バランス型
(画像=PIXTA)

はじめに

インデックス投資に関する特集の2回目では、投資家から安定的な人気を得ているバランス型投資信託について解説する。バランス型といってもさまざまなタイプがあり、個々の人生設計や資産状況などニーズに応じて選ぶことが大切だ。

バランス型投資信託の種類

投資家向けに金融情報サービスを提供するモーニングスターのファンド分類では、バランス型とは、国内外の株式、債券、REIT(リート)のいずれかへの投資が「純資産の70%未満」、または他2種への投資が「純資産の10%以上」のファンドと定義されている。

さらにバランス型ファンドは、株式、REITの組み入れ比率によって「安定」(25%未満)、「安定成長」(25%以上50%未満)、「バランス」(50%以上75%未満)、「成長」(75%以上)に分類される。このほか、「ターゲットイヤー」と呼ばれ、当初は積極的な運用を行うものの、定めた年度に向けて組み入れ比率を調整し、安定運用に切り替えていくタイプもある。このようにバランス型投資信託とは、株、債券、REITの組み入れ比率や投資対象地域などによってさまざまな種類がある。

モーニングスター分類のバランス型は、投資信託協会が定める商品分類では「資産複合」にあたる。同協会のウェブサイトによると、資産複合とは主たる投資収益が実質的に、株式や債券、REIT、その他の資産を源泉とするものだ。

人気の背景

QUICK資産運用研究所が2017年12月に実施した調査によると、資産別でみた運用対象でバランス型は国内株式に次いで2位につけ、50~60代ではトップだった。運用方針別ではインデックス型(30.6%)がアクティブ型(13.7%)を上回った。モーニングスターによると、バランス型の純資金流出入額は2018年7月まで19カ月連続で資金流入超となった。

バランス型の人気の背景としては、投資の初心者でも手がけやすい点のほか、政府の後押しで個人の資産形成を促す制度が相次いでスタートしたことが挙げられる。NISA(少額投資非課税制度)の開始やつみたてNISAのスタートなどで、世代を問わず低リスクの長期投資に関心が高まっている。さらに、米中貿易摩擦といった金融市場に対する不安定要因が顕在化すると、リスク分散投資にさらに拍車がかかることもある。

バランス型投信の選び方