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日本の経済や社会への先行き不安、相続税対策、物価水準が異なることによる生活水準の改善、純粋な欲求等の理由で、日本を出て海外で生活をしたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。

今回は、特に退職後の生活を海外で送ることに関心のある方に向けて、オセアニア・北米・アジア・中南米・欧州ごとにそれぞれの地域で移住先として人気の高い国の概要や、移住の手続き(査証や永住権、不動産の購入になど)についての比較を簡潔にまとめました。

オセアニア

南半球の温暖な気候や、移民国家が多く、移住に関して寛容である事から、人気の高い地域です。
ある程度の経済力を持った国が多いにも関わらず、日本と比較して物価が比較的安い事も魅力です。

【ニューカレドニア】

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「天国に一番近い島」と呼ばれ、観光客からの人気も高い島です。

①概要

人口:24万人
面積:1.9万k㎡
首都:ー(フランスの海外領土のため存在せず)
宗教:キリスト教(カトリック)
言語:フランス語・英語

・フランスの海外領土で、憧れる日本人の多い別名「天国に一番近い島」。

・日本からの距離は約7000km。公用語はフランス語だがホテルやレストラン、免税店等では英語でも通じる。

・住民の9割がキリスト教徒(6割がカトリック宗派、3割がプレテスタント宗派)だが、土着のアミニズム的な伝統が色濃く残り、森や洞穴などを神聖な魂や聖霊が宿る場所と大切にする文化もある(日本人の宗教感覚に近い)。

・亜熱帯気候に属し、年間平均気温24℃前後で初夏のさわやかさが1年中続く。大変過ごしやすい。

②観光査証、または長期滞在

・査証免除の滞在期間は30日、保証人さえいれば、3ヶ月まで現地での滞在延長手続きが可能

③永住権やリタイアメント査証など

・フランスのリタイアメント査証が適用されるが、海外領土の場合はニューカレドニアを指定して申請する必要あり。

・年齢や金額の指定はないが、生活するのに充分な年金、または金利収入等がある人が対象。

④不動産の取得

・コンドミニアムなど共同住宅除く「土地付き住宅」は当局への事前申請による審査と許可が必要。ただし、メヌア等の都市部に限られ、原住民が所有、または管理する土地は不可。

⑤生活・治安・その他

・他の太平洋の小さな島々と同様、島国であることから輸入コストが高いため、物価は高めだが、治安が良い事で知られている。

・現地の方が神聖視している土地なども多いため、その様な場所には無遠慮に立ち入る事の無いよう気をつけたい。

駐日フランス大使館のホームページ

【ニュージーランド】

Maré island New Caledonia

ファームステイで知られる牧畜国であり、オーストラリアよりも素朴である事が魅力的と言われています。
近年では中国系移住者からの人気が高い模様。

①概要

人口:437万人
面積:27万k㎡
首都:ウェリントン
宗教:キリスト教(国教会)
言語:英語、マオリ語

・北島と南島の2つの主要な島と多くの小さな島々で構成される。

・気候はほぼ全土が西岸海洋性気候に含まれ、夏は涼しく、冬の強烈な寒波もない。1年を通して温暖な気候であるが、北島/南島ともに多くのスキー場があり、世界中からスキーヤーが訪れ、また南島には温泉も多い。

②観光査証、または長期滞在

・査証免除で90日間の滞在が可能。それ以上は訪問査証に切替える事が必要。

・訪問査証は、18ヶ月以内で合計9ヶ月の滞在が可能、連続して9ヶ月を満了すると、残りの9ヶ月を経ないと再入国出来ない。

③永住権やリタイアメント査証など

・移民国家のため、様々な移住制度があるが年々厳しくなってきている。

・リタイアメントビザはあるが、投資家向けに提供されている。

④不動産の取得

・日本と同様に、土地と住宅の自由な売買が行われている

⑤生活・治安・その他

・生活費は日本と同じ水準か、少し安い程度。

・治安は比較的良好だが、地域に寄っては路上者を襲撃する粗暴事件や凶悪事件が多数発生しており油断は禁物。

・失業率は低い(6%)が、就業率も低い(50%程度)。消費税率は高い(12.5%)が、相続税/贈与税率は低く、社会保障は移住者に対しても充実している。

駐日ニュージーランド大使館のホームページ

【オーストラリア】

オーストラリアは、日本人の移住先として大変人気が高い国です。
特に西オーストラリアのパースの人気が最も高く、日本人にとって最も住み良い街と言われています。
ただし、移住の条件が年々厳格化してきています。

①概要

人口:2215万人
面積:769万k㎡
首都:キャンベラ
宗教:キリスト教(カトリック)
言語:英語

・ほとんど1年中穏やかな気候に恵まれているが、大陸の面積が広大なため、場所によって気候は大きく異なる。

②観光査証、または長期滞在

・短期観光査証は3ヶ月まで、延長は不可。

・長期観光査証は3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月の3種類。

③永住権やリタイアメント査証など

・移住国家のため、様々な制度はあるが、年々厳しくなっている。

・以前は年金受給者であればリタイアメントビザが取得出来たが、現在は数千万円の資産を持つ投資家向けのものに変更された。

④不動産の取得

・所持する査証資格により、制限がある。

⑤生活・治安・その他

・生活費は日本と同じ水準か、少し安い程度。

・比較的治安は良いが、都市部の一部では治安が悪い地域もあるので注意が必要。

駐日オーストラリア大使館のホームページ