光熱費の削減は工夫次第

東日本大震災による東京電力の原発事故により、電気を始め、エネルギー関連が大きく動いてきた。発電にはもっとも効率的であると言われている原子力発電所が全国でストップし、代わりに再生可能エネルギーが台頭が目立っている。

特に太陽光発電には多額の補助金が付与され、産業用太陽光発電においては「やれば儲かる」というイメージを与えるほどの固定買取価格(平成26年度においては10kW以上の場合、「1kWあたり32円+税」が20年間固定)が設定されている。

原子力発電所の停止、及び再生可能エネルギーの躍進の影響は、我々の生活にも影響を及ぼしている。その顕著な例が電気料金の値上げだ。これにより多くの企業が光熱費の上昇に頭を悩ますようになり、特に電気を大量に利用する業種では事業運営に支障をきたすほどになっている。ただ、光熱費は省エネルギー機器を導入するなど工夫次第で、ある程度抑えることができる可能性もある。ここにビジネスチャンスを感じている企業が次々にEsco事業に参戦している。


エスコ事業とは

そもそもEscoとはEnergy Service Companyの略称で、主に工場やオフィスを利用している企業、マンションなどの管理組合等に対して省エネルギーの提案を行い、これらの顧客にエネルギーサービスを包括的に提供するというビジネスとなっている。「包括的に」という意味合いは、ただ省エネルギーになる機器を提案するだけでなく、まず省エネルギー診断後、提案した内容を導入するための設計・施工、導入設備の保守や運転管理、省エネルギー効果の保証、省エネルギー効果の計測と検証、改善提案、さらには事業資金の調達などまで含む。

提案を受けた企業からしてみれば、自ら労力をかけることなく、光熱費を削減することができ、さらにはその維持運営まで任せることができる。Esco事業者は顧客が提案した省エネルギー機器を導入したことによって削減することができ、光熱費の一部を報酬として受け取ることで収益を上げる仕組みだ。また、ファイナンスをかませれば、初期費用を負担することなく、設備の導入ができ、さらには補助金や助成金をもらえる場合もある。


エスコのメリット

Esco事業者から提案を受けた側のメリットは主に次のようになります。

1)光熱費を削減することができる
2)包括的な管理運営を任せられる
3)省エネルギー効果の保証がある

一番、大きなメリットは「光熱費を削減できる」ことだ。光熱費はランニングコストとなるため、毎月の削減額がわずかであったとしても複数年に渡れば相当なものになる。しかも投資リターンとは異なり、当初に「削減できるはずの光熱費」という形でコスト削減すなわち利益のアップが期待できる。

万が一、期待通りの削減ができなかったとしても3)で掲げたように省エネルギー効果の保証をするパフォーマンス契約を結ぶので、一定のレベルの効果が得られる。また、「包括的な管理運営を任せられる」というのも大きなメリットです。大型設備機器になると専門知識を持った人材が必要になる場合もあるが、この部分をアウトソーシングでき、効果の報告も定期的に受けることができるため導入企業の負担は少ない。