IPPUDO英国2号店
(写真=筆者)

英国ロンドンでは2011年から「Bone Daddies(ボーン・ダディーズ)」「麺屋一点張」「Tonkotsu」「昇竜」などのラーメン店がセンター街に続々とオープンし、ラーメンブームが起きている。昨年には「金田屋」や「一風堂」など、福岡のラーメン店も進出して人気を呼んでおり、“豚骨ブーム”はほぼ定着。ラーメンが身近なメニューとなり、豚骨を軸としながら、各店のオリジナリティーを楽しめる環境ができている。


2018年に開通する高速鉄道クロスレール沿線に続けて出店

今夏にロンドン東部の金融街、カナリーワーフにオープンした「IPPUDO(一風堂)2号店」もオープン当初から列をなす大盛況ぶり。ラーメン店の多くはセンター街に集中するが、なぜあえてロンドン東部に、のれんを構えたのだろうか。

カナリーワーフは200メートルを超える3本の高層ビルが目印。1990年代にウォーターフロント再開発地域に新たに誕生したこの金融街は、周りをドックに囲まれた半島状になっており、他のロンドンの街並みとは一線を画した、たたずまいだ。

高級店やハイブランドのショップ、レストランが集まる大型モールもあり、平日の昼時にはバンカーたちでごった返す。一風堂2号店があるのは、今年5月にオープンしたばかりの小型モール「クロスレール・プレイス」で、メディアにも多く取り上げられている話題の場所。

なぜ話題かというと、ロンドンの東西約120キロを結ぶ新たな高速鉄道クロスレールが2018年に開通を予定しており、このモールの地下4階がプラットホームとなるからだ。開通すれば、これまで1時間以上かかっていたヒースロー空港にも30分強で行くことができ、カナリーワーフのビジネスチャンスが増すことは間違いない。

実はIPPUDOの1号店、セント・ジャイルズ店も、クロスレールのセンター街の駅の1つとなるトテナム・コート・ロードの付近にあり、沿線を狙った開店には大型チェーンらしい戦略がうかがえる。