住宅ローン減税,低金利,住宅購入
(写真=PIXTA)

マイナス金利が導入され、住宅ローンの借入れ金利は低金利で推移している。不動産は人生において最も高い買い物になることが多く、タイミングを迷っている人は少なくないだろう。ここでは、税金の控除制度である住宅ローン減税の制度概要を解説し、住宅の購入タイミングについて考えてみよう。

住宅ローン減税の仕組みを理解する

まず、住宅ローン減税の仕組みについてだが、住宅ローン減税は一定の条件を満たしている場合、年末の住宅ローン残高の1%が、10年間、所得税から直接控除される制度である。初年度は確定申告の必要があるが、給与所得者であれば2年目以降は会社で年末調整の適用が可能である。

年末ローン残高の上限については、入居した年の税制による。例えば、平成26年4月1日から平成31年6月30日に一般住宅(消費税率が8%または10%の場合)に入居した場合の減税の対象となる年末ローン残高の対象額は最大で4000万円となる。仮に年末ローン残高が4000万円あれば、1%である40万円を毎年取り戻すことができる。控除期間は10年間なので、年末ローン残高が4000万円の場合、合計400万円取り戻すことができる。ただし、年末ローン残高が10年間4000万円以上ある人は実際には少なく、最大限取り戻すことができる人はごく少数となる。

納めた所得税までしか取り戻せない

仮に3200万円の住宅ローンを借りて、年末のローン残高が3000万円だとする。その場合、減税額は3000万円の1%の30万円となる。もし、その年に納めた所得税が25万円であれば、25万円しか取り戻すことはできない。つまり、戻ってくる所得税の額の上限はその途に納めた所得税の額である。また、所得税から控除しきれなかった額については個人住民税で住宅ローン減税(平成26年4月以降の上限は年額13万6500円。消費税率8%を負担した場合)を受けることができる。

住宅ローン減税の主な条件

住宅ローン減税の対象となる物件や主な条件は以下の通りである。
・住宅ローンの返済期間が10年以上
・借入れした人の合計所得金額が3000万円以下
・新築または取得日から6ヵ月以内入居
・床面積が50㎡以上
・床面積の1/2以上が居住スペース

また新築の物件だけでなく中古物件や増改築・リフォームも住宅ローン減税の対象となる。

上記条件の他に工事費用が100万円以上で、一定の省エネリフォーム、バリアフリーリフォーム、耐震リフォームや大規模な間取り変更などが条件となる。