水素エネルギー市場の現状

新たなエネルギー源として水素が注目されてきています。新エネルギー戦略は、アベノミクスの国家戦略の一つでもあり、これからの事業として大変注目されてきている市場です。水素をエネルギー源とする事によって原油などの資源の依存度が少なくなり、安定した供給ができるようになる事ができます。

水素は、石油のように限りある資源ではなく作り出す事ができるという点が大きい所にあります。また、石油をエネルギーとして様々な製造や用途がありますが、これを水素エネルギーに変えて使用することができます。しかし、水素エネルギーを利用するには、まだまだインフラ構築が課題となっており、政府の支援なくしては、このエネルギーの活用が難しいという状態です。


水素エネルギーがもたらす経済への恩恵

水素エネルギーの利用、活用の技術の適応可能性は幅広く、燃料電池自動車、家庭用燃料電池システム、船舶や鉄道などの輸送分野、水素発電などがあります。水素エネルギーがもたらす経済への恩恵効果は、日本だけで2030年に1兆円程度、2050年には8兆円に膨らむとの予想をNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が「新エネルギー白書」の中で水素エネルギーがもたらす経済効果について試算しています。

経済への恩恵だけでなく、自動車の排気ガス等でCO2の問題が、特に新興国で問題となっていますが、水素自動車を利用することでCO2量が圧倒的に減らす事もできます。環境にも大きく貢献できる事が予想されます。日本だけの試算ですが、今後深刻な排気ガスに悩まされる新興国などへの輸出が可能になればもっと広がる可能性があります。

日経BPクリーンテック研究所は、世界の水素インフラの市場規模は、2030年には40兆円、2050年には160兆円になるとの予測をおこなっています。これは、現在主流である家庭用燃料電池に加え、水素ステーションの設備により、燃料電池自動車からはじまり、水素を利用した発電の導入によって拡大することが見込まれているといわれています。