義にするのはリスクが高いという点です。万一離婚に至ったときに、片方の意向だけで物件を売却することはできません。

また、賃貸物件として運用する場合や、部屋を大幅にリフォームする場合も単独で行うことができないなど、共有名義にはいろいろな制約が付きます。相続も複雑になるため、億ションに限らず不動産を購入する場合は単独名義にしたほうが無難です。

億ションに投資するなら総合不動産会社から購入したほうがよい理由

億ションに投資する場合、どの不動産会社から購入したらよいか迷うところでしょう。億ションに投資するなら総合不動産会社から購入するほうが有利です。それには次の2つの理由があります。

総合不動産会社なら購入から賃貸までワンストップで依頼が可能

総合不動産会社から億ションを購入したほうがよい理由の1つが、購入から賃貸までワンストップで依頼できることです。同じ不動産会社であれば、購入した不動産をそのまま賃貸に出し、管理まで依頼することができます。

また、出口戦略で売却するときも、購入したときのデータを把握しているので、不動産会社から適切な売却価格をアドバイスしてもらうことができます。

億ションを売るなら総合不動産会社の販売力が必要

不動産投資家にとって出口戦略は大きな課題です。億ションは価格が高いため、売却するときにわずかなパーセンテージでも大きな金額の差になります。

例えば5%の差の場合、普通の不動産会社が2億円で売れる物件を、販売力がある会社なら2億1,000万円で売れる可能性があります。富裕層との取引実績も豊富で販売力がある総合不動産会社に依頼することで、1,000万円も高く売れることが期待できるのです(一例であり、物件によって売却結果は異なります)。

住むにも投資するにも憧れる億ションですが、人によって年収や用意できる頭金はさまざまです。まずは総合不動産会社に気軽に相談し、夢の実現に一歩近づいてみてはいかがでしょうか。

丸山優太郎
丸山優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。企業系サイトを中心に執筆し、得意執筆領域は金融・経済・不動産。市場分析や経済情勢に合わせたトレンド記事を、毎年200本以上執筆している。主な掲載媒体は「YANUSY」「THE Roots」「Renergy Online」「Dear Reicious Online」「JPRIME」「タツマガ」など多数。