米国経済は、世界経済や金融市場に大きな影響を持ちます。
新聞やニュースで「昨日、米国で雇用統計が発表され市場を大幅に下回りNYダウは300ドル急落しました。それを受け、本日の日本の株式市場でも全面安となっています。」とか「CPI(消費者物価指数)が発表され米国でインフレ兆候が出始めました。そのため、米国での利上げ観測から、日本円は対ドルで円安にふれいます。」なんてフレーズを聞いたことがある人も多いのではないのでしょうか。
米国には20種類以上もの主な指標が存在しますが、今回は各々の経済指標についてまとめてみたいと思います。
【マクロ景気】
- 国内総生産(GDP)
- 雇用統計
- 新規失業保険申請件数
- 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
- 景気先行指数
- 労働生産性指数
- 耐久財受注高
【製造・サービス業景気】
- ISM製造業指数
- ISM非製造業指数
- フィラデルフィア連銀指数
- 鉱工業生産指数
- 製造業受注高
【消費マインド】
- 小売売上高
- 個人消費・所得統計
- ミシガン大消費者信頼感指数
- 住宅着工件数
- 新築住宅販売高
- 中古住宅販売高
【物価動向】
- 消費者物価指数(CPI)
- 生産者物価指数(PPI)
- 輸入物価指数
【その他】
- FOMC(連邦公開市場委員会)
- 貿易収支
- 対米証券投資
それぞれカテゴリー分けすると大体以上のようになるかと思います。
そして、筆者の意見ですが、この中で特に重要であるのが以下の4つだと思います。
【雇用統計】
雇用情勢を示す経済指標。米国労働省が毎月第一金曜日に発表。10種類以上が発表されるが、重要なのは非農業部門就業者数と失業率の2つ。第一金曜日の前には、投資家は一度保有しているポジションを手仕舞う動きがあるほど。この統計結果を受けて、株式・債券・為替市場が大きく動くこともしばしば。最も重要な指標である。
【消費者物価指数(CPI)/生産者物価指数(PPI)】
それぞれ消費者と生産者の視点から商品やサービスの物価の変動を時系列的に測定するもの。この結果からインフレ(インフレーション)やデフレ(デフレーション)の圧力を測ることが出来る。インフレ圧力の兆候があれば、FOMCは利上げに踏み切る可能性が高まり市場では金利が上昇する(結果として為替市場では米ドルが強くなる)。逆にデフレ圧力があれば、利下げ又は利上げが遠のく可能性が高まり、上記とは逆の結果となる。
【ISM製造業景気指数】
日本の日銀短観に類似した指標であり、ISM(全米供給管理協会)が発表する製造業の景況感を示す指数。製造業が支えてきた米国経済にとって、製造業の景気動向は全体経済に大きな影響力を持つ。景気先行指数の一つである。
【新築・中古住宅販売件数】
文字通り、住宅の販売件数の指数。特に米国の場合、中古住宅市場の規模が新築住宅市場より大きい為、中古住宅販売件数の方が住宅指標の先行指数として注目されているのが特徴。
以下、米国の経済指標に着いて参考になるリンクを上げておきます。
・
マネックスラウンジ 米経済の「今」を読む -経済指標動向-
・
海外指標一覧-米国:経済データ-トレーダーズ・ウェブ(株式情報、FX情報)
・
経済指標 週間予測・速報カレンダー|FX 外為どっとコム
参考)エコノミスト2012.9.18 P28~P29
By YU
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