マイナンバー制度

(写真=PIXTA)

2015年10月、社会保障・税番号制度、通称マイナンバー制度の番号通知が開始された。10月5日時点の住民票情報をもとに、各自治体が国民一人一人に割り振った12桁の番号が徐々に配布されはじめている。

その規模は全国5600万世帯。セキュリティ問題などが取り沙汰される一方、ビジネス分野においては数兆円のチャンスをもたらす歴史的な事変ともいえる。

まず、マイナンバー3つの目的とは?

総務省によれば、マイナンバーは「行政の効率化、国民の利便性の向上、公平・公正な社会の実現のための社会基盤」と定義される。

第1の目的である「行政の効率化」では、行政機関や地方公共団体などで、様々な情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減される。

第2の目的は「国民の利便性の向上」。添付書類の削減など、行政手続が簡素化され、国民の負担が軽減されるほか、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関から様々なサービスの通知を受け取ることができようになる。

そして第3の目的である「公平・公正な社会の実現」。所得や他の行政サービスの受給状況が把握し易くなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止するとともに、本当に困っている人にはきめ細かな支援が行き届くことになるという。

IT業界にマイナンバー特需

マイナンバーの導入により、IT業界には数兆円の経済効果がもたらされると言われている。当初は導入コストが嵩む上、システムエンジニア不足も懸念されるなど、施行後3年間は利用の出来ない民間企業にとっては不安材料ばかりがクローズアップさていれる。

ただし、その一方で、本格的な利用が始まれば大きな経済効果が期待されることも忘れてはならない。

無論マイナンバーの便利さは、リスクと表裏一体の関係にある。そのためマイナンバーの情報漏洩には個人情報保護法よりも厳しい罰則が定められており、違反すると「4年以下の懲役または200万円以下の罰金」が課せられる。ひとたび情報漏洩が起こると、社会的な信用の失墜など、企業が負う損失は計り知れない。

マイナンバーの活用にしろ、情報漏洩への対策にしろ、それがIT業界に特需をもたらすものであることは言うまでもない。ここでは目が離せない関連10銘柄を挙げておくことにしたい。