シンガポール銀行は11月22日、ドバイ金融当局から金融兼業認可を取得したと発表した。中近東の富裕層をターゲットに、投資、資産運用アドバイザリーを含むプライベート・バンキング事業を展開する。

2017年第1四半期、ドバイ・インターナショナル・ファイナンシャル・センター(DIFC)に支店が開設される予定だ。既存の代理店の合併、閉鎖などは検討しておらず、従来どおりの活動を続けていく。

中近東地域で増加する富裕層 過去2年あまりで運用資産額が2倍に

2009年以降、華僑銀行(OCBC銀行)のプライベート・バンキング部門となったシンガポール銀行だが、ドバイには1996年から代理店を設け市場進出を果たしていた。

今回の支店開設に関しては、中近東地域の富裕層顧客からの需要をうけての前進だという。シンガポール銀行のデータでは、2014年から2016年にかけて運用資産額が2倍、純新貨幣は5倍に増えている。

ドバイの金融ハブ、DIFCに支店を構えることで、富裕層顧客がアクセス可能な間口を広げ、ドバイ金融市場に本格的に参入する意図があることは明白だ。

中近東および北米のプライベート・ウェルス市場は、2020年までに8.2%増の11兆8000億ドルに急成長すると、国際経営コンサルティング会社、ボストン・コンサルティング・グループは見こんでいる。シンガポール銀行がドバイでの事業を拡大するうえで、絶好の機会となるはずだ。

英大手不動産コンサルタント、ナイトフランクの調査でも、アジア圏における超富裕層(資産3000万ドル/約30億6000万以上)の飛躍的な増加が報告されている。中でもドバイ、シンガポールは、香港と上海に代わる富裕層成長地域と見なされている。

ドバイは現在進行中の「都市ブロックチェーン化計画」などでも、世界中から注目を浴びており、中近東地域を代表する金融ハブに進化を遂げると期待されている。各国の大手銀行がこぞって進出を検討しているのも不思議ではない。日本からは昨年、三菱東京UFJ銀行が金融兼業認可した。(ZUU online 編集部)

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