投資本

(写真=HPより)

アベノミクスによる株高や不動産バブル、税制改正、世界的には中国株暴落やギリシャ債務など、今年もさまざまな経済ニュースが駆け巡った。2015年に発売された投資に関する本を振り返ってみよう。

専門的な投資本から初心者向けのエッセーまで、お金にまつわる本がたくさん出版された。その中から特に話題になった本や人気を集めた本を、株式投資などの分野から3冊、不動産から3冊採り上げる。

目次

  1. どんな時代で勝ち続けるファンドマネージャーの哲学 『投資バカの思考法』
  2. 欧米、日本、各市場の見方などを解説 『勝ち続ける個人投資家のニュースの読み方』
  3. 株やFXからNISAのワナ、退職金運用など幅広い内容 『最強の「先読み」投資メソッド単行本』
  4. ハワイに居ながら日本の不動産に投資するには 『不動産投資で「ハワイ」へ移住 ! 元サラリーマンが日本の家賃収入で「Oh! Yeah」なセミリタイア生活を満喫中!』
  5. ブログに多く寄せられる質問にも回答 『会社に勤めながら資産をつくる「不動産投資」入門』
  6. 「2棟目が買えない」という人にもオススメ 『アラフォーママ「夫に頼らず」資産8億円、家賃年収5000万円!』

どんな時代で勝ち続けるファンドマネージャーの哲学
『投資バカの思考法』

toushibaka
(藤野 英人、SBクリエイティブ、1512円)

投資にかぎらず人生で必要な考え方が学べると各メディアで話題の1冊。著者はひふみ投信のファンドマネージャーとして活躍する藤野氏。デフレやリーマンショック、東日本大震災など、どんな経済状況でも25年以上実績を出し続け、カリスマ投資家と呼ばれている。

なぜ激動の時代でも勝ち続ける投資ができるのか。その方法を明かしたのが本書だ。専門用語を多用せずに平淡な文章で人生哲学、投資哲学が淡々と語られており、そのぶれない姿勢に評価も高い。

投資手法のノウハウ本というよりは、優秀なファンドマネージャーとしての思考をエッセイのようにつづった内容だ。物事のとらえ方や判断など、著者の個性が詰まった渾身の1冊である。

欧米、日本、各市場の見方などを解説
『勝ち続ける個人投資家のニュースの読み方』

news
(玉川 陽介、KADOKAWA・中経出版、1620円)

投資の勝ち負けの差は分析手法ではなく「ニュースの読み方にある」として、ニュースの読み方を解説した本。勝ち続ける投資家はどんな点に注目し、どう読み解いているのか。注目ポイントが整理されているので、ベテラン投資家というよりは、これまで経済ニュースの見方がわからなかった投資初心者向けといえるだろう。

日経新聞よりも、ロイターやブルームバークの記事からお金につながるニュースを見つける方法などアプローチもユニークだ。

勝つために市場をどうとらえるか、米国市場、欧州市場、日本市場の投資家目線での見方などが紹介されている。

株やFXからNISAのワナ、退職金運用など幅広い内容
『最強の「先読み」投資メソッド単行本』

sakiyomi
(土居 雅紹、ビジネス社、1620円)

各経済メディアでおなじみの人気コメンテーターが相場と景気の動向を先読みするワザを紹介した人気本。

株式、金、FXなどの勝ち方から、NISAのワナ、退職金の運用法まで賢い投資術を学ぶことができる。データなどの最新情報が豊富で、解説の説得力が高いと太鼓判を押す声も多い。

バブルや暴落などの危機対策についても説明されており、個人投資家は必見だ。専門性が高く、初心者には難しい内容や用語もちりばめられているが、理解すればきっと投資に役立つヒントとなるだろう。様々なレベルの人に有益な骨太の1冊となっている。

ハワイに居ながら日本の不動産に投資するには
『不動産投資で「ハワイ」へ移住 ! 元サラリーマンが日本の家賃収入で「Oh! Yeah」なセミリタイア生活を満喫中!』

hawaii
(天方 エバン、ごま書房新社、1674円)

ハワイの不動産投資ではなく、ハワイにいながら日本の不動産物件を「リモートコントロール」する方法をハワイ在住の不動産投資家が紹介する内容。と言っても、単なる不動産投資本ではなく、生活や税金、出産、教育などハワイ移住に関する知識も盛りだくさん。ハワイ移住のプロセスもていねいに書かれており、ハワイ移住を夢みる投資家から熱い支持を集めている。

投資はあくまでも夢を叶える手段とし、合理的な投資で自由なライフスタイルを手に入れた筆者の、熱い生き様が情熱たっぷりに書かれている。ハワイ暮らしという羨望も相まって、人生のパワーをもらえる1冊だ。

ブログに多く寄せられる質問にも回答
『会社に勤めながら資産をつくる「不動産投資」入門』

kaisya
(志村 義明、日本実業出版社、1620円)

最近は副業で投資をする人も増えているがそんな人が熟読している1冊。サラリーマンをしながらマンション経営で5億の資産を築いた著者が、勤めながら資産をつくる不動産投資の基本を詳しく紹介している。自身のブログで質問の多い内容をQ&Aで解説しているので知りたかったポイントが明解だ。

投資のプロではなく、会社員という視点で経験してきた不動産がポイントで書かれているので読みやすい。投資に慣れた人にとっては目新しいノウハウはないかもしれないが、初心者にはもっておきたい1冊といえるだろう。著書なりの投資戦略アイデアも豊富で参考になる。

「2棟目が買えない」という人にもオススメ
『アラフォーママ「夫に頼らず」資産8億円、家賃年収5000万円!』

mama
(内本 智子、ごま書房新社、1566円)

アラフォーの主婦が夫にナイショで家賃年収5000万円になるまでのマンション投資を紹介。筆者は投資専門家ではないが、かなり勉強して投資に取り組んでいることがよくわかる、専門書のようなハイクオリティな内容だ。初心者にも分かりやすい具体的なノウハウが満載で、良書として評価が高い。

投資成功・失敗を決定する出口戦略(売却)にページを割いて説明しているのも読者を引きつけている点だ。2棟目が買えない人や売却のタイミング、購入のタイミングに悩む人などにもおすすめ。

巻末資料の「物件購入時・購入後にかかる費用」も非常に役立つと好評だ。 (ZUU online 編集部)