【なぜスイス金融は有名なのか?】

スイスの銀行がなぜ有名かと言うと、匿名性や守秘性が高いのが一番の理由です(番号口座という口座の名義が表示されない口座を開設することも可能)。特に、プライベートバンキングビジネスは先進国であれば、ほとんどの国と地域で行われていますが、スイスのプライベートバンクはその最先端を常にリードしてきました。いわゆるプライベートバンクのサンクチュアリとも言われる場所です。

【スイス金融の特徴】

以下が、スイスバンクがプライベートバンキングビジネスにおいてその頂点に君臨した理由です。

口座の顧客の身元を知っているのは担当とごく一部の上層部だけで、口座番号が漏れてもそこから身元を割り出すことはできない。

入金は口座番号さえ知っていれば誰にでもできるが、万が一入金先を間違えると、守秘義務により、振り込んだ金は返って来ない。

プライベートバンクにおいて、顧客は来訪の前に申請し、必ず決められた時間に来訪しなくてはいけない。他の顧客や自分の口座の担当以外の従業員との接触を避けるためである。エレベータは担当が待つ階にしか停まらないようにしてあり鍵も備えられている。

秘密口座では有価証券を除けば預金の引き出しの 6 週間前に申請しなくてはならない。また、公共料金支払いや給与振り込みは取り扱っていない。

口座維持費もかかることから最低預金は 1000 万円ほど ( 為替相場にもよる ) 預けなければならない。

以上 Wikipedia 「 スイス金融 」より引用。


【スイス金融の衰退】

北朝鮮の金正日氏も生前スイスの銀行に巨額の財産を隠しているとの噂があったようです。しかし、その他の有名人物のケースも含め、スイスの銀行法によりスイスの銀行は法的に犯罪が立証されない限り情報を開示できないため、実際に判明した事例は少なかったそうです。

しかし、フィリピンのマルコス元大統領の不正蓄財の発覚と返還をきっかけに、退任したり逝去した国家指導者や独裁者の不正な蓄財が明らかになるケースが増える傾向にあるそうです ( 北朝鮮の金正日氏の資金はスイスからルクセンブルクへ移ったという噂もあるようです ) 。

しかし、こうしたスイスやルクセンブルクなどのインセンティブは、上記で述べた秘密性に対するアメリカやヨーロッパからの圧力により徐々に失われ、これらのオフショア国から資金が流出しています。

参考: スイス、米当局にUBSの約 4450 口座情報を引渡しへ


【スイス金融の受け皿となった香港とシンガポール】

2009 年以降の世界的な規制強化以降に、その資金の受け皿になったのが、シンガポールや香港です。 2009 年以降、スイスから多くのバンカーがシンガポールや香港にその活動の地を移し、スイスで行ってきたビジネスを続けてきました。しかし、この数年はシンガポールや香港にも欧米からの規制の手が伸びてきており、プライベートバンキングのマネーは新たな場所へ流れていくことが予想されます。

今後も、この流れに関してはアップデートしていきたいと思います。

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