東芝はグループ子会社の中に上場している東芝テックといった子会社もあるため、あわせて決算発表を延期。現在進行している期である2015年3月期だけでなく、それ以前の業績も修正を行う可能性もあるとしている。問題発覚前には15年3月期の連結営業利益予想は3,300億円で25年ぶり最高更新、純利益も前期比2.4倍の1,200億円と、好業績を見込んでいたが、思わぬ問題発生で予想を取り下げることになった。予定していた期末配当もゼロとなる。


上場企業の不適切会計は過去にも

上場企業では過去にも似たような出来事があった。2011年に起きたオリンパス <7733> 事件である。不透明なM&Aと、10年以上もの長年にわたる巨額損失を先送りする、「飛ばし」と呼ばれる不適切な会計処理を行ったことが判明。過去5年にわたり決算を修正している。

同じく東証一部上場の個別指導塾大手「リソー教育」 <4714> は2008年以降、「粉飾決算」を行っていたことが判明している。第三者委員会によれば過去6年半で83億円の売上を過大に計上しており、昨年4月に金融庁から4億1千万円の課徴金の納付を命ぜられている。

しかし、オリンパスは現在でも東証一部に上場しており、リソー教育もオリンパスと同様に上場廃止にはなっていない。投資家の注意を喚起するため、内部管理体制の改善がみられるまで「特設注意市場銘柄」に指定されている。


巨大企業ゆえの影響懸念

東芝はグループ企業も多く、東芝テック、東芝プラントシステム、そして西芝電機といった上場している子会社をいくつも抱えている。連結決算を行っているため、今回の不適切会計の影響は、自社だけでなくグループ全体に、さらに複数年度にわたり決算修正を迫られる可能性が高い。大企業であるがゆえに、その影響は広く深く、深刻だ。問題は拡大、長期化する恐れもある。

第三者委員会等による徹底的な調査と原因の解明、不正や不適切処理を繰り返さない体制づくりが望まれる。延期された決算発表を待ちたい。(ZUU online 編集部)

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