現在のナイキのブランド商品活動

スポーツ用品のメーカーであるナイキですが、国内では他にもアディダスジャパンという海外勢と、アシックス、ミズノという国内勢があり、この4社のブランド力が上昇傾向にあります。その中でもナイキは、若者から支持を受けるその理由は斬新なデザインのスニーカーや、Apple社とコラボして商品開発するなどの巧みなマーケティング活動が理由と言えます。

近年のスポーツブランドへの影響

先に述べた4社は2009年にもそろって得点と順位を上げていましたが、この年3月にはWBCで日本が2連覇を達成したことから、全国が歓喜に沸いたことで各社もたびたびマスコミなどに登場しました。翌2010年はWBC効果が消えたことで評価が2008年以前の水準まで戻り、さらに2011年は東日本大震災の影響があったことで生活必需品や生活に密接なサービスを提供する企業のブランド力が上昇し、消費自粛ムードなどで4社は相対的に評価を落としました。アシックスを除く3社が総合得点で過去最低を記録し、順位は4社とも過去最低となり日本勢はともに170位台、海外勢も初めてトップ100圏外に転落する結果となりました。

ランニングブームの追い風

しかし近年、各社のブランド力が上昇傾向にあるのはどうしてかと考えると、健康志向の高まりによって定着したランニングやマラソンブームが追い風となっているのです。国内の関連市場は4社でシェアの大半を占め、市場拡大の追い風を受けて業績も好調です。若い女性を中心に本格的に取り組む愛好者が近年増加傾向にあり、ウェアやシューズをはじめとして関連用品にも優れた機能性だけでなくファッション性などの付加価値製品が人気を集めています。

独自性で勝負するブランド力

4社は海外勢がファッション性、国内勢は機能性が強みとなっていますが、アディダスやアシックスなどが主力とする中上級者向け商品が街中でも履けるおしゃれなランニングシューズとして女性や初心者を中心に人気を高めているなどの独自性の評価が特に高まっています。ナイキはその独自性の評価は他社に比べて頭ひとつ抜け出しており、アスリートのパフォーマンスを向上させるという自分たちのビジネスの原点を力強く見せています。人々がナイキに対して抱いているファッショナブルなイメージに合わせてトレンディでカラフルということでなく、ダイナミックな商品の原点の表現を行うようにしています。ビジネスの原点がぶれないページを作ることで、不変的なブランド・アイデンティティーを表現することが可能となり、消費者と長く信頼関係を築くことが可能になります。ナイキのイメージはカラフルなスニーカーを数多く世に送り出したことでファッショナブルという企業ではあるものの、スニーカーは運動靴であり、もともとは決して派手な商品ではありません。ナイキはプラットフォームを上手く使い分け、Pinterestでは、そのプラットフォームのデザインの関係上クールさの表現はしにくいものの、Instagramでクールさを訴求しています。