利便性が高く眺望の良いタワーマンション(タワマン)に住むことは富裕層のステータスにもなっています。タワマンにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

本記事では、タワマンが住むにも投資するにも良い理由を解説し、併せて購入に必要な年収の目安について紹介します。

タワマンはどんな人が住んでいるのか

タワマンのメリットに注目しよう!住むにも投資するにも良い理由とは?
(画像=kurosuke/stock.adobe.com)

タワマンは主にどのような人が住んでいるのでしょうか。タワマンに住んでいる人として知られているのが医師や企業経営者、特別な技術を持つエンジニア、高年収の営業マンなどです。プライバシーをとくに気にする有名芸能人もタワマンを選ぶ傾向があります。

タワマンに賃貸で住む場合、家賃の3倍程度の月収が必要といわれています。20万円の家賃で月収60万円(年収720万円)、30万円の家賃で月収90万円(年収1,080万円)が目安となります。家賃が高い高層階に住むには年収1,000万円以上は必要と考えたほうがよいでしょう。

また、夫婦共働きで共に高年収のパワーカップルが億ションを中心としてタワマンを購入しているといわれます。仮にそれぞれが一人年収700万円であっても夫婦合わせた世帯年収は1,400万円になるので、より高額な物件を購入することが可能になります。

タワマンに住むメリット

タワマンは価格が高い分、居住するうえで多くのメリットがあります。とくに以下の3つはタワマンに住むことで享受できる代表的なメリットです。

眺望の良さが一番の特長

タワマンを選ぶ理由に眺望の良さを挙げる人は多いでしょう。眺望がタワマン人気の要因であることは物件価格にも表れており、高層階に比べて眺望で劣る低層階のほうが安いのが一般的です。

眺望を楽しめるのが一番の特長ではありますが、低層階でも受けられるサービスや利用できる施設は同じなので、あえて価格が安い低層階を購入したほうがお買い得という考え方もあります。

防災やセキュリティが強固

タワマンは防災やセキュリティが強固なため、安心して住むことができます。超高層マンションであるため、耐震は厳しい基準をクリアしています。入り口やエレベーターで専用キーを使って入るなど、一般のマンションに比べてセキュリティ対策も充実しています。

共用施設が充実している

タワマンは高額ですが、共用施設の充実ぶりを見ると価格に納得する人も多いのではないでしょうか。エントランスのフロントデスクにはコンシェルジュがおり、居住者にさまざまサービスを提供しています。共用施設には、ゲストルームや物件によってはフィットネスジム、プールなどが併設されている場合もあります。

タワマンにもデメリットがある

魅力的なタワマンですが、デメリットがないわけではありません。管理費をはじめとする維持費の高さや、洗濯物、エレベーターに関する問題は昔から指摘されているデメリットです。

管理費や修繕積立金が高め

タワマンは施設やサービスが充実している分管理費や修繕積立金が高めというデメリットがあります。コンシェルジュがいるなどホテル並みのサービスが受けられるので、高いのはやむを得ないのですが、コンシェルジュサービスやゲストルームなどをほとんど使わない人には割高になるかもしれません。

洗濯物を外に干せない

タワマンは風が強いことや外観が悪くなるという理由で、洗濯物を干してはいけないというルールがあります。風が強いということはベランダがあると物が飛ぶ可能性があることから、ベランダがないタワマンもあります。洗濯物は室内乾燥機で乾かすなどの工夫が必要です。

エレベーターが混雑する

タワマンの特性上、出勤時間帯などはエレベーターが混雑しやすいというデメリットがあります。駅前の物件ならほとんどの人の通勤手段が電車と考えられます。スーパー併設型の物件なら夕方の買い物の時間帯が混雑するでしょう。

タワマンに投資するメリット

タワマンは居住するだけでなく、投資するにも多くのメリットがあります。すなわち住みやすいということは入居者を確保しやすく、空室リスクが低いことにつながるからです。

資産価値が下がりにくい

タワマンは資産価値が下がりにくいという特長があります。これは出口戦略(売却)を考えると大変有利なポイントです。不動産投資は家賃収入でローンを返済していき、ローンを完済すると純資産に転じます。

ローン完済後に売却する場合、新築時に5,000万円で買った物件が中古になって30%の評価減になると売却金額は3,500万円(諸費用除く)となります。しかし、資産価値が高いタワマンを購入して10%の評価減に抑えられれば、4,500万円で売却できるので、収益が大幅に増えるメリットがあるのです。

利便性が高く入居者を確保しやすい

タワマンはデッキで駅に直結している物件や、駅に近い物件が多く利便性に優れています。なかにはタワマンの1階が大型スーパーになっている物件もあります。日課である買い物がエレベーターを降りればすぐできるのは時間の節約にもなり、沢山買い出しした場合も移動が楽です。

会社員にとっては通勤を考えると駅が近いことは魅力的なポイントでしょう。利便性が高いことは入居者の需要が多く、空室リスクが低いことを意味します。

高年収の入居者が中心で家賃滞納リスクが低い

マンション投資において空室リスクに次いで心配なのが家賃の滞納です。タワマンを借りる入居者はほとんどが高年収なので、家賃を滞納するリスクは低いと考えられます。

このように、タワマンはマンション投資で最も心配な空室リスクと家賃滞納リスクが両方低いので、安心して運用できるのが大きなメリットです。

タワマンを購入できる年収は?

