若者のクルマ離れが指摘されている。今年(2019年)の新成人を対象にソニー損保が行った調査結果では、新成人の運転免許保有率は61.5%、マイカー所有率は16.7%だったという。一方で、新成人のクルマに対する意識では、「同年代でクルマを所有している人はカッコイイ」と約50%があこがれを抱いているとの調査結果が発表された。

(画像=Grzegorz Czapski/shutterstock.com,ZUU online)

これまで約30台のクルマを乗り継いできた矢崎健也氏(53歳)はいう。

「現代の若者たちがクルマを買わない理由は、単純に経済的な側面が大きいのではないでしょうか。都心であれば、駐車場代で月々3万円以上は覚悟しなければならないし、税金や保険などを含めれば、クルマを保有しているだけで年間50万円近いお金が必要となるのですから。それでも、ボクの大学生時代はバブル全盛期で、大学生でもクルマは必需品でした。女の子をデートに誘うときもクルマがないと恥ずかしくて誘えない。男子大学生のほとんどがクルマを所有していましたね。大学の授業が終わると、せっせとアルバイトをし、『オトコの60回払い』とかいいながら長期ローンを組んでお目当てのクルマを購入していました(笑)。当時は自動車ローンの金利も高く、60回のフルローンでとんでもない金利を支払っていました」

――昔と現在で、クルマに関する考え方は変わりましたか?

「一言で言えば、売るときのことを考えるようになりました。新車でも中古車でもできるだけ値落ちの少ないモデルを購入するようになったんです。たとえば、中古で800万円で買ったクルマが2年経って600万円で売れたとすると、その差額は200万円ですよね。つまり、2年間で200万円の支出だったことになります。一方、300万円の中古車を買って、2年後に100万円で売れた場合も支出は200万円。同じ200万円なら、いいクルマのほうがいいじゃないですか。当然、性能もいいですし、安全性だって高いのですから。若いころは、購入したクルマにいろいろと手を加えて、それがカッコイイと思って乗っていましたが、実際、そんなクルマは売るときに安く叩かれたものです。いまにして思えば、お金をかけて、クルマの資産価値を下げていたんですね(笑)」

1300万円で買ったゲレンデが1200万円以上で売れた

――これまで最も値落ちの少なかったクルマは何ですか?