(写真=ZUU online編集部)
10月4日の「投資の日」記念イベントから、片山晃、杉村太蔵、内藤忍の個人投資家3氏のパネル討論をお届けする2回連載の最終回。前回に引き続き、内藤氏が一般の人にお薦めする投資法から、25億あっても片山氏がなぜ投資を続けるのか、郵政3社上場を3氏はどうとらえているのかなどをお届けする。
バフェットも薦める一般人向け投資法
内藤氏は「ほとんどの投資家って言うのは自分の能力を過剰評価するんですね。俺はできる、っていう人はたくさんいるんですけどほとんどの人は半分以下なんです」と指摘する。
これは、稀代の投資家ともいわれるウォーレン・バフェット氏も同じことを言っているそうだ。バフェット氏は本当に惚れ込んだ銘柄に集中投資をして財を築いた投資家だが、「個人投資家にどういう投資を薦めるか」を尋ねられると、「インデックス投資を勧める。なぜなら、私は特別だから。普通の人が私のまねをしたら大やけどするよ」と答えた。
内藤: 私は金融商品には3つ大事なことがあると思っています。「コスト、コスト、コスト」ですよ。ETFとかインデックスファンドみたいなものを使って平均点を取りに行くほうが、金融商品はいいんじゃないかなと思います。
個別銘柄には分析力や執着心が必要
内藤氏にはバブルの頃、新入社員のときに株を買ったら4倍ぐらいになった経験があるという。「これはもう10倍、20倍になる」と思っていたが、海外にでかけている間に買った値段より下がっていた。そこから、「個別銘柄っていうのは能力のある人とか、ずっと徹底的に分析できる分析力や執着心がある人じゃないと難しいんじゃないか」と思うようになった。
内藤: イギリスの年金運用の会社に転職したときに学んだことは、長期分散投資です。資産をいろんなところに分散させて5年10年でもうかる方法をとっていったほうがいい。日本株ばかりではなく外国の債権とか不動産とかREITとか金とかいろんなものに投資をして分散させたほうが、何十倍にはならないかもしれませんが、杉村さんと同じくらいの8%くらいはがんばったらいくんじゃないかと。しかもあまりドキドキしなくて済む。
内藤氏は最近、ワインや現代アートへの投資を始めたという。今日買って明日上がるものではないが、5年10年20年後に何十倍に値上がりする可能性がある。もし、値上がりしなくてもアートなら部屋に飾って楽しめばいいし、ワインなら飲んで楽しめばいい。現物投資には、「二つの出口戦略がある」と説いた。
これを聞き、7年半で65万を25億に増やした片山氏は、「やっぱり資産を運用する目的って最終的にそれぞれあると思っていて」と切り出す。「言葉の遊びみたいになるかもしれませんが、『運用』をしたいのであれば、ロジカルでシステマティックにやっていったほうが心も満たされるしトータルにおいて豊かになると思う」との見解を示した。