貯金をするより今を楽しむ方が大事という人がいる一方で、自分なりに浪費しないように気をつけているのに、なぜ貯金ができないか分からない、という悩みを持つ人もいます。
年収が1,000万円を超える人は、ゆとりのある生活を送っていると見られがちですが、実はあまり贅沢をしていなかったり、貯金が少なかったりする人も多いのです。
年収1,000万円を超えて貯金ができないのは、自分が考えているほど手取り金額が増えていないのに、出費は増えてしまうことが原因の一つと言われています。今回は、具体例を交えながらその原因を紹介していきます。
年収1,000万円の税引き後の手取り
まず、年収が1,000万円になったといっても、可処分所得(手取り金額)を改めて計算してみると、年収ほどには増えていないことが分かります。具体例として、年収1,000万円と500万円を比較してみます。
手取り金額は、雇用形態や家族の人数、生命保険への加入、住宅ローンを利用しているかなどによって変わってくるので一概には言えませんが、年収500万円の人の手取り金額は400万円前後になることが多いようです。
一方、年収1,000万円の人の手取り金額は大体700〜800万円のレンジに収まるようです。このように年収が2倍になっても、単純に手取りが2倍になるわけではないことが分かります。この現象が起きる大きな理由のひとつとして、日本の所得税は累進課税になっていることが挙げられます。年収が高い人ほど税率が高くなるので、年収と手取り額が比例しないというわけです。
年収1,000万円でも貯金ができない理由とは
また、年収が1,000万円を超えると、立場の変化や責任感・見栄などから、自分では意識しないうちに支出が増えてしまい、それが貯金できない原因となっている場合があります。
例えば、よくあるのが、住居費が収入に比べて高すぎるケースです。家族への責任感、タワーマンションへの憧れなど理由はさまざまですが、住居費(賃貸の場合は毎月の賃料、持ち家の場合は毎月のローン支払い)が月々の手取り額の30〜40%もする場所に住み始める人もいます。
また、年収1,000万円を超えると、ある程度の地位や立場の人が多いため、若い頃に比べ交際費も知らず知らずのうちに増えていきます。社外の人との付き合いもあるし、部下の悩みを聞くため一緒に飲みに行くこともあるでしょう。こういった交際費は、20代ならある程度自分で調整できますが、立場が上がるにつれ意識して節約することが難しくなる項目でもあります。
同様に、地位や見栄から、年収や年相応のものを揃えるようにもなります。収入が増えても、Tシャツにジーンズでどこでも出かけるという人はいるかもしれませんが、ほとんどの人は新入社員の時とは違うスーツを買い、高級車に乗り、身の回りの物にもこだわり始めます。
手取り金額が、年収の上がり方ほどアップしないのに対し、知らず知らずのうちに必要になる出費は年収の上がり方並みに増えていきますので、実は貯金に回せるお金はそれほど増えないという現実があります。
年収1,000万円というと、その収入の多さから、貯金をしようと思えばいつでもできると思いがちですが、なぜ現在貯金ができていないか原因がわかっていないと、いつまでも貯金はできるようになりません。一度、自分の手取りは実際いくらなのか、昔と比べて出費が増えている項目はどこなのか、冷静に見直してみましょう。
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