個人情報の流出や不正請求などさまざまな被害を生じさせかねない情報漏えい問題。その影響が、ベネッセホールディングス(ベネッセ) <9783> の業績にも現れてきている様子だ。2月6日に発表されたベネッセの第3四半期決算でも、前年同期比で8割以上の減益と甚大な影響を与えた格好だ。

同社の発表によると、ベネッセの3Qの売り上げは3572億7600万円となり、前年同期比で0.3%増とほぼ横ばい。営業利益では、409億8700万円と前年同期比で16%増となり、経常益も403億4000万円と15.6%と事業業績の推移そのものは、順調だ。

しかし、同社の3Q純利益はというと、36億4600万円と、82.2%の減益となった。同社は理由として、情報管理体制を強化するための対策費として260億円を特別損失として計上したことを挙げており、情報漏えい事件の影響の大きさを窺うことができる。

ほかにも、決算資料の中で、「『個人情報漏えい事故調査委員会』を設置し、事実調査・原因究明のもと、再発防止策を策定。引き続き全力をあげて被害拡散防止に努める」などとし、経営にも大きな影響を与えていることが浮き彫りになっている。

さらに、ベネッセは、情報セキュリティソリューションを提供するラック <3857> と、情報システムの保守や情報セキュリティのコンサルティングを行うベネッセインフォシェルを新たに設立するなど、情報セキュリティ体制の強化を図っている。

大きな社会的問題にまで発展した情報漏えい事故だっただけに、経常益の大幅な悪化や新会社の設立など、大きく響いていることは明らかと言ってよさそうだ。

(ZUU online)

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