タワマンはどの程度の年収があれば購入できるのでしょうか。住宅ローンを使った不動産購入の年収の目安にはある程度のコンセンサスがあるので、5,000万円と1億円以上の物件で考えてみましょう。

5,000万円の物件で年収1,000万円以上が目安

5,000万円の物件を購入するには、年収1,000万円以上が目安になります。住宅ローンを組んで住宅を購入する場合の無理のない返済比率は概ね年収の25%が不動産業界のコンセンサスになっています。年収1,000万円の人の手取り年収は約731万円程度といわれています(各種控除の金額によって若干異なります)。この場合、無理のない25%の返済比率で計算すると以下のような結果となります。

731万円×0.25÷12=15万2,084円(毎月の返済可能額)

5,000万円の物件を、頭金10%で4,500万円を金利2.0%、元利均等、35年返済で借入れた場合、毎月の返済額は14万9,068円となり、返済可能額の範囲に収まります。5,000万円のタワマンを、ゆとりをもって購入できるのは年収1,000万円以上と考えてよいでしょう。

ただし、返済比率を上限である35%まで引き上げ、金利を1.3~1.7%に抑えると1億円に近い9,000万円台の物件購入が可能というデータもあるので、年収1,000万円でも億ション購入が可能な場合もあります。その場合、返済比率が高いため、生活はぎりぎりになる恐れがあります。

億ションのタワマンなら2,000万円以上は必要

タワマンのなかでも億ションと呼ばれる高額物件はどうでしょうか。億ションを、ゆとりを持って購入するには年収2,000万円以上が必要です。年収2,000万円の人の手取り年収は約1,307万円程度といわれています。5,000万円以上のときと同じように計算すると以下のようになります。

1,307万円×0.25÷12=27万2,292円(毎月の返済可能額)

1億円の物件を、頭金10%で9,000万円を金利2.0%、元利均等、35年返済で借入れた場合、毎月の返済額は29万8,136円となり、返済可能額の範囲を超えてしまいます。この場合は頭金を20%に増やせば借入額が減ることで毎月の返済額は26万5,010円となり、返済可能金額の範囲に収まります。

不動産は頭金を多く入れることによってワンランク上の物件を購入できる場合があります。1億円のタワマンを、ゆとりをもって購入できるのは年収2,000万円以上が目安と考えてよいでしょう。

また、年収倍率という考え方もあり、東京カンテイのプレスリリースによると、2019年の「築10年中古マンション価格の年収倍率」で東京都の年収倍率は10.96倍となっています。東京都のタワマンであれば年収1,000万円でも億ションの購入が可能という計算になります。

ただし、全国平均は5.52倍なので、やはり先述したように年収1,000万円では5,000万円のタワマン購入が妥当という基準が無理のないラインといえそうです。さらに新築なら東京が13.26倍、全国が8.19倍と担保価値が高い分より高額な物件が購入可能になります。

このように基準にする指標やエリアによっても購入可能金額は違ってくるので、不動産会社に相談してプロに判断してもらうのが最も正解に近いといえるでしょう。

購入の最終判断は不動産会社に相談して決めるのがベスト

住むにも投資するにもよいタワマンですが、先に紹介したタワマン購入の年収はあくまで目安にすぎません。融資審査においてはもっと多くの審査項目があり、総合的に判断されます。

先に述べたように年収が1,000万円以下や2,000万円以下であっても、資産状況が良く頭金を多く用意できればタワマンを購入できる場合があります。不動産会社に相談すれば担当者が適切な資金計画をアドバイスしてくれるので、年収だけで諦めずにタワマン購入への夢を持ち続けることが大事といえます。

※本記事はタワマン購入のメリットや年収の目安について紹介しています。年収の目安や計算例は一例であり、返済比率や年収倍率などによって購入費の目安は異なる場合があります。参考程度にお考えください。

丸山優太郎
丸山優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。企業系サイトを中心に執筆し、得意執筆領域は金融・経済・不動産。市場分析や経済情勢に合わせたトレンド記事を、毎年200本以上執筆している。主な掲載媒体は「YANUSY」「THE Roots」「Renergy Online」「Dear Reicious Online」「JPRIME」「タツマガ」など多数。