アリババの会社概要
アリババは、中国の電子商最大手の会社です。会長は、ジャック・マー氏で、彼は、全ての人がインターネットを身近に、信頼できるものにするという志をもって1999年にアリババグループを設立しました。アリババグループは、オンラインショッピングや、決裁サービス、企業間での取引サイトや企業と消費者を結ぶ取引サイト、クラウド・コンピューティングなど様々なサービスを提供しています。
中でもアリババの主な収益柱である。オンラインショッピングの「淘宝網(タオバオ)」と「天猫(Tモール)の合計取引額は、米オンラインショッピングの「アマゾン」と「イーベイ」を上回っており、先月の8月下旬に発表された決算の結果も2014年の4~6月期の売上高は、157億7,100万元(約2,660億円)と前年同期比より46%伸びて、純利益は、前年同期比の2.8倍と3倍近く拡大していました。
これは、スマートフォンなどのモバイル端末を使った買い物客が増加してきており、今回の売上に寄与しているのが理由とみているようです。中でもアリババグループの売上の8割強を占めるアリババ中国ECでは、半分近くの伸び率があり、高成長を牽引しています。今回上場は、9月の16日という予定で、9月の1週目には投資家向けに説明会を行う予定でしたが、説明会が延期になり、それに伴って上場はもう少し遅くなるようです。
自社の業績が好調な事や、アメリカ市場の好調さを勘案するとアリババの上場のタイミングはとてもよい時期になるようです。アリババグループは、日本ではソフトバンクが出資しています。ソフトバンクグループの一つでアリババ・ジャパンという会社で、日本で企業間取引などの海外支援サービスの事業を展開しています。アメリカでも、米ヤフーがアリババに出資しており、今回のアリババの上場で関連銘柄の動きも気になる所です。
アリババ上場でアメリカ市場の影響度は?
ダウ平均が最高値を更新したと思っていたら、つい最近S&P500も高値を更新しており、今アメリカのマーケットは、改善してきているとみる投資家が多い中でのアリババの上場になります。今回の上場は、アメリカ市場最大となる上場で、調達額は、フェイスブックを上回る150億ドル以上とも、200億ドル(約2兆460億円)ともいわれ、時価総額は1200億ドルほどになるのではないかといわれています。新人としてはかなりの大型株で登場するため、かなりの注目度を集めることは間違いないといわれています。
アメリカの市場にとってもこの上場は、影響を与える事になりそうです。今回のアリババが上場することによって、アメリカのハイテク関連株や、EC市場関連株だけが影響をうけるのではなく、巨大な資金がアメリカ市場に流れ込んでくるので、タイミングがよければ、さらにアメリカ市場の活性化にもつながることが予想されます。
ただ、電子商取引の企業にとっては、脅威になるかもしれません。特に、アメリカ市場の電子商取引最大手の「アマゾン」などは注目されると思いますが、アマゾンのCEOジェフ・ベゾスは、新たに上場してくる競合他社の存在に動じることはない、同社にとって大きく影響されることはないといっています。しかし、中国企業が、アメリカの市場にどのようにうけとられるか、やはりアメリカ市場になんらかの影響を与えることは間違いないと思われます。