過疎化,市役所,商業施設,青森アウガ
(画像=Webサイトより)

目次

  1. 青森駅前の一等地に建つ市関連施設とは
  2. 1〜4階に市役所の窓口機能を集約
  3. 売り上げが予測を下回り、経営破たん
  4. 全国で増える商業施設跡への市役所入居
  5. 残された課題は活性化策

※2016年12月配信記事を再編集したものです。

青森駅前の一等地に建つ市関連施設とは

経営破綻した青森市の複合商業施設「アウガ」に市役所の窓口機能を集約することを、小野寺晃彦市長が市議会で明らかにしたのは2016年12月。アウガの公共施設化に伴い、進めていた市庁舎の建て替え計画も見直し、10階建てから3階建てに変更した。

アウガはコンパクトシティ実現に向けた中核施設としてJR青森駅前にオープンしたが、営業不振が続いて経営破たん。その混乱の責任を取る形で鹿内博前市長が16年10月に辞職していた。市の甘い収支見通しが重いつけを残したわけで、コンパクトシティの実現も出直しとなった。

1〜4階に市役所の窓口機能を集約

鹿内前市長の辞職による選挙で初当選した小野寺市長は、16年12月の定例市議会の所信表明で、アウガの1〜4階に市民が訪れる市役所の窓口機能を集約し、ワンストップサービスを実現する考えを示した。これに伴い、新市庁舎の設計は10階から3階程度に改め、「事業費を大幅に減らす」と明言した。

アウガに入居するのは市民課のほか健康福祉部門、税部門など市民の来訪が多い部署で、市民窓口を集約して利便性の向上を図った。本庁舎から約2キロ離れた柳川庁舎に入居中の環境部や市教育委員会もアウガに移転した。新庁舎には総務部、都市整備部、財務部などが入ることになっている。

アウガに市役所の窓口機能を集約することについては、地権者らで構成するアウガ店舗共有者協議会の理事会でも事前に示されたが、特に異論は出なかったという。

アウガの公共施設化は小野寺市長の選挙公約で、アウガに入居するテナントには周辺商店街の空き店舗をあっせんすることも検討するとした。アウガの閉店や第三セクターの「青森駅前再開発ビル」解散時期についても、関係者と慎重に協議を進める姿勢を見せた。

また、小野寺市長はアウガの公共施設化とともに、市庁舎建設、青森駅周辺整備推進事業を一体で進める考えを示し、中心市街地再生支援課、庁舎建設課、都市拠点整備室に所属する職員16人で構成する市長直属のプロジェクトチームで事業に当たった。

当時、青森市中心市街地再生支援課は「市長の方針に沿い、関係者とよく協議しながら、アウガの公共施設化を進めていく」と述べた。