写真提供=金森重樹)

超富裕層たる金森重樹氏を、30㎏以上の減量に導いた「断糖高脂質食」。12万人のTwitterフォロワーを抱える金森氏の元には、日々「#金森式」ダイエット実践者たちからの減量報告が舞い込んでいる。GACKTをはじめ、体重管理に敏感な俳優、グラビアアイドルなどからも支持を得るメソッドとは? 前編では肥満のメカニズムから「断糖高脂質食」の有効性を語ってもらったが、後編では「富裕層こそライフサイエンス領域に注目すべき」と語る金森氏の実生活に迫るインタビューを行った。

金森重樹さん
株式会社金森実業代表取締役。1970年生まれ。東大法学部卒業後、フリーター時代に1億円超の借金をつくる。不動産会社に就職後、29歳で行政書士として脱サラ。現在は不動産、ホテルサービス、福祉事業など年商100億円の企業グループオーナー、ビジネスプロデューサー。20代のころから恒常的に体重が90キロ近くある肥満体型だったが、高脂質・断糖食ダイエットを実践した結果、2カ月で58キロまで減量することに成功。現在はツイッターを中心に、高脂質・断糖食ダイエットの普及活動に取り組んでいる。

ステーキ肉などを食べ、たった2カ月で3キロ減。

内臓脂肪や皮下脂肪のもとになる“糖質”を可能な限り排除し、良質な“脂”を積極的に摂ることで、エネルギー源を脂質に切り替える――。これが、目下SNSで「#金森式」として注目を集める「断糖高脂質食ダイエット」のベースとなる理論だ。

金森氏がよく食べているメニューで言えば、和牛ステーキなどの肉、刺身やポワレなどの魚、オムレツなどの卵料理。加えて、上質なバターや牛脂、MCTオイルをスープや紅茶とともに大量に摂り、ビタミンなどの足りない栄養素は積極的にサプリメントで補っているという。あくまでも食事をコントロールするだけで、運動を気にする必要はない。

「僕がたった2カ月で32kg減量したことに、身近な人たちは『まるで別人だ』と驚いていました。最初は半信半疑だったようですけど(笑)。書籍のスタッフである40代の男性編集者は、スタートから2週間で7kg減、4カ月でトータル17kg減。同じく30代の女性ライターさんも、半年で10kg、1年で最大15kgも痩せました。2人とも肥満とまではいかないまでも、ポッコリお腹が目立ち始めた典型的なメタボ中年でしたが、みるみるスッキリしていきました」

既往症や過去の運動習慣などを鑑み、人それぞれのベスト体重を目指すべきだが、#金森式の目標体重としては、BMI(Body Mass Index)でいう20前後をひとつの目安にしている。

「飲食業界一筋の30代男性フォロワーさんの例だと、身長166㎝で136kg、幼少期から肥満体で糖尿病に悩まされていたという人が、3カ月で28kgの減量に成功しました。糖尿の数値も正常値まで下がったそうです。100kgオーバーのいわゆる過体重の人の中には50kg以上痩せた人もいるなど、成功例が続出しています」

ここまでガチ速で痩せられる秘訣は、一体どこにあるのだろうか?

「Twitterを見ればわかりますが、僕は基本的に365日外食です。都内なら麻布十番のラセン、六本木のエンパイアステーキハウスやバルバッコア、リゾートワーク中はエクシブ湯河原離宮、館山の森羅、越後湯沢の四季ユザワクワトロなど…僕が調味料に至るまでチェック済みのレストランで断糖高脂質食を楽しんでいますが、何を食べるかはもちろん、いつ、どう食べるかも重要です」

前編でも肥満のメカニズムをもとに、インスリンをコントロールすることがダイエットの肝だと説いていたが、合わせて食事の回数にも気を配る必要があるという。

「1日3食」は健康的な食事ではない

「インスリンは、糖質だけでなく肉などのタンパク質を食べても出ます。ただ、健康的に痩せるには除脂肪体重×1gのタンパク質を摂ることが重要なので、僕は一日1食、肉や魚でしっかりタンパク質を摂る食事を意識しています。朝〜昼食にそのタイミングを持っていくのが理想的です。その1食以外は、MCTオイルやフィッシュオイル、生クリームを入れた紅茶、牛脂スープなどを0.5食としてカウントする『1日1.5食』をおすすめしています」

※MCTオイルやフィッシュオイル、生クリームを入れた紅茶を愛飲する金森氏。これは「0.5食」としてカウントする

たったそれだけでは、空腹からストレスを感じてしまいそうだが?

「脂質をたっぷり摂ると、脳の視床下部に作用して満腹感を感じさせるレプチンというホルモンを分泌させるため、空腹を感じることがなくなります。0.5食は、そのためです。また、間欠的ファスティング(Intermittent Fasting)といって、食事の間隔を空けることでインスリンの過剰分泌を防ぎ、脂質代謝を大きく促進させることができます。メインの食事と食事の間隔を空けることも重要です。多くの人が信じている『炭水化物を主食とする』『カロリー至上主義』などと同じく、『1日3食』が健康にとって必ずしも正解ではないのです」

「1日1.5回」の断糖高脂質食と間欠的ファスティングがもたらす、まさに下り最速の減量。外食が多いビジネスパーソンでも、短期間で結果を出せるというわけだ。