太陽光発電投資といえば、「もう終わった話」と思っている人が多い。
確かに、新規参入の窓は閉じた。2019年以降、国が高単価を保証するFIT認定は事実上終了し、新しい発電所を作って乗り込む手段はほぼ消えた。不動産投資の勉強会は増えているのに、太陽光の話題はめっきり聞かなくなった。そういう印象を持つのは自然だ。
だが、すでに認定を受けた投資家たちは今も、当時の売電単価のまま収益を受け取り続けている。
その結果が、「40万件のうち3,000件」という数字だ。
日本全国に存在する太陽光発電所約40万件のうち、毎年市場に出回るのは約3,000件。全体の1%にも満たない。それだけ、持ち続けることが合理的な資産であると言える。
このFIT認定は、設備を誰が買い取ろうとも引き継がれる。つまり、3,000件の中から条件のいい物件を見極めて手に入れることができれば、現在の新規単価(9円台)の3倍以上の売電単価で、残りのFIT期間を丸ごと受け取ることができる。
不動産投資と違い、空室も家賃交渉もない。発電すれば、国が買い取る。優良物件では表面利回り10%超の事例もあり、相場に左右されない固定収入として設計できるのだ。
図1認定時の単価は、中古で買っても引き継がれる
32円
- 2014年度に認定32円で
20年間の買い取り
- 中古で購入32円のまま
引き継ぐ
- 買取期間の
終わりまで32円で売電
1kWhあたり・税抜。買取期間は運転開始から20年で、中古は残りの期間分 出典:資源エネルギー庁「過去の買取価格・期間等」「買取価格・期間等」
さらに、年収1,000万円超の層には「税」という論点がある。
この設備は減価償却資産として扱われ、取得した年から課税所得を圧縮できる。キャッシュフローで稼ぐ商品ではなく、「払いすぎた税金を取り戻す」手段として購入する投資家が増えている。課税所得の圧縮額は、物件によって300万円規模になるケースもある。
利回りと節税。この二つを同時に狙えるのが、セカンダリー市場──中古太陽光発電所の売買だ。
図2取得した年から、課税所得を圧縮できる
↩払いすぎた税金を取り戻す
圧縮額は物件によって 300万円規模 になるケースも
※図は仕組みのイメージです
ただし、見極めが要る。
市場に出回る3,000件がすべて好条件とは限らない。売電単価・残FIT期間・設備の状態・融資条件。何を基準に判断するか知らなければ、合理的な裏ルートは単なるリスクになる。
今、この仕組みに乗るための物件の見極め方と税務設計を、エネルギー事業の経営と市場変遷を見続けてきた実業家と、投資と税の交差点に立ち続けてきた税理士が、それぞれの視点から明かす。