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2014年7月に発表されたフェイスブック(Facebook)の第2四半期の収益は、アナリストの予想を上回るものでした。売上高は前年同期比41%増の29億1000万ドル、純利益は7億9100万ドルとなっており、特にモバイル広告が好調です。一方、アクティブユーザーの伸びを見てみると日間アクティブユーザー数(DAU)は8億2900万人、月間アクティブユーザー数(MAU)は13億1700万人となっており、利用者の伸び率は全盛期ほどではないものの、それでも増加傾向です。さて、フェイスブックの好調な決算が続く要因とは何でしょうか?


利用者は頭打ち?世界のフェイスブック利用者数

フェイスブックが広告でさらに広告収益を広げるには、利用者数の増加が必須です。アメリカではフェイスブック離れと言われて久しいですが、実際の利用者数の分布はどうなっているのでしょうか。以下は、世界の月間アクティブ数ですが、2位から5位までは全て新興国です。(ちなみに、日本は14位で0.21億人になっています。)

1位:1.58億人 アメリカ (人口:3.1億人)

2位:0.72億人 ブラジル (人口:1.9億人)

3位:0.64億人 インド (人口:12.4億人)

4位:0.48億人 インドネシア (人口:2.5億人)

5位:0.43億人 メキシコ (人口:1.2億人)

引用元: 世界の6人に1人が8時間利用するフェイスブックの驚異

これを見ると、アクティブユーザーの多くが、中南米やアジア等の新興国にシフトしてきています。いずれは新興国でも「フェイスブック離れ」に見舞われるのかもしれませんが、フェイスブックは次の50億人を目標としています。通信インフラが未だ整備途中であるアフリカ圏などの国々へのアプローチです。通信網が整備されていない国向けに、データ転送量が半分以下となるアプリの開発を行っています。さて、利用者数を伸ばす一方で、フェイスブックがもう一つ掲げている広告戦略があります。それは、広告の面を自社サービス以外にも広げて行くということです。


好調な広告収益、ターゲティング広告を発表したフェイスブック

自社以外のサービスに展開する広告とは、デベロッパー向けのカンファレンスF8にて発表された広告ネットワークです。フェイスブックの持つ個人情報を利用して、サードパーティーが提供するアプリ内にてターゲティング広告を実現するサービスです。今でもフェイスブックにアクセスすると、年齢や地域、性別といったデモグラフィックを利用した広告や、友達の繋がりを利用した広告が配信されます。それが、外部のアプリにも適用されるようになるのです。広告主にとっては、従来のスマートフォン向けアドネットワークより効果が期待出来るのではないかと思います。2005年以降、日本でmixiが隆盛を極め、モバゲーが無料ゲームで急成長していました。事業全体の売上高は、ユーザーの直接課金を行ったモバゲーの方が上でしたが、一般広告主からの広告収益に絞るとmixiの方が上だったのです。これはサービスの特性によるもです。mixiは実名制ではありませんが、デモグラや趣味嗜好が把握し易いサービスです。一方のモバゲーは十代の若年層から利用が始まった匿名サービス(かつ、SNSというよりは、無料ゲームコンテンツがメイン)だったので、膨大なPV在庫の割には費用対効果が悪かったのです。