総合マーケティングビジネスの富士経済の中国の現地法人である中聯富士経済咨詢有限公司は、拡大する食材・加工食品13分野72品目の中国国内市場を調査しその結果を発表した。詳細結果は報告書「中国有望食材・加工食品市場の全貌 2015」にまとめられている。

同社の調査によると、中国は、習指導部の「新常態」が具体化する一方で、経済の成長鈍化が危惧されているものの、食材・加工食品市場は、中間所得者層の急増に伴う内需拡大によって成長が加速している。また、嗜好の多様化により輸入や新商品開発が活発に行われており、2015年は二桁成長が予測されるとしている。

また、都市部を中心にCVSや高級スーパー、ショッピングセンターなどが急速に増えており、食材・加工食品の扱いは中華系だけでなく、欧米や日本、韓国系も一般化し、中間所得者層の食生活に普及し始め、棚割りは常温中心から冷凍やチルドコーナーが徐々に広がっている。また、都市部では一人暮らしや核家族化が進んでおり、今後は個食対応や中食に対する需要が伸びると予想される、とした。

分野別にみると、アルコール飲料では、白酒やウイスキー、ワインは公務員の公費での飲食禁止から、2013年以降、中・低価格品の需要が伸びている。調味料、調味食品では、業務用が外食機会の増加、市販用が家庭での食習慣の変化を背景に市場が拡大、特に、調味食品はその利便性から近年は年率20%程度の市場拡大を続けている。清涼飲料では、清涼感があり、ビタミンやポリフェノールなどを含む茶系や果汁飲料が好調、コーヒーの需要も伸びている。菓子類は、消費者の所得向上に伴い需要が伸びており、各メーカーは新商品の開発・投入を進めている。

また、注目市場として、鍋つゆ、焼肉、丼物のたれ等の「たれ類」(2015年予測83億元/前年比109.2%)、「茶系飲料」(同1150億元/前年比115.0%)、「バター」(同61億元/前年比117.3%)を挙げている。

注目市場を扱う日系企業ではエバラ食品工業 <2819> が2015年3月期から始まる中期経営計画で海外事業強化を掲げ、すでに荏原食品(上海)有限公司 松江工場を稼働させるなどしている。また、伊藤園 <2593> も2012年9月に伊藤園飲料(上海)有限公司を開設、中国をはじめとするアジア市場に力を入れている。

(ZUU online)

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