「セール好きはお金持ちになれない」、そんなマネー記事を読んだことはないだろうか。セールには人間心理を巧みについたマーケティング手法が使われており、まんまとハマってしまっているというわけだ。本記事のタイトルにもある、「返品自由」も同じ理由からだ。筆者が知る富裕層も「返品自由」だけを見て購入を決断することはない。

使用済みでも返品出来る時代がやってきた

行動経済学,保有効果
(画像=PIXTA)

ユニクロでは領収書があり購入後3ヶ月以内なら、着用後でも、洗濯した後でも返品に応じてくれるようだ。これはおそらくアメリカでの小売業界の流れを受けたものだろう。アメリカの大手チェーン店では、ほとんどの商品に対して、使用済みであろうと何であろうと理由を問わず返品に応じてくれる「無条件返品」がスタンダードになってきている。

小売業界はたまったものではないとの感想を持つ人も多いだろう。ただ「返品自由」には一定のマーケティングの効果があると言われている。

アメリカは消費大国だ。購入に悩んだりせずに、気になったらまず買ってみるのが米国流で、ダメなら返してしまうのがアメリカ人の典型的な消費行動らしい。返品自由は確実に消費の窓口を拡げる効果となっているとともに、企業にとっては商品の品質への自信の表れでもあり、顧客満足度を上げることにもつながっているのだ。

返品自由は「保有効果」というマーケティング