米国特許商標庁(USPTO)に仮想通貨「SETLcoin」の採用を申請中の米ゴールドマン・サックス。テクノロジー分野への投資額は今年だけで27億ドルから32億ドル(約3278億5155万円から3885億6480万円)にのぼると予想されている。
9000人の技術者を動員 次々と革命的プロジェクトに着手
ゴールドマンは金融業界の中でいち早くテクノロジーの導入に興味を示し、これまで9000人の技術者を動員して、取引プラットフォーム「GSessions」、クラウドベース・メッセージサービス「Symphony」など、数々のイノベーション・プロジェクトに取り組んできた。
クレディ・スイスの調査によると、ゴールドマンの今年のテクノロジーへの投資額は、収益の7%から9%に相当すると見られており、その規模の大きさでライバル達を大きく切り離している。モルガン・スタンレーは3%、バンク・オブ・アメリカは4%(各30億ドル/約3642億7950万円)と予想されている。
また2014年には取締役に昇進できる技術者の確立は16分の1だったが、今年になって6分の1まで上昇 -- と、ここでもゴールドマン内部に大きな「テクノロジー改革の風」が拭きぬけている。
「ブロックチェーンはすべてを揺るがす」無限の可能性を秘めたSETLcoin
ゴールドマンはブロックチェーンを「すべてを揺るがすもの」と見なし、独自のクリプト・カレンシー(仮想通貨)SETLcoinに秘められた無限の可能性に大きな希望を抱いているほか、「Mosaic」と呼ばれるオンライン・レンディング・プラットフォームの立ち上げプロジェクトなども同時進行させるなど、テクノロジー改革への野望は天井知らずだ。
これまでのところ全てのプロジェクトが利益をもたらしているわけではなく、取引プラットフォーム「GSessions」、食品配達ビジネス「Webvan」など、散々な結果に終った例もあるのは事実だ。
しかし無料のオープンソース・データベースの普及により、比較的低コストで新たなプロジェクトに挑むことができるため、ゴールドマンのような意欲的な大企業にとっては、次々に新たな挑戦に取り組みやすい環境といえるだろう。
オープンソースに付きまとうセキュリティー・リスクや要となる顧客確保など、今後解決すべき問題は山積みだが、ゴールドマンが並み居るライバルの一歩先を走っていることは疑う余地がない。(ZUU online 編集部)
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