KPMGが世界19カ国100社のFinTech企業を対象に実施した「世界で最も成功しているFinTech企業」の調査で、首位に輝いた中国初のオンライン保険会社Zhong Anを含む7社の中国企業がトップ50入りしていることが判明した。そのうち3社はトップ10入りしている。


トップ50では英国を上回った中国

昨年の調査ではわずか1社しかランク入りしていなかった中国だが、アリババ・グループが大手ネット会社、Tencentと2013年に共同設立したZhong Anを筆頭に、ローン決済対応のオンライン小売業者のqufenq(i 趣分期 )が4位、、P2PレンダーLufax( 陆金所 )が9位、中国初のテクノロジー企業向け信用格付け会社、We Cashが39位など、FinTech先進国といわれる英米と接戦を繰り広げるまでに急成長を遂げている。

一方UK(英国)FinTech企業は50位内に6社という結果に。KPMGのFinTech部門責任者、ウォーレン・メッド氏は、実質的には英国がトップの座をキープしていると認める一方で、中国FinTechの目覚ましい発展を高く評価。「UKスタートアップはオチオチしていられない」とコメントした。


急激な成長に不安要素を抱える中国スタートアップ

中国は総合ランキング以外にも、「急成長スタートアップ・リスト」に12社が選ばれるなど、19カ国中最も大きく飛躍している。比類を見ない速度で急成長の中国FinTechは、今後も凄まじい快進撃を続けることが予想できるだろう。

しかし米モルガン・スタンレーのアナリストに、中国のP2Pプロバイダーは正規の金融機関から融資を受けられない消費者を対象にしているため、銀行を脅かす段階にまでは成長していないと指摘されるなど、スタートアップ企業の入れ替わりの激しさが、中国FinTechの不安定要素になりかねない。

KPMGは調査の対象となった100社が今年既に110億ドル(約1兆3380億円)の資金調達に成功していることから、FinTechへのグローバルな投資総額が、昨年から66%増の220億ドル(約2兆6760億円)に達すると見込んでいる。(ZUU online 編集部)

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