不動産投資で成功する確率はどれくらいあるのでしょうか。不動産投資に成功するかどうかは投資の目的によって大きく異なります。また、成功と失敗を分けるポイントもあります。

本記事では不動産投資で成功するための方法と、成功率を高める物件の選び方を詳しく解説します。

不動産投資の成功率は目的によって違う

不動産投資の成功率はどれくらい?数字を高めるために購入すべき物件とは
(画像=tamayura39/stock.adobe.com)

不動産投資は家賃収入でローンを返済するスタイルのため、安定した投資といわれています。しかし、成功率に関しては購入の目的によって変わるため、どのような結果を目指して投資するのかを明確にする必要があります。成功率に関する正確なデータは存在しませんが、およその成功率の目安を3つのゾーンに分けて考えてみましょう。

成功率が高い目的(70%~90%)

成功率が高い目的としては、長期的視点に立った投資とサラリーマンの副業として行う投資が挙げられます。

長期的視点に立ち老後の年金代わりを目指す

不動産投資は、毎月の家賃収入でローンを返済し、完済後に純資産になるのが特徴です。完済後の出口戦略を見据えた長期投資になるので、目先の空室などにも慌てず運用を続けることができます。

完済後は売却して現金化するか、そのまま賃貸経営を続けるかを選択できます。賃貸を続ける場合は家賃収入を年金の代わりに受け取ることができ、不動産投資ならではのメリットを活かすことができます。

サラリーマンが副業として行う

サラリーマンのように定期的な収入がある人が副業として行うのも、成功率が高い目的といえます。不動産を融資によって購入した場合は、毎月家賃収入のなかからローンを返済しなければなりません。

万一空室が出て家賃収入が入ってこなくなっても、サラリーマンであれば給与収入から支払うことができます。また、融資を受ける場合にサラリーマンで勤続年数も長ければ金融機関からの評価も高く、有利な融資条件を獲得できる場合があります。

成功率が中くらいの目的(40%~60%)

成功率が中くらいの目的としては、節税目的で行うことと、毎月キャッシュフローを黒字にすることにこだわった投資が挙げられます。

相続税の節税を目的にする

相続税を減らすために現金を不動産に変えることは代表的な節税対策として知られています。しかしこのような場合、最初から節税ありきで考え、物件を吟味せずに購入してしまう恐れがあります。親族が住むための物件ならよいのですが、不動産投資として考えた場合、成功率は半々と考えたほうがよいでしょう。

毎月キャッシュフローの黒字を狙う

不動産投資は長ければ30年以上に渡る長期投資です。よほど運が良くなければ、同じ入居者が住み続けることは少ないでしょう。つまり、時々は空室が発生すると考えて運用すべきなのです。

黒字を目指すことはよいのですが、空室が出てキャッシュフローが赤字になると失望し、空室が数ヵ月続くと手放してしまう短期的な視点に立った投資は成功率が下がります。

成功率が低い目的(10%~30%)

成功率が低い目的としては、家賃収入だけで生活をしていこうという無理のある投資と、値上がり益だけを狙う投資です。

家賃収入だけで生活していく

一棟マンションは別として、区分所有マンションの家賃収入だけで生活していくことは極めて難しいと考えられます。家賃収入がそのまま手取りになるわけではないからです。

管理費など諸経費を支払い、ローンを返済すると生活費に回せる金額は限られます。本業の収入があるサラリーマンなら成功率は高いですが、家賃収入のみで生活するのは億ションを除けば難しいと考えるべきでしょう。

キャピタルゲインのみを目的にする

不動産投資は家賃収入だけでなく、キャピタルゲインを得られる場合があります。しかし、バブル期と状況が違う今、物件価格が簡単に値上がりすることは少ないでしょう。

不動産投資は根気の要る投資です。キャピタルゲインのみを目的とした投資は失敗する可能性があり、株式投資のように狙ってキャピタルゲインを得られる投資ではないことを心得る必要があります。家賃収入を目的に賃貸経営を行い、何らかの理由で値上がりしてキャピタルゲインを得られる機会が訪れたら売却するというスタンスが理想といえます。

以上が目的別に見た不動産投資の成功率の目安ですが、成功率が100%という投資はなく、逆に0%の投資もないので、少しでも成功率を高めるように計画を立てることが大事です。

不動産投資の成功率を高めるには

不動産投資の成功率を高めるには物件を購入する前に入念な準備が必要です。とくに勉強・情報収集、収支シミュレーション、リスク対策の3つは欠かせません。

不動産投資について勉強や情報収集を行う

不動産投資で成功するには、不動産についての勉強や情報収集も必要です。とくに「表面利回り」と「実質利回り」の違いや、必要経費の内容、理想的なローン返済比率、金融機関の融資基準などは資金計画を立てるうえで知っておく必要があります。

