「世界のイノベーティブな国ランキング」が発表され、日本は19位、アジアでは4位に選ばれた。果たして本当に日本がイノベーションが起きている国なのか疑わしいが、ともかくトップ20には滑りこんだ。

このランキング「グローバル・イノベーション・インデックス」は、イノベーションを様々な角度から分析し、長期的な経済成長指針を提供する目的で、世界141カ国・地域から収集した豊富なデータベースに基づいて、コーネル大学、INSEAD、WIPO(世界知的所有権機関)が2007年から毎年発表しているものだ。

2015年版は、合計7つの主要項目(組織、人材開発、インフラ、史上水準、ビジネス水準、知識及びテクノロジーのアウトプット、クリエイティブ・アウトプット)を評価基準に採用している。

20位から11位 アジアからは日本含む3カ国がランクイン

まずは20位から11位までを見てみよう。

20位 ノルウェー
19位 日本
18位 オーストリア
17位 オーストラリア
16位 カナダ

15位 ニュージーランド
14位 韓国
13位 アイスランド
12位 ドイツ
11位 香港

日本は昨年から2ランクアップの19位。オンライン・クリエイティビティーを始めとした「クリエイティブ・アウトプット」面では改善を要するが、「組織」や「インフラ」は概ね高く評価されている。

ご近所の香港と韓国は共に世界ランキング11位と14位、さらに東南アジア地域ランキングでは、シンガポールに次いで2位と3位の座を獲得した。香港はとりわけ「組織」への評価が非常に高く、「規制環境」と「ビジネス環境」のが飛びぬけている。「知識とテクノロジーのアウトプット」が弱点のようだが、そのほかの主要項目は全て平均以上だ。

韓国も「組織」が一番の強みとなっているものの、日本同様、「クリエイティブ・アウトプット」が最大の弱みとなっている。

10位から1位 欧米並ぶ中、シンガポールがランクイン

残りトップ10は以下の通りである。

10位 デンマーク
9位 ルクセンブルク
8位 アイルランド
7位 シンガポール
6位 フィンランド

5位 アメリカ
4位 オランダ
3位 スウェーデン
2位 イギリス
1位 スイス

4年連続1位となったのはスイス。安定した政治基盤が最高評価に直結しているものと思われる。またビジネス環境や規制環境も申し分なく、すべての項目で平均以上の評価を受けている。

また「規制環境」と「規制の質」が一番の強みのイギリスが2位。大学の業績、学術論文の影響力、特許出願などを指針に評価する「改革の質」という項目でも、アメリカに次いで2位に選ばれている。弱点は「インフラ」「新知識の吸収」「無形資産」のようだ。3位のスウェーデンは「法規範」と「規制環境」で高評価であったが、生産能力という点では上位2カ国より遥かに出遅れているという結果に。

昨年同様、総合的に上位は高所得国が独占しており、他属国を寄せ付けない「経済革命」の勢いが感じられる。また欧州国が多数上位にラインクインしているという点も、昨年と変わらずだ。しかし今年度の評価では、微妙な変化の兆しが見られる。ここには記さなかったが、29位の中国や32位のマレーシアが、人材開発や研究開発の資金調達を含む4項目では上位の国と張り合うなど、特に高下所得国と高中所得国の差が縮まりつつあるのが特徴だ。(ZUU online 編集部)