トヨタ自動車は2020年までに自動運転システムの実用化を目指す意向を明らかにした。それまでの間、同社の量産型モデルに次々と関連技術を採用する予定で、手始めに車車間通信システム(ITS Connect)を初搭載した新型車を9月末に日本国内向けに発売した。

東京近郊の高速道路を走行中の白いレクサス。外見は従来モデルと同じだが、自動運転技術を搭載したトヨタの
「ハイウェイ・チームメイト」コンセプトに基づくテスト車だ。(写真=TOYOTA)

トヨタ自動車 NYSE:TM がいよいよ自動運転車の開発レースに参戦する。日本一の自動車メーカーである同社は、2020年をめどに自動運転車を発売予定であると先ごろ発表した。競合メーカーたちも同時期に自動運転システム車発売を狙っている。

2020年までの間、トヨタは自律走行車の完全実用化に向けて、最新技術を搭載した製品を次々に発表する予定で、その第一歩として9月末に新型車を発売した。


自動運転:車の安全性向上への近道

トヨタは、他の多くの自動車メーカー同様、エアバッグや車体の強化といった「消極的な」安全システムは改善し尽されており、今後短い期間での進歩は望めそうにないと考えている。今後は衝突そのものを防ぐ技術開発に注力することが車の安全性を高める近道との考えだ。

理論上、車車間通信および路車間通信の機能を備えた完全自動運転車が普及した暁には、車同士の衝突事故はきわめて起こりにくくなるはずだ。これこそ自動運転車が期待される大きな理由のひとつなのだが、こうした未来のテクノロジーには未完成の部分が多く、実現にはもうしばらく時間がかかりそうだ。

試運転中の東京近郊の高速道路で「ハイウェイ・チームメイト」の技術力を披露するドライバー。(写真=TOYOTA)

世界中のライバル会社や並みいるシリコンバレー企業に負けじと、年月をかけて自律走行車の技術開発に取り組んできたトヨタ。この数年でようやくこれらの技術を自社製品に搭載するに至った。その他の技術も今後続けて発表予定だ。

トヨタの発表によると次の開発目標は、車両の自動通信システムに関する技術だ。