「ビリオネア(資産総額10億ドル/約1021億8000万円以上の層」)に関する最新の調査が発表され、世界の富裕層の中でも男女格差が広がっていることが判明した。

ビリオネアのうち88.1%(2179人)を男性が占めているのに対し、女性は11.9%(294人)と極端に少ない。今年は新たに148人がビリオネアいりし、史上最高数を記録したにも関わらず、そのうち女性はわずか8人だった。

また保有資産総額という点でも、全体の7兆7000億ドル(約786兆7860億円)中、88.6%を男性が保有しているという。

自らの手で富を得た起業家ビリオネアが過半数に

この調査は国際資産情報会社、ウエルスX(Wealth-X)が毎年発表している「Wealth-X Billionaire Census」の2016年版だ。

資産総額のみで判断した場合、世界の資産保有者は5つの層にわけられることが多く、ビリオネアはピラミッドの頂点に位置する最も裕福な層とされている。

昨年から今年にかけて、この層は2473人、資産総額は7兆7000億ドルに拡大。2014年の2325人(7兆2910億ドル/約744兆9943億円)、2013年の2170人(6兆5150億ドル/約664兆9861億円)と比較するだけでも、かなりの急速度で成長していることがわかる。

こうした成長にともない、人数、保有資産ともに男女の富裕差がより拡大傾向にある。

ビリオネアの世界でも様々な変化が生じており、ひと昔前のように家族から財産を受け継いだ「ファミリー系ビリオネア」が減少。自ら起業して(セルフメイド)富を得たビリオネアが全体の56%で、1372人、資産総額4兆3400億ドル(約444兆6330億円)に達している。

女性でも294人中44%と、前年から9.4ポイント増しているとはいえ、全体的な割合から見るとほんの一握りだ。

社会進出を果たし、自らの手で巨額の富を築く女性は急増しているにも関わらず、男女の格差が広がっている原因なのだろう。