また、実際に物件を購入する際は該当するエリアの物件情報をこまめにチェックすることが大事です。優良物件はすぐに買い手が付いてしまうからです。

投資する前に収支のシミュレーションをきちんと行う

投資する前に収支をシミュレーションすることは必須です。毎月の収支をシミュレーションする場合は実質利回りで計算する必要があります。

実質利回りを計算する場合に、利益から差し引く経費は以下のようなものがあります。区分所有の例で、一棟物件の場合はかかる費用が多少異なります。

購入以後にかかるランニングコスト(基本的なもの)
・管理費
・修繕積立金
・管理委託費(管理を不動産管理会社に委託している場合)
・固定資産税・都市計画税
・ローン返済利息(元金は必要経費になりません)
・保険料(火災保険・地震保険)
・減価償却費

また、物件購入時には以下のような費用がかかるので、初期費用を準備する段階で把握しておく必要があります。このほかに細かい費用がかかる場合もあるので、不動産会社に確認したほうがよいでしょう。

購入時にかかる初期費用(基本的なもの)
・物件購入代金+消費税(建物部分に10%課税。土地部分は非課税)
・不動産仲介手数料(売主直販で手数料がかからない場合もあります)
・印紙税
・不動産取得税
・登録免許税
・司法書士報酬(依頼した場合)
・ローン関連費用(融資手数料、保証料など。ローンを利用する場合のみ)

不動産投資のリスク対策を行う

不動産投資で生じる可能性があるリスクに対しては、あらかじめ対策を講じておくことが大事です。不動産投資で考えられるリスクには以下のようなものがあります。

空室リスク

不動産投資で最も心配なのが空室リスクです。ほかに仕事を持っていなければ家賃収入が入らないと収入が途絶えます。それを防ぐには好立地物件を購入することです。常に需要が見込める好立地物件であれば仮に空室が出ても短期間で次の入居者を確保できます。

家賃滞納リスク

空室に次いで心配なのが家賃滞納リスクです。家賃が入らなければ空室と同じことになります。不動産管理会社に管理を委託している場合は、管理会社が入金のなかった入居者に督促してくれます。家賃滞納リスクを回避するには家賃保証会社を利用する方法もあるので、検討するのもよいでしょう。

犯罪リスク

不動産投資では空き巣被害対策も重要な課題です。警視庁の調べによると、2020(令和2)年における全国の侵入窃盗(空き巣)の認知件数は2万1,030件となっています。幸いなことに空き巣被害は長期減少傾向にありますが、これはホームセキュリティなどの普及が寄与しているのではないかといわれています。つまり、しっかりした対策をとれば空き巣被害はある程度防げることを証明しているといえます。

災害リスク

物件が位置するエリアによっては地震や台風の影響を大きく受ける場合があります。購入の前に当該地域のハザードマップを確認したほうがよいでしょう。物件の近くに川がある場合は台風時に災害リスクが高まります。地域別のハザードマップは下記サイトで確認することができます。

国土交通省「ハザードマップポータルサイト」

金利上昇リスク

ローンを組んでいる場合、金利の上昇は心配なリスクです。とくに2022年は世界的な金利上昇が起き、米国の相次ぐ利上げによって急激な円安が進んだのはよく知られたところです。日本もいつまでも低金利が続く保証はありません。購入前であればなるべく金利の低い金融機関を選ぶ、返済方法を固定金利にするなどの対策がとれます。

不動産投資に失敗する人のタイプとは?

不動産投資は人によって向き・不向きがあります。不動産投資で巨額の資産を築いた人の話を聞くと華やかな世界に見えますが、実際には長期投資で資産形成を行うとても地道な投資です。以下の条件に当てはまり、自分は不向きだと思う人は改善して投資に臨む必要があります。

計画性が無い人

不動産投資はしっかりした資金計画や運用計画が必要なので、計画性がない人には向いていません。計画を立てて行わないと、その月の短期的な視点だけで経営を行うことになり、失敗するリスクが高まります。自分に計画性があるか確認するには以下のようなポイントで判断するのも1つの方法です。

・毎月の家計収支をチェックしている
・積立預金や積立投資を行っている
・予定をカレンダーに書き込んで管理している
・クレジットカード利用の予算を決めて使っている
・書類をきちんと保存している

以上のポイントで半分以上当てはまれば計画性があると考えてよいでしょう。

物件の選択を営業マン任せにする人

不動産投資では物件の選択が成功・失敗の命運を分けます。営業マンを信頼することは大事ですが、物件選びで「お任せします」は厳禁です。必ず複数の物件を内覧し、営業マンの意見を聞きつつも最終的な購入の決定は自分で行うべきです。

リスク対策ができない人

不動産投資にはリスク対策が欠かせません。リスクは「予定していなかったお金が出ていく」「入るはずのお金が入らない」など金銭を伴うことがほとんどです。リスク対策ができない人は不動産投資に向いていません。

