アメリカの利上げに世界が関心を寄せる一方、アメリカ以外の主要国では金利引下げラッシュとなっている。ECB(欧州中央銀行)は2014年6月5日に政策金利を過去最低に引き下げるとともにマイナス金利政策の導入も決定。スイス、スウェーデンなどでは2014年から2015年に実施した利下げにより政策金利がマイナスとなっている。

日本でも大胆な金融緩和が実施されている。デフレ脱却のためにインフレターゲットを設定し、これが達成されるまで積極的な金融緩和を行うとしている。

金融緩和とは簡単に言ってしまえば、市場にお金をジャブジャブとあふれさせることだ。大量に出回った円は価値が下がり安くなる。昨年10月31日に日銀が追加緩和を発表した時は為替相場にも大きな影響を与え円安が加速した。

アベノミクスによる金融緩和政策は円安、株高を招き、日経平均は4月に15年ぶりに2万円を超えた。これはプラス材料のように思えるがしかし、世界的に有名な投資家のジム・ロジャーズ氏は、金融緩和の果てにはハイパー・インフレが待っていると警告する。

「今回の日本銀行が行った金融緩和策のように無限に紙幣を刷り続けて成功した例は世界中で一つもない。最期はハイパー・インフレになるのが目に見えている」と語っている。

ハイパー・インフレで通貨が紙くず同然に

ハイパー・インフレが起こるとどうなるのか、実際の例を見てみよう。

アフリカのジンバブエでは、ムガベ大統領の独裁によって経済が大きく混乱。2008年には2億3100万%という天文学的なハイパー・インフレに見舞われ、通貨は文字どおり紙くず同然になった。大規模なデノミも実施され100兆ジンバブエ・ドル紙幣が発行されるという異常事態に。このようなハイパー・インフレ状況下では当然、国の経済活動はマヒ、国庫金の残高は217ドルにまで落ちた。ジンバブエ・ドルは2015年6月に通貨廃止が公式発表され、米ドルに交換する場合のレートは、1米ドル=3京5000兆ジンバブエ・ドルだという。

ここまで驚異的な数字ではないものの、アルゼンチンは1989年には約5000%というインフレ率を記録している。また、ソ連崩壊後のロシアでも大規模なインフレが発生。1992年のインフレ率は約2500%にもなった。

このように、ハイパー・インフレは決して絵空事ではない。ジンバブエの例はわずか7年前の出来事だ。多大な借金を抱える日本がハイパー・インフレに見舞われる危険性を指摘する声は少なくない。

おにぎり1個100万円という日が来るかも!?

ハイパー・インフレとは、お金の価値が暴落することだ。お金の価値が下がると、相対的に物の値段は上がり、市民生活を直撃する。もし、ハイパー・インフレで物価が前年比50倍に上がったとすると、1個100円で買うことができたリンゴが、翌年には5000円出さないと買えないことになる。預金が1000万円あったとしたら、実質的には20万円まで目減りするということだ。

先に例を挙げたジンバブエではレストランでの一回の食事代が600万ジンバブエ・ドルというとんでもない額になったという。日本でもコンビニのおにぎりが1個100万円という日が来るかもしれない。そうなるとコンビニでちょっと買い物をするだけでもバッグに大量の現金を詰め込んで行かなければならなくなる。

FXで円資産の暴落をリスクヘッジ

日本がハイパー・インフレになれば円の価値は暴落するので、今までに経験したことのない強烈な円安になる可能性がある。これに対抗するのに最も有効とされるのが外貨の保有だ。円以外の通貨を持つことで円資産が紙くずになるリスクをヘッジできるというわけだ。外貨運用の手段もいろいろあるが、資金効率のよさ、複数通貨への分散のしやすさ、ツールの豊富さなどを考えると注目したいのはFXだ。

とはいえ現状はすでにかなり円安が進んでおり、短期的には円高に振れる可能性もある。

「円が紙くず同然になる危険性や、それを回避するためのFXの有効性はわかるけど、今から外貨を買ってホールドしておくだけいいのか」と不安を抱く人もいるだろう。

そこで活用したいのがシステムトレード(シストレ)だ。これならエントリーから決済、損切りまで、あらかじめ組み込まれたルールどおりにシステムが自動的にトレードを行ってくれる。将来的なハイパー・インフレに備えながら、足元の為替差益を狙うことも可能だ。シストレというと難しいイメージがあるかもしれないが、あらかじめ搭載されたストラテジーを選ぶだけですぐに始められる便利なツールもあるのでぜひ利用したい。

ジム・ロジャーズ氏は、リーマンショックを超える悲劇が2016年、17年にも起こりえると予想している。兆しが見えてから手段を講じるのではもう遅い。1ドル=500円、1000円になる日はすぐそこまで迫っているかもしれない。手遅れにならないうちにFXを始めてみてはどうだろう。

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