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東急不動産と鹿島建設が発表した『竹芝地区都市再生計画』

10月29日、東急不動産 < 3289 > と鹿島建設 < 1812 > は東京都港区海岸1丁目(竹芝地区)の複数の都有地を約70年間の定期借地により有効利用する「都市再生ステップアップ・プロジェクト(竹芝地区)」の概要を発表した。同プロジェクトは、計画地に超高層オフィスビルや集合住宅を建設し、東京都立産業貿易センターの建て替えにより、官民連携の産業振興と賑わい創出を図る。また、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科(KMD)と国内外トップ大学の連携による共同研究機関を誘致し、日本のコンテンツ産業の育成や国際競争力強化等に貢献していく。同プロジェクトはオリンピック開催前に完成予定だ。


国内建設業者全体が増収傾向

アベノミクスで公共事業が回復し、東京五輪特需などで景況感が高まっている建設業界。『2013年度主要上場建設会社の受注・業績動向調査』によると主要上場建設企業では約8割が増収となっているが、未上場建設企業も71.3%が増収となっており、2013年度の活況がうかがえる。

また、帝国データバンクが10月30日に発表した、『2013年度 未上場建設業者5,507社の経営実態調査』によると、建設企業の倒産件数は今年9月、過去最長となる24か月連続での前年同月比減少を記録した。2013年度の未上場建設企業5,507社の売上高合計は21兆4,126億円、前年比9.5%増と1割近い増加となり、2012年と比べ増収となった企業は5,507社中3,925社にのぼることが判明した。


中小企業にしわ寄せがくるアベノミクス

しかし、中小建設企業からは人手不足や資材価格の高騰による収益性の悪化が指摘されている。未上場建設企業の売上総利益は、増益企業は3,411社中1,644社で構成比は48.2%にとどまった。主要上場建設企業の約9割が増益を示したのに比べて、未上場建設企業の半数強が減益を示しており、受注増が必ずしも収益向上に結びついていないことがわかる。また、現場人件費等の工事関連費用では調査対象2,557社の平均は60.5%と4期連続で増加するなど、案件増があっても人手不足による人件費の高騰などが収益率低下の要因になっている。


疲弊する中小企業…『収益性』の改善がカギ

アベノミクスや消費増税前の駆け込み需要の影響などから、国内建設企業全体で増収傾向にあるものの、収益性の観点からみると、人手不足や資材高に加え大手の選別受注を背景に、地方圏や中小建設企業で原価率や労務・外注費率が大きく上昇している実態が判明。
日本には中小企業が約430万社、全企業の99.7%もあり、約2800万人と雇用の7割を支えている。好況下でも、中小建設企業にとっては十分な価格転嫁が難しい状況だ。また、財政出動や度重なる金融緩和主体で急速な景気回復を目指す政府方針は、大規模業者の収益改善のしわ寄せとして、結果的に中小業者の収益を圧迫させてしまっている。中小企業は規模が小さい分体力にも限界があり、経済のグローバル化や金融システム不安といった急激な経済環境の変化などの外的要因によって経営が左右される面がある。株価の上昇や大手輸出企業など大企業が最高益を出すなど好業績が相次ぐ中で、中小企業や零細企業は疲弊している。
今後、アベノミクス効果が中小業者の収益性を改善するまでに波及し、建設業全体の浮上につながっていくかについては、慎重に動向を注視していく必要がある。

(ZUU online)

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