市場規模1兆円といわれるドローンが注目され始めたのは、日本ではこの2、3年のことである。ドローンは、アメリカ、中国、フランスが先行している。アメリカは3D Robotics、中国はSZ DJI Technology、フランスはPARROT。日本は技術がありながら出遅れている。

電動バイク、電動3輪を開発・設計・販売している年商30-40億円のベンチャー企業テラモーターズが、2016年3月にグループ企業テラドローンを設立した。徳重社長は昨年日本記者クラブでの記者会見で、変化の激しい時代では実行することが成功の道と強調して、「60%できたらGOサイン」と語った。ドローン事業は「黎明期」に入ったと判断したという。

後発の日本はハードよりソフト開発目指す

ドローン,テラモーターズ,徳重徹
(写真=PIXTA)

徳重社長によると、日本にはヤマハの農薬散布などアプリケーションとして、昔から技術がありながら、すでにこの1,2年で圧倒的に世界から後れをとった。御三家はすべてハードの企業であり、ほぼ勝負がついてしまった。同社長がテラドローンを設立して目指すのはアプリ開発やサービスプレーヤーになることだというのだ。

徳重社長は「ドローン産業の未来はPCと同じよう見ている。最終的にドローン産業は、PC産業がそうだったように競争が激しすぎて、ハードでは儲からなくなる。アプリケーションとかサービスプレーヤーのほうが良く、それを手がける。ハードは作らないとは言わないが、ハードを大量に誰にでも売るビジネスモデルは採用しない。大事なのは建築、土木、農業などクライアントの課題を、ドローンを活用して解決するツールを開発することだ。ハードは、ソリューション提供に伴うカスタマイズ、開発はあり得るというまでの発想だ」と語っている。

徳重社長は「空から次の産業革命を起こす」を旗印に、空撮、測量、点検、データ分析、運行管理などの産業向けに、ドローンサービスを提供する。具体的は土木測量、森林測量、橋梁や大規模施設のインフラ点検、洋上・陸上のオイル・ガス点検などの業務を国内外で展開する。同社はドローンを使うことで、「測量時間は10分の1、コストは5分の1」になるという。ビジネスチャンスは大きいのだ。

すでに200回以上の土木測量実績