また、セキュリティ対策もリスク対策の1つなので、入居者が空き巣などの犯罪に遭わないようにしっかりした対策をとることが必要です。

不動産投資の成功率を高める物件のタイプ

不動産投資の成功率を高める物件は以下のような条件に当てはまる物件です。いずれも不動産投資で重視される基本的条件ですので、最低限この4つをクリアできる物件を選ぶようにしましょう。

立地条件が良い物件

不動産投資は物件の立地条件によって運用成績が大きく左右されます。一般的には駅徒歩10分以内が好立地といわれています。好立地物件は価格も高くなりますが、「立地が良いけど高い物件」と「立地が悪いけど安い物件」なら前者を選ぶべきです。なぜならいくら安く購入できても空室が続けば収入にならないからです。

生活の利便性が高い物件

生活の利便性は誰もがチェックするポイントです。単身者ならコンビニやコインランドリー、ファミリー層ならスーパーや学校、医療機関などが近くにある物件は魅力的に感じるでしょう。物件の敷地内に専用駐車場があると、マイカーを持つファミリー層の入居が期待できます。

億ションなど高額な物件になると、エントランスのフロントデスクにコンシェルジュがいて入居者のさまざまな要望に対応してくれるので、利便性が一段と高くなります。

住環境や治安が良い物件

生活の利便性が高くても、住環境や治安が悪いと入居を躊躇するかもしれません。物件の近くに入居者が敬遠するような施設があったり、物件内のセキュリティが弱いなどのマイナスポイントがあったりすると入居者を獲得するのに時間がかかる可能性があります。

逆に敬遠されるような施設がない、犯罪率が低いエリアにある、セキュリティがしっかりしているなど安心して住める物件は選ばれやすいでしょう。

管理が良く設備が充実している物件

物件の管理状況が良く、設備が充実している物件も入居者から選ばれる可能性が高くなります。管理会社が入っている物件は清掃が行き届いているので、ゴミが散乱しているなどの光景はあまり見られません。そのため、管理会社の有無はチェックしたほうがよいでしょう。

設備面では、下記のような人気設備が導入されていると入居者から選ばれやすくなります。

・居室内の設備
インターネット無料設備、モニター付きインターホン、オートロック、ビルトイン食器洗浄機乾燥機、ディスポーザー、ウォークインクローゼット、床暖房、温水洗浄便座、室内用物干し、浴室暖房乾燥機

・共用スペースの設備
宅配ボックス、24時間ゴミ集積所、ゲストルーム、トランクルーム、エントランスオートロック

不動産投資の成功率が高いのは東京23区のブランドマンション

不動産投資の成功率を高める物件としては、東京23区のブランドマンションがおすすめです。ブランドマンションとは、大手不動産デベロッパーが開発から販売まで手掛けるハイグレードな高級マンションのことを指します。

ブランドマンションは駅から徒歩10分以内の好立地にある場合が多く、優れたデザインとハイスペックな設備を兼ね備えています。マンション名にはデベロッパー各社のブランド名が冠されていることからブランドマンションと呼ばれています。

ブランドマンションは好立地と生活利便性の高さで安定した入居の需要が見込めることで、不動産投資家にも人気があります。加えて東京23区であれば交通網が充実しています。複数路線の利用も可能なことから多くの物件が駅徒歩10分以内になるため、資産価値が下がりにくいというメリットもあります。

東京に次いで首都圏や名古屋・大阪など大都市圏のブランドマンションも高い成功率が期待できます。

無理のない資金計画で優良マンションに投資しよう

融資を利用して不動産投資を始める場合、月収に対するローンのゆとりある返済比率は25%といわれています。最大で35%までが不動産業界のコンセンサスになっていますが、返済比率が高いほど生活にゆとりがなくなるので、資金に余裕を持てるように返済比率を25%程度に抑えることが大事です。

文中にある入居者から選ばれやすい物件を選び、不動産投資のリスク対策をしっかり行うことで成功率を高めることができます。ローンの返済負担が重くならないように無理のない資金計画を立て、優良マンションへの投資を検討することが、不動産投資成功への近道といえます。

※本記事は不動産投資における目的別の成功率について紹介しています。成功率は一般的な傾向から考えられる目安であり、文中の成功率を保証するものではありません。参考程度にお考えください。

丸山優太郎
丸山優太郎
日本大学法学部新聞学科卒業のライター。企業系サイトを中心に執筆し、得意執筆領域は金融・経済・不動産。市場分析や経済情勢に合わせたトレンド記事を、毎年200本以上執筆している。主な掲載媒体は「YANUSY」「THE Roots」「Renergy Online」「Dear Reicious Online」「JPRIME」「タツマガ」など多数。