最も資金を調達した米Insureスタートアップをランキングにした「InsurTech投資トップ10」が発表され、Oscar HealthやClover Healthが数百億円にもおよぶ資金調達に成功したことが判明した。期間は2016年第1四半期から2017年第1四半期。

わずか1年で二度の大型資金を獲得したMetromileなど、市場を魅了する新鮮な発想のスタートアップが続々登場している。

最高額を獲得した米InsurTechスタートアップ10社

10位 Justworks 3300万ドル
9位 Lemonade 3400万ドル
8位 Cyence 4000万ドル
6位 Metromile 5000万ドル
6位 Namely 5000万ドル
5位 Decisely 6000万ドル
4位 Bright Health 8000万ドル
3位 Metromile 1億310万ドル
2位 Clover Health 1億6000万ドル
1位 Oscar Health 4億ドル

ゴールドマンなどが投資するOscar、高齢化社会対応のClover

「InsurTech投資トップ10」はCBインサイツによるもので、2016年第1四半期から2017年第1四半期のデータに基づいて作成された。

首位のOscar Healthはオバマケアに焦点を当てた商品で、ゴールドマン・サックス、Googleキャピタル、フィデリティ・インベストメンツといった国際大手から、453億2800万円の大型資金調達に成功。

次いでClover Healthは高齢化社会に合わせたビッグデータ型分析で、医療コストの負担を軽減するソリューションを提供し、AMEクラウド・ベンチャーなどから181億3120万円を獲得した。

Metromileは1年間に二度の資金獲得を達成。「走った分だけ保険料を支払う」というプリペイ保険の発想に、中国太平洋保険やNEAなどが総額173億5479万円を投じた。

今後数年でCAGRが10%超え?急進化を遂げる保険産業

英市場調査会社、technavioは、InsurTech市場のCAGR(年平均成長率)が、2020年までに10%を超えると予想している。

他国からも中国初のオンライン保険となった衆安保険(Zhong An)、独P2P保険のFriendsurance、英Guevaraなど、既存の保険の概念を根本からくつがえす次世代保険が続々登場しており、各スタートアップが独自の発想で「消費者に優しい保険環境」を創造しようと試みている。

一例を挙げるとFriendsuranceは、米で人気のClover Healthとは対照的に、ビッグデータなどテクノロジーに過度に依存しない商品を提供している。加入者同士がグループ単位で保険料を支払いお互いを支え合うという、人間のつながりに重点を置いたサービスが逆に新鮮だ。

長年デジタル改革で遅れをとっていた保険産業も、ようやく時代の流れに乗り始めたようだ。(アレン琴子、英国在住フリーランスライター)

【編集部のオススメ FinTech online記事】
金融業界のビジネスパーソンはFinTechの進行に危機感を持たなければならない
最新の株価指数「FinTech指数」とは?
ロボアドサービスを公開したウェルスナビ「より使いやすい見た目や操作感を……」
CEATEC開催 MUFGが初出展、AIを活用したサービスを展示
「FinTech化が進む金融業界で活躍できる人材とは?」