(写真=PIXTA)

2015年11月4日に上場した、日本郵政 <6178> グループ、ゆうちょ銀行。政府の郵政民営化委員会(増田寛也委員長)は12月10日の会合で、預入限度額引き上げを容認することを確認した。実現すれば、引き上げは1991年以来、25年ぶりになる。

自民党は今年6月、自民党は9月末までに2000万円まで引き上げ、将来的には上限を撤廃する様に求める提言を行っていた。全銀協や信金信組など業界団体は反対している。

いったい預金上限1500万円の何が問題なのか見ていく。

全銀協や信金信組など業界団体の反応 当然ことごとく反対

ゆうちょの預金限度額引き上げについては関係団体が反発している。銀行の団体組織である全国銀行協会の会長であり、みずほフィナンシャルグループ社長の佐藤康博氏は「ゆうちょ銀行のさらなる規模の拡大につながり、地方金融機関が大きな影響を受ける」とのコメント。

また11月30日に行われた金融庁主催の「中小企業等の金融の円滑化に関する意見交換会」では、信用金庫の団体組織である全国信用金庫協会の会長で城北信用金庫会長の大前孝治氏は「限度額の引き上げは郵便網と民間金融機関の連携に水を差すばかりでなく、地域金融システムの混乱を招き地域経済に悪影響を与え、政府が進める成長戦略や地方創生の推進力を大きく毀損する」とコメントした。

信用組合の団体組織である全国信用組合中央協会の会長。茨城県信用組合理事長である渡辺武氏も、「ゆうちょ銀行と民間金融機関との公正な競争条件が確保されていない以上、限度額引き上げ、新規業務の拡大は認められるべきではない」と述べている。

金融機関がことごとく反対している様な状況